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2013_日本代表・・有用な情報収集マッチだった!?・・オーストラリア戦への緊張感もアップしただろうしね・・(日本vsブルガリア、0-2)・・(2013年5月30日、木曜日)

あり得ない!! こんなラッキーなコトもあるんだ〜!!

 人でごった返していたのに、名古屋へ向かう電車で座れたんですよ。だから、電車のなかでキーボードに向かうことにした。何せ、名古屋駅へいくために乗り換える「伏見駅」まで50分くらい電車に揺られなきゃいけないからさ。

 それにしても、この電車は揺れる。ちょっと書いては、外を見なければ、ホントに酔っちゃう。

 ゲ〜ッ!! いやいや、冗談・・スミマセン・・あははっ・・

 さて、ということで、どんな書き出しにしようか・・。まあ、様々な情報を収集するために有効活用したフレンドリーマッチだったっちゅう結論ですかね。

 何せ、守備ラインを、スリーバックからフォーバックへ変更しただけじゃなく、あれだけ沢山の選手を入れ替えたからね。

 実は、牛若丸(中村憲剛)が出てきたとき、「よしっ! これで、人とボールの動きが活性化するぞ・・」なんて大いに期待した。でも・・

 そう、実際には、彼のところにうまくボールが動いてこなかったんだよ。だから、彼によって組織サッカーが大きく活性化することもなかった。

 まあ、それまでのイメージがあまりにも低調だったから、選手たちも、中村憲剛が出てきたからといって、すぐに彼の能力を活用しようなんていう前向きのイメージを描けなかったんだろうね。それじゃ、ステップアップにつなげるのは難しい。

 まあ、守備は安定していたけれど、(ブルガリアが、ビデオまで使ってしっかりとスタディしていたことで!?・・監督さんの弁・・)攻めについては、最後 まで、攻めのペースを本格的にアップさせることが叶わなかった。まあ、牛若丸が入ったことで少しは、流れが良くなってはいたけれど・・。

 試合後の記者室では、そんな試合内容をベースに、次のオーストラリア戦が厳しくなるに違いないなんて言っている人もいたけれど、それは、まあ、的外れだろうね。

 ザッケローニも、こんな言い回しで、そんな雰囲気を、うまく抑制したっけ。曰く・・

 ・・このチームは、とても強くなっている・・彼らは、やるときはやる・・だから、まったく心配していない・・まあ、この試合では「リズムが低調」だったから、良いプレーを出せなかったけれどネ・・

 そう、低調なリズム・・

 ザックは、人とボールの動きのことを言っていた。まあ、組織サッカーの内実とも言い換えられるけれど・・。

 それが、うまく機能しなかったから、良い攻めを展開できなかった・・というニュアンスだったんでしょ。同感だね。だから聞いた。

 ・・低調なリズムだったというテーマだが・・ゲーム終了間際に作りだされた、素晴らしいダイレクト・コンビネーションからの長友佑都のシュートシー ン・・残念ながらオフサイドだったけれど、そのようなハイテンポのコンビネーションは、この試合では、ほんの数回しかなかったのも事実だと思う・・そこで 質問だが、日本の場合は、コレクティブな組織プレーを絶対的なベースに、そこへ効果的に個人勝負をミックスしていくという発想が良いと思うのだが?・・

 そんな質問に対し、ザッケローニさんが、例によって真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。曰く・・

 ・・日本には、これまでの戦い方が合っている(その内容について繰り返させないでくれよ・・ってなニュアンスが表情にアリアリ・・あははっ)・・

 ・・とにかく、身体が比較的小さな日本選手の場合、フィジカルのぶつかり合いは不利だろう・・だからこそ、創造的で活発な人とボールの動きによってスペースを攻略することで、相手とのフィジカル的なぶつかり合いを避けるんだ・・

 ・・そう、相手に、予測させないくらいに活発なリズムの人とボールの動きだよな・・

 ・・個の勝負だが・・オカザキやカガワ、またイヌイといった個人勝負も効果的に繰り出せる選手たちにしても、動きながらパスを受け、そのままの勢いでドリブル勝負やコンビネーションを仕掛けていったときに、素晴らしい成果を生み出せるんだよ・・

 フムフム・・そういうことだね・・

 ところでスリーバック。

 そのテーマについても、ザックは、とても興味深いキーワードを紹介してくれたぜ。

 そう、共通理解とスムーズな機能性というキーワード。

 共通理解についてだけれど、栗原勇蔵にしても今野泰幸にしても、はたまた吉田麻也にしても、駒野友一や内田篤人にしても、あまり深い経験はないよね(私の認識が間違っている場合、ご指摘あれ・・)。

 また、遠藤保仁にしても長谷部誠にしても、しかり!? 特に、ダブルボランチの、攻守にわたる効果的なマネージメント(カバーリング・・タテのポジションチェンジ・・等など)が、とても重要な意味を持ってくるんだよ。

 またそこには、頭では分かっていても、身体が「自然に」動いていくレベルまで到達していない・・という課題もありそうだね。オートマティゼーション・・それです。

 何せスリーバックの場合、両サイド、ウイングバック、攻撃的ハーフという「タテのトリオ」が、攻守にわたって有機的に連動することが求められるわけだからね。だからこそ、ダブルボランチとの効果的な連係が、殊の外大事な意味をもってくるっちゅうわけさ。

 でもね・・

 このことについては、私も同じ印象をもっていたのだけれど、ザックは、ディフェンスの内容については、前半のスリーバックでも、後半のフォーバックでも、大きな差異は感じられなかった・・と言っていた。

 それについては、アグリー。でもスリーバックの場合、攻守の機能性や連動性という視点では、やっぱり、何か動きのスムーズさに欠けるとか、勇気に欠ける・・なんていう印象が残っちゃったよね。

 まあ、攻撃性を重視する意味合いでのスリーバックについては、また機会を改めて語りましょう。

 ところで、今日の失点だけれど、ありゃ、仕方ないよ。スーパーな「ブレ球」に自殺点。それも「あの」長谷部誠の自殺点だからね、仕方ない。

 まあ、敢えて言えば、川島永嗣は、滑ってしまう危険が大きいパンチではなく、手のひらで弾き出すというプレーを選択するべきだったかもしれないね。まあ、とはいっても、「あの」ブレ球は、ちょっとレベルを超えていた。まあ、仕方ない。

 最後は、こんなザックのコメントで締めましょう(前のコメントそうだけれど、ニュアンス的にちょっと編集したところアリ・・あははっ)。曰く・・

 ・・私は、負けたくない・・負けることは好きじゃない・・でも、考え方によっては、負けることにも様々な価値が内包されているという見方もできる・・そして監督は、試合内容をしっかりと分析し、選手と一緒に、学習、進化していくのだ・・

 そう、脅威と機会は表裏一体・・

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 ところで、前回のコラムでも書いたけれど、いま、ソフト・バンクの「スマホ向け動画配信サイト」で連載を始めているんですよ。

 ソフト・バンクの、「スポーツ LIFE」というサイト。そのなかの「海外サッカー」での連載のはずです。まあ、一度のぞいてみてください。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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