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2013_W杯最終予選・・これほどのチカラの差があるヨルダンに逃げ切られてしまったことは、悔しいの一言だね・・(ヨルダンvs日本、2-1)・・(2013年3月26日、火曜日)

フ〜〜ッ・・まあ、仕方ない・・サッカーだから、こんなこともあるサ・・

 とにかく、「あの」遠藤保仁のPKが止められたことも含め、まさに、めくるめく歓喜と、奈落の失望が激しく交錯しつづけるサッカーの面目躍如ってなゲーム展開になった。

 言うまでもないだろうけれど、勝負の流れという視点では、あれほどの決定的チャンスを作りだした前半にシュートを決め切れなかったこと、そして逆に、セットプレーから先制ゴールを許したことが、ドツボにはまってしまった要因ということですかね。

 何せ、9人で守備ブロックを固めた後半のヨルダンは、最高のモティベーションと集中力で闘えたわけだから。

 それだけじゃなく、まさに彼らの思惑どおり、カウンターから、FWのハイルが、酒井高徳と吉田麻也を、超速ドリブルでブッちぎって追加ゴールまでブチ込んじゃう。

 これで「2-0」。誰もが、半分あきらめかけたに違いない。もちろん私も・・

 でも、ここから日本代表が、強化されたヨルダン守備ブロックを相手に、まさにフッ切れた「怒濤の仕掛け」をブチかましつづけるんだよ。もちろん、交替出場したマイクの高さ「も」存分に活用するというイメージも含めてネ。

 そんな流れのなかから生まれた香川真司の「追いかけゴール」は、まさに見事の一言だった。

 清武弘嗣のダイレクト(アウトサイド)パスが上手いコースに飛んだこと、マイクが相手を引きつけたこと、そして香川真司が、決定的スペースへ最高のタイミングで抜け出したこと。それらが、香川真司のスーパーシュートを呼び込んだ。

 その後も、フッ切れた仕掛けを魅せつづける日本代表。

 ヨルダンの体力と集中力が切れてきたこともあって、何度か、本当に惜しいチャンスの流れを作りだした。だから、負けたにもかかわらず、後味が最悪・・ということはない。

 とはいっても、これほど「サッカーの質」に差がある相手に逃げ切られてしまったことは、悔しい以外の何物でもないよネ。もちろん、「タラレバの前半」というニュアンスも含めて・・ネ。

 試合後のインタビューで香川真司がみせた最高に悔しそうな表情が、すべてを物語っていた。

 ところで、両チームのサッカーの質の差・・

 まあ、もう言うまでもないだろうけれど、ゲームの構図が・・ネ。

 そう、ボール絡みでも、ボールがないところでもスペースを攻略して勝負を決められる日本と、ボール絡みで「しか」チャンスを作り出せないヨルダン・・という構図。

 別な表現をすれば、足許パスのサッカーと、スペースパスを駆使する高質サッカーの対峙というゲームの構図だったなんてコトも言えそうです。

 この、「足許パス」と「スペースパス」については、以前、バルセロナのサッカーについて書いた「このコラム」も参照してください。

 それ以外にも、攻撃における互いの距離感の調整がうまくいっていたこと(要は・・仕掛けコンビネーションを活性化させるためのサポートの量と質がアップ したという視点)とか、組織ディフェンスがとても機能的に連動していたこと、はたまた、選手個々のプレー内容とかシュート決定力とか、いろいろとテーマは ありますが、どうも、モティベーションがアップしていかない。

 もちろん、日本がとても強くなっていることを再確認できたことはハッピーなんだけれど・・あっ、イヤイヤ・・これで、次の(追い込まれている!)オース トラリアとのホーム戦と、アウェーのイラク戦は「ガチンコ勝負」ということになる・・それは、それで、「ホンモノの勝負マッチ」をより多く経験できるとい う意味合いで(また本田圭佑と長友佑都も復帰してくるだろうし・・)、とてもポジティブなことだった・・

 まあ、とは言いながら、書きつづけるためのエネルギーを十分に補えなくなってしまったという体たらくの筆者だったのでした。フ〜〜ッ・・

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 ところで・・

 ソフト・バンクの、スマホ向け動画配信サイトでも連載をはじめました。

 ソフト・バンクの、「スポーツ LIFE」というサイト。久しぶりの連載で、ちょっとリキが入っています。まあ、一度のぞいてみてください。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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