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2013_ACLとUCL・・レッズと、ドイツ・・(2013年5月2日、木曜日)

まずACLからですが、勝ち抜き条件について、ちょっと勘違いしていた。

 同勝ち点の場合は、当該チームの直接対決リザルトが考慮されるとのこと。ということで、レッズが勝ち抜くためには、彼らが勝利することを大前提に、全北現代が広州に負けることが唯一の条件だった。

 だから、「アチラ」のゲームが予定調和「的」に収まったことで、レッズの勝利が報われることはありませんでした。

 でも(予定調和のことが念頭にありながらも・・!?)レッズは、「これから」を見据えて、しっかりと戦った。とても蒸し暑いなか、しっかりと自分たちのサッカーを展開した。

 矢島慎也も、攻守にわたって、積極的に「仕事を探して」いた。マルシオ・リシャルデスも、攻守にわたる彼本来の積極プレーを「取り戻しつつ」あると感じさせてくれた。

 今回のACLでは、アウェー全北現代戦での後半ロスタイム失点(全北の同点ゴール)が、本当に痛かったということですね。

 残念な結果に終わったけれど、それは、それで、とても貴重な学習機会だったと思う。とにかく、自分主体で全力チャレンジをつづけたからこそ、どんな結果でも、すべてを貴重な発展リソースに置き換えることが出来る。

 さて、ここから、リーグ戦に集中しよう。とにかく、レッズが発展をつづけていることだけは確かな事実だからね。観察している方にとっても、モティベーションが上がる。

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 ということで、次は、UEFAチャンピオンズリーグにおける「ドイツ」。

 バイエルン・ミュンヘンは、本当に強い。また、ドルトムントも、(少しイメージ調整したチーム戦術をしっかりと消化&昇華した!)自分たちのサッカーで運「も」つかみ取った。

 だから、すべての内容&結果ファクターを総合的に評価しても、決勝は、「順当なドイツ対決」ということになった。

 それにしても、この「決勝ドイツ対決」が開催されるのは、サッカーの聖地ウェンブリーだからね。ちょっと複雑な感覚に襲われる。

 もちろん、これから、大挙して押しかけるドルトムントとバイエルンのファンへ、すでに完売している(ネット申し込み&抽選に当選した人には既にチケット が書留で郵送されている・・)チケットが、うまく「回される」はずだけれど、そこらへんの事情も、興味深いネ。聞いてみよ・・

 あっと・・

 前述した、ドルトムントのチーム戦術的な「調整」だけれど、要は、フォア・チェック(前からの協力プレッシング守備)の、イメージ的な「仕掛け位置」とボール奪取プロセスを、ちょっと「落ち着き気味」にしたっちゅうことです。

 まあ、相手にもよるわけだけれど、チャンピオンズリーグじゃ、欧州トップの強者が相手だからね。ユルゲン・クロップも、着実に、本格的なヨーロッパ名将への階段を登っているっちゅうことですかね。

 この、「ドイツ同士の決勝になった」という現象については、「プレッシングからバランスへ」というドルトムントの進化も含め、さまざまな見方ができるし、千差万別のテーマも抽出できる。

 ・・代表チームにもイメージリンクできる、ドイツクラブの「質実剛健」な発展・・ドイツ的な勝負強さ・・そんな「ドイツ的サッカーイメージ」を、外国人プレイヤーもしっかりと踏襲している!?・・

 ・・ポゼッションを重視する「リズム」のサッカーから、より(合目的的で!?)ロジカルな仕掛けプロセスへ!?・・寄り道をしないスピーディーなタテへの仕掛けプロセス・・どんなサッカーでも、チーム全体が共有する戦術的イメージこそが重要・・等など・・

 でも私は、やっぱり、「こんなテーマ」が面白いと思っているのですよ。

 ・・世界的な情報化の進展によって、世界中の子供たちのイメージトレーニング素材(環境)が圧倒的にレベルアップ・・それが、個のチカラを「全体的」に押し上げることにつながっている・・才能の、本格的な「開花」につながっている・・

 ・・そう、組織サッカーの要素の重要性が、より深く、世界中で共有されるようになっている・・というテーマのこと・・

 ・・以前は、欧州トップクラブの間には、圧倒的な「個のチカラの差」があった・・それが、直接的にチーム総合力の差、そして結果にもつながっていた・・でも、いまでは、その「構図」に、徐々に変化が現れている・・

 ・・個のチカラが「高次平準化」している・・だから、カネ「だけ」じゃ、強いチームを維持するのが難しくなっている!?・・

 ・・そう考えてみると、「昔のセオリーが復活している」なんてことまでイメージできちゃう・・いくら「優れた才能」を集めてきても、すぐに強力なチームを作りあげられるわけじゃない・・というセオリー・・

 ・・以前は、エゴの塊である「優れた才能」に、組織ハードワークをやらせるのは簡単なことではないというセオリーがあった・・要は、才能を、うまくチームプレーに組み込み、その才能を、チームが上手く活用することは簡単じゃなかった・・なんていう風に考えられていた・・

 ・・けれど今じゃ、才能のレベルが高次平準化する傾向にあることで(才能連中も、組織ハードワークをやらなければ生き残れないと自覚し始めたことで!?)、チームのコンセプト(チーム戦術)と監督・コーチのウデに対する重要性ウェイトが、よりアップしている!?・・

 ・・なんか、考えがまとまらない・・とても微妙なテーマ・・

 まあ、このテーマについては、連載している「商工ジャーナル」とか、ソフトバンクのスマホ動画配信サイト「スポーツLIFE」でも取りあげよう。

 ちょっと、考えを上手くまとめられないという体たらくの筆者でした〜〜・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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