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2014_ACL・・素晴らしい内容のゲーム・・心から楽しんだ・・(マリノスvs広州恒大、1-1)・・(2014年3月12日、水曜日)

やっぱり、広州恒大は強いネ。

でも、今日のゲームからは、彼らの強さのバックボーンとなる「チーム戦術的発想」に、ちょっとした変化を感じていた筆者だったのです。

たしかに、プレイヤー構成の「構図」は以前と変わらず。

前線の外国人トリオが、チャンスメイク&フィニッシャーの主役になり、その周りを、中国人の「衛星ハードワーカー」が動き回ってサポートする。

もちろん、守備ブロックは、抜群の「個のチカラ」を秘めた中国代表選手たちで固めている。

でも・・

確かに、そんな基本的な「プレイヤー構成」は以前と変わっていないけれど、やっているサッカーは、ちょっとイメチェンしていると感じたんだ。

以前は、強力な外国人トリオが中心になって、「個人勝負」を積み重ねていくというサッカーだったのが(もちろん中国代表選手たちも、チャンスを見つけては個のドリブル勝負をブチかます!)、ここにきて、明らかに人とボールの動きの次元がアップしたと感じたんだよ。

そう、コレクティブ(組織的)なサッカーへのイメチェン。

まあ、マルチェロ・リッピの「ストロングハンド」が効果を発揮している・・っちゅうことでしょ。

広州恒大で仕事をはじめた彼は、まず、イタリア的な「勝負にこだわるサッカー」を徹底した。だから、広州恒大はタイトルを総なめにした。

もちろん、スポンサーも、ファンも、中国メディアも大満足。

そしてリッピは、そんな「ビジネス・ベース」を確固たるものにしてから、今度は、サッカーの内容にもこだわりはじめた・・と思うわけだ。

やはり彼も、最終的には、「美しく勝つ・・」という、全てのサッカーコーチにとっての(情緒的な!?)究極ターゲットを追い求めている・・っちゅうことなんだろうね。

チト安心した。

でも、そこは中国だし、リッピの「やり方」もある。

だから最初は、とにかく「勝つこと」に徹したんでしょ。そして、そのベースを確立できたからこそ、次のステージへ進んでいった!?

さて〜〜・・

そんな強い広州恒大と対峙したマリノス。

とても立派なサッカーを展開したと思う。まあ、何度かは(私が数えただけでも3回!)、外国人トリオが仕掛けた単純な「ワンツー」によって、ウラの決定的スペースを攻略されたっけ。

もちろん、シュートにつながる最終勝負シーン。そこで失点しなかったのは、とてもラッキーだった。

ということで、中盤では、広州恒大にゲームの流れを牛耳られる時間帯も多かったマリノスだけれど、それでも、チャンスを見出しては、果敢に攻め上がっていったんだよ。

もちろん、中村俊輔を中心にしてね。

このゲームじゃ、広州恒大の外国人トリオや中国代表選手たちも含めて、ボール絡みの実行コンテンツという視点で、中村俊輔にかなう選手はいなかった。

全体的には、広州恒大の強さを認めざるを得なかったけれど、だからこそ、中村俊輔が魅せつづける、ボール絡みの「魔法プレー」に溜飲を下げていた。

ということで、まあ、ドローは順当な結果だと思っている筆者なのでした。

それにしても、今日のゲームは、ホントに素晴らしい内容だった。

時間が経つのを忘れるくらい、心から楽しめた。マリノスの諸君。お疲れ様でした〜。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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