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2014_J2_第8節・・ゲームの結果と内容が、乖離(かいり)気味だった・・だから、ちょっと歯切れの悪いコラムになってしまった・・へへっ!・・(ベルマーレvsトリニータ、 4-0)・・(2014年4月20日、日曜日)

こんなコメントからスタートするのは変かもしれないけれど・・

四つもゴールをブチ込まれはしたけれど、トリニータは、とても、ポテンシャルを感じさせるチームだと思うんだよ。田坂和昭監督「も」、とても良い仕事をしている。

要は、この「点差」が、彼らの本質的なサッカーの「質の差」を正しく表していたかと言ったら、そんなことはない・・ということが言いたかったわけです。

それにしても、ベルマーレが奪った四つのゴールの内実は、とても興味深かった。

流れのなかから、コンビネーションやドリブル勝負を駆使して作りだした絶対的チャンスは決められず(前後半を合わせて少なくとも2本、3本はあったね)、中距離シュートから二つと、セットプレーからのこぼれ球を「押し込む」カタチで、残りの二つのゴールを奪ったんだよ。

もちろん、それらのゴールには、立派な戦術的コノテーション(言外に含蓄される意味)が含まれていた。

でも、流れのなかでのチャンスメイクという視点じゃ、トリニータも、立派に仕掛けて「チャンスの流れ」を演出していたのだよ(例えば、立ち上がりの時間帯、右サイド突破からのラストクロスをダイレクトフリーシュートにつなげたシーンとかサ)。

そのこと「も」言いたかった筆者なのだよ。

もちろん、攻撃と守備における、真の目的と、当面の目標がどのくらい達成されていたのかというテーマじゃ(その量と質という視点では!)、ベルマーレに軍配が挙がる。

それは確かな事実だよね。だからゲームの結果は、順当に、ベルマーレが「勝ち取った」ものだと言えるわけだけれど・・ね。

攻撃の目的は、シュートを打つこと。そして、そこへ至るまでの当面の目標イメージは、相手ディフェンスブロックの「なかとウラ」のスペースを攻略すること。

また守備では、目的はボールを奪い返すことだけれど、当面の目標イメージは、相手ボールホルダー(次のパスレシーバー)を、しっかりと抑え、自由にプレーさせないことだね。

要は、チェイス&チェックの「勢い」と、首尾一貫した「周りの連動アクションの量と質」だよね。

また攻撃では、ほんの「小さなコト」だけれど、パス&ムーブの鋭さや、フリーランニングにしても、しっかりと最後まで走り抜けること等といった、粘り強い「ボールがないところでの動きの量と質」とかサ。

それらのポイントで、たしかにベルマーレには、一日の長があった。

何度、トリニータ選手たちの、攻守にわたるボールがないところでのアクションを観ながら、「どうして、そこでスピードを緩めちゃうんだよ!」とか、「どう してパスした後に足を止めちゃうんだよ!」、はたまた、「どうして、タテへ走り抜けようとする相手を最後までマークしつづけないんだよ!!」等などといっ た、不満が口をついていたことか。

個のチカラも含め、全体的なサッカー内容では、とても優れたポテンシャルを感じさせているのに、最後の、「ほんの小さなコト」で、まだまだ「半歩」足が出ていない・・と感じたわけだ。

逆に、そんな「小さなコト」で、ベルマーレ選手たちの、粘り強い「首尾一貫プレー」が目立ちに目立っていたんだ。

そんなグラウンド上の現象を観ながら、やっぱりサッカーは、意志のスポーツだ・・と、反芻していたっけ。

ちょっと歯切れの悪い「書き方」になってしまったけれど、最終的な「点差」と、トリニータが魅せた「ポテンシャルを感じさせる」サッカー内容が「乖離」し ていたから(結果と内容に乖離があったから!)、そのことを記憶に留めておくために、こんな内容のコラムになってしまったという次第。

悪しからず・・

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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