トピックス
- 2014_W杯(13)・・ドイッチュランドvsガーナ・・また素晴らしいサッカーを展開したイランについても・・(2014年6月21日、土曜日)
- いや〜ホント、アルゼンチン対イランと同様に、ドイツ対ガーナも、ものすごくエキサイティングな勝負マッチになった。堪能した。
それにしても、アルゼンチンのサッカー内容は、良くない。
もちろん、イランが素晴らしいサッカーを展開したという事実の方が重いとは思うけれど(彼らが勝っても誰もが納得した!!)、とにかくアルゼンチンは、攻守の問題点が明白だったんだよ。
ディフェンスでの局面勝負パワーと連動性(組織ディフェンスの機能性)が明らかに機能不全に陥っている。
また攻撃にしても、メッシがボールを持つと、組織的な流れが(選手たちの足が)止まってしまう「感」が強い。
メッシにしたって、自分一人で相手10人を抜き去れるわけじゃないからね。
彼もまた、組織サッカーをうまく機能させる「駒」としてプレーしなければならないケースも多いんですよ。そして、それがあるからこそ、彼の次元を超えた天賦の才がリミットレスに活かされる。
そう、バルサ最盛期での彼が、そうであったように。
まあ、たしかに彼は、誰にも真似できないスーパー決勝ゴールをブチ込んだわけだけれどね。
とにかく、メッシが、今のアルゼンチンチームにとって諸刃の剣という「危険因子」も併せもっているという事実は、誰も否定しないでしょ。
それにしても、イラン。
とにかく、ビックリするくらい、強烈な意志に裏打ちされたスマートな闘いを魅せつづけた。同じアジア人として、とても誇りに感じていた。
これからのW杯アジア予選は、そんな強いイランや 、「2022」のために強化する(世界中から、カネに飽かせて優秀なユース選手を買いあさってい
る!?)カタールだけじゃなく、サウジアラビア、オーストラリア、韓国といった対抗馬も進化しているから、どんどん厳しい闘いになっていくでしょ。
そんな、肉を切らせて骨を切るギリギリの勝負のことを考えるだけで、いまから胸が高鳴るじゃありませんか。
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さて、ということで、引き分けに終わった、ドイツ対ガーナ。
この試合では、洗練されたドイツのスマートなサッカーもそうだけれど、とにかく、ガーナが展開した、抜群の身体能力(スピード&高さとパワー)を前面に押し出したサッカーが秀逸だった。
ガーナは、グループリーグの最終戦でポルトガルと闘わなければならないことを考えれば、この試合を何としても勝って終わりたかったに違いない。
抜群にスピーディーでパワフルな連動ディフェンス(ボール奪取プロセス)を絶対的なベースに、やや粗いけれど、それでも、ある程度のレベルまでは「組織と個」がバランスした、とても危険な攻撃を仕掛けてくる。
まあ最終勝負は、ハイボールや、誰もが目を見張るほどパワフルなミドルシュートが主体だったけれど、とにかく、そのレベルを超えたフィジカル能力は、圧倒的な存在感を発揮していた。
対する、ドイツ。
例によって、縦横無尽のポジションチェンジをベースに、人とボールの抜群にスムーズな「動きのリズム」に支えられたクレバーな組織サッカーが光り輝く。
彼らは、人とボールの「シンプルな動き」と「その優れたリズム」という視点でも、今大会随一のチームだと思う。
とにかくドイツは、発展をつづけている。
そして、以前の(特に1970年代、世界から畏敬の念をもって目標にされていた!)、美しく、同時に力強く勝負強いサッカーが、復活しつつあると感じる。
ドイツサッカーの変遷と、近年の復活プロセスについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」を参照してください。
既に読まれた方は、しつこい「リンクのアナウンスメント」をご容赦ください・・ネ。
ということでゲームの流れだけれど、そのイニシアチブは、もちろんドイツが握っている。それでも、時折フルパワーでブチかましてくるガーナのフッ切れた仕掛けは、誰をも恐怖に陥れる。
でも先制ゴールは、ドイツだった。まあ、ゲームの内容からすれば、順当なリードだと言える。
この先制ゴールシーンでは、何といっても、相手マーカーの「視線を盗んだ」ゲッツェの、決定的フリーランニング(そのスタートタイミング)が秀逸だった。
そう、ボールがないところで勝負を決めるドイツ。
それ以外でも彼らは、前半から、何度も、鋭いクロスを、ガーナゴール前へ(主にニアポストゾーンへ!)飛ばした。
それは、誰もが、「アッ・・ゴールだ!」と身体を硬くする瞬間。でも・・
そう、「そこ」には、常に、ガーナ選手の足や身体が立ちふさがっていたんだよ。
そんな、最後の瞬間までマークしつづける忠実さは、抜群。
でも、忠実なだけじゃ、ドイツの、破壊的に鋭いピンポイント(ラスト)クロスと決定的フリーランニングのコンビネーションを防げるモノじゃない。
そこには、ガーナ守備ブロックの、的確なアンティシペーション(予測能力)もあった。サスガに、コートジボワールと同列の高い評価を得ているガーナ代表じゃないか。
そういえば、ガーナ代表は、前回の南アW杯でも、ベスト8まで進出したっけ。また、その前年の2009年「U20」W杯では、決勝でブラジルを下して優勝している。まさに、世界の強豪国なんだよね。
そんなガーナが、大会屈指の好チームであるドイツと対戦したんだよ。ホントに堪能させてもらった。
それに、この強いガーナに対しても、自分たちのサッカーを「クール」に貫きとおしたドイツを頼もしく思ったものだ。
ところで、ドイツ監督ヨアヒム(ヨギ)レーヴ。
既に彼は、先発チームを固めているようだ。
もちろんサイドバックには変更があるけれど、ケディーラ、ラーム、クロースで固める「センターハーフトリオ」と、トーマス・ミュラー、ゲッツェ、エジルという前線トリオは固定している。
その6人が、まさに、クルクルとポジションをチェンジしつづけるんだよ。相手ディフェンスにとっては、誰が出てくるか分からない、とても怖い「変化に富んだ」機能性だよね。
まあ、とにかく、今大会でのドイツの活躍が目に見えるから、楽しみで仕方ありませんよ。
ということで、今日はこんなところですかね。今日の午前中には、本田圭佑と日本代表についても、考えるところをまとめたから、「そちら」もご参照アレ。では・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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