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2014_W杯(28)・・大変だ〜〜っ、バスのチケットが〜!!・・また、カンピーナスという、美しいサンパウロのサバーブシティー・・(2014年7月6日、日曜日)

この日の朝は、昨夜がとても遅かったにもかかわらず、早く目が覚めてしまった。

その昨夜のこと。

サンパウロのスタジアムに隣接する空っぽのメディアセンターで(テレビ観戦しながら)コラムを仕上げ、サンパウロの友人宅に戻ってきたのだけれど、そこで、ある「大変な手違い」が判明したのですよ。

だから、夜中の2時頃まで、その問題の解決に取り組まなければならない羽目に陥った。

大変な手違い・・!?

実は、サンパウロから、次の準決勝第1試合、ブラジル対ドイツ戦が行われるベロ・オリゾンテへ行く夜行寝台バスの予約が、1日、間違っていたのです。

要は、7月7日の夜中に出発し、試合が行われる7月8日の朝にベロ・オリゾンテに到着するモノとばかり思っていたのが、お世話になっている友人に頼んで購入してもらっていたバスの予約チケットが、1日「ズレ」ていたのです。

チケットを渡されたときに、すぐに、そのことに気がついた。

要は、友人への頼み方が、とても曖昧だったから、友人も勘違いしてしまったという次第。私が至らなかった。

こちらは、完全に、深夜バスの出発が、試合日にあたる7月8日の早朝1時ころ(要は7月7日の25時あたり!)の出発だとばかり思い込んでいた。

でも実際は、バスの出発時間が、7月7日の深夜23時55分だったのです。そしてチケットを見ると、出発が、7月8日の23時あたりになっているじゃありませんか。

要は、ブラジル対ドイツ戦が終わってからサンパウロを出発し、サンパウロで行われる準決勝2試合目のアルゼンチン対オランダ戦が終わってからベロ・オリゾンテを、サンパウロへ向けて出発するっちゅうスケジュールになっていたというわけです。

チケットの予約日時を見たときは、本当に焦りまくった。

何せ、ブラジル戦だからね。人々が大挙して押しかけるのは自明の理。もちろん空路は、既に満杯。バスにしても、予約が全て埋まっている可能性の方が大き い。他に交通手段などないから、後は、一人のタクシードライバーと契約し、夜を通して往復してもらうしかない。フ〜〜・・。

その事実を知ってから、取り敢えず夕食だ・・と、友人たちとレストランへ行ったのだけれど、とても美味しい日本食にもかかわらず、それを心から楽しむような気持ちなれない。

もちろん彼らは、バスの予約を変更すればいいだけなんだろ・・と、簡単に考えている。でも・・

友人たちも、徐々に、私が放散する「焦りオーラ」を感じはじめたんだろうね、そのチケット問題が、とてもシリアスなことだと理解しはじめたんだよ。

そこで友人が、こんなコトを言うんだ。

「それじゃ、ここで夕食を切り上げよう・・ケンジは、チケットのことが心配で気が気じゃない・・それはみんなも感じるよな・・たしかに、ケンジが言うよう に、ブラジル戦だからな・・オレが一緒に、長距離バスターミナルへ行くよ・・何せケンジは、ポルトガル語がからっきしだからな・・」

そして彼が、既に夜中の11時を回っているにもかかわらず、地下鉄に乗って、バスターミナルへ一緒に行ってくれたんだ。そこへは、クルマではなく、何といっても地下鉄が便利なんだよ。

「残念ながら、バスは、すべて予約で一杯です・・まして、買われたチケットは、寝台バスですよね・・残念ですが、まずそのチケットから売り切れていきましたよ・・」

チケットカウンターの男性は、そう、にべもない。

ブラジルで、もっとも重要な交通手段は、何といっても長距離バス。だから、24時間ひっきりなしに動いている。もちろんチケットカウンターも24時間オープンです。

でも、カウンターが開いていても予約できないのではどうしようもない。私の焦りはつのるばかり。どうしようか・・。

とにかく、購入したチケットを払い戻してもらい、別のバス会社のカウンターへ行くことにしたんですよ。そして・・

そう、四つ目のバス会社で、ラッキーなことに席が見つかった。行きも、帰りも。残りは2〜3席だけだった。

それに、驚いたことに、行きは寝台バスが予約できたんだ。まあ、帰りは、スペースが広いエグゼクティブクラスしか残っていなかったけれど、ブラジルの「大きめの人」を基準にしているから、身長のある私でも、まったく問題なく横になれるはず。

フ〜〜・・本当によかった。何せ、そのときはもう最悪のシナリオを考えはじめていたからネ。だから、その問題が解決したときには、まさに天にも登る気持ちになったっけ。

そして帰宅したのが既に深夜の1時を回っていたっちゅう次第。

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気持ちが軽くなったこともあって、とても深く眠り込んでいたらしい。6時間ほどだったけれど、まさに快眠だった。

そのこともあって、朝が早かったにもかかわらず、寝起きも最高だった。

もちろん友人たちは、まだ寝ている。だから、一人起き出して、近所を散策することにした。

そして、近くのキャフェに入った。そしたら、来るわ、来るわ、日系の方たち。そういえば、このあたりには、日系の方たちが多く住んでいるということだったっけ。

そんな彼らと、たまに目が合う。そして会釈しながら、「おはようございます」。でも、多くの方たちは、「ボン・ジーヤ(おはよう&こんにちは)」と返してくる。そう、ブラジル生まれの日系三世や四世の方たち。

でもなかには、懐かしそうに日本語で話し掛けてくる方もいた。

「そうですか〜・・ワールドカップにいらっしゃったんですね・・日本は残念でしたネ・・私は、心から日本を応援していたんですが、いまは、ブラジルのサポートに回っていますよ・・ははっ・・」などなど・・。

とても美味しいキャフェオレ。結局、3杯もおかわりしてしまった。雰囲気も最高だったから、時間が経つのを忘れた。

雰囲気!?

そう、サービスなんかも含めて、とても「日本テイスト」が徹底しているんだよ。

「そうなんですよ・・ここは、特に日本人が好きなキャフェなんです・・オーナーの方も、たしか日系だったと思うけれど、スタッフの方たちに対しても、日本的な雰囲気とサービスを大事にするように教育していると聞きますしね・・」と、前出の日系の方が教えてくれた。

フムフム・・

そして時間を見計らって友人宅に帰ると、既に起き出して朝食を用意してくれている。そして聞くんだよ。

「今日は、何か予定はあるの・・ケンジは忙しいからね・・昨日だって、メディアセンターで2試合みてからコラムを書いたんだよね・・それにサ、あんなスト レスもあったんだから(バスチケットのことだよ!)・・まあ、今日はリラックスして休むのがいいよね・・オレ達は、これから、もう一つの自宅があるカン ピーナスへ帰るよ・・明日からまた仕事だからね・・」

彼らは、サンパウロにも、私が住まわせてもらっているマンションを所有しているけれど、そこを利用するのはウイークエンドだけで、普段は、カンピーナスに住み、仕事をしている。

カンピーナスは、サンパウロから北北西へ80キロほどいったところにある、サンパウロのサバーブ100万都市だ。標高は700メートルあり、気候がとても気持ちよいこともあって、週末には、サンパウロから多くの人が訪れる。

クルマで1時間弱。でも、着いたところは、街中じゃなかった。そのカンピーナスの郊外にある、自然に囲まれ、家が点々とする住宅地域だった。

そして、そこにある彼らの自宅の庭で、遅い昼食をご馳走になった。ブラジルの野菜や、もちろんステーキ、それにご飯。こんな緑に囲まれたなかで食べる「ガーデン・ランチ」だから、美味しくないはずがない。

そして食後は、ハンモックで昼寝。そのときは、ワールドカップの喧噪は、忘却の彼方だったネ。

それでも、私は、サンパウロに帰らなければいけない。だから、一人で、これまた長距離バスで、サンパウロにある、巨大な長距離バスターミナル(ホドビアーリアと呼ばれている)に到着し、そこから地下鉄で帰宅した次第。

何か、本当に夢心地のリラックスホリデーだった。

あっと・・最後に・・。

私も、サンパウロの友人たちも知らなかったのだけれど、サンパウロスタジアムのメディアセンターで会った、サッカーマガジンに所属していた「サッカー博士」、国吉好弘さんから、こんなハナシを聞いたんだよ。

「エッ!?・・いままで切符を買っていたんですか??・・湯浅さんは、地下鉄に乗るときにキップは必要ありませんよ・・なにせ、60歳以上ですからね・・」

物腰の柔らかな国吉好弘さん。そんな「衝撃の事実」を話すときも、あくまでもクール。

「改札口のところにいる係員にパスポートを示せばオーケーですよ」・・だってさ。

国吉さん、おっしゃる通りでした。本当に、有難うございました。これで、これまでのように、キップ売り場で、変な「やり取り」をする必要もなくなった。何せ、例外なく、誰も英語を話さないからね。あははっ・・

ということで、明日の夜中には、決戦の地、ベロ・オリゾンテへ出発します。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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