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2016_クラブワールドカップの1・・ニワトリが先か、タマゴが先か?・・(アントラーズvsオークランド、2-1)・・(2016年12月8日、木曜日)

あ〜あ・・

そのとき、ものすごい落胆の感覚(危機感!?)におそわれた。

オークランドが、コーナーキックから、先制ゴールをブチ込んだんだよ。

アントラーズが、まったくと言ってもいいほど可能性が感じられない低調な攻撃しか仕掛けてけなかったにもかかわらず・・ね。

そんなゲーム(勝負)展開になってしまったら、誰だって、アントラーズが、強力守備のオークランドに守り切られて負けちゃうかも・・って心配になるのも道理だったんだ。

とにかく、アントラーズのサッカーには、創造的な「動き」がなさ過ぎた。

要は、それぞれのステーション(ボールホルダー・・次のパスレシーバー・・)において、例外なく、仕掛けの流れが停滞しちゃっていたということなんだよ。

もちろん逆にオークランド守備ブロックにとってみれば、相手が、常に自分たちの眼前ゾーンから「のみ」仕掛けてくるわけだから、与(くみ)し易(やす)いコトこの上ないってなコトになる。

オークランド守備が、余裕をもってアントラーズの仕掛けを受け止められるわけだ。

いつも書いているように、攻撃の目的は、シュートを打つこと。ゴールは結果にしか過ぎない。

そして、そこに至るまでの当面の目標イメージが、スペースを攻略することなんだ。

スペースの攻略・・

そう、フリーなボールホルダーを創りだすことだよ。

そのためには、人とボールの動きをアップさせ、リズミカルにパスをつなぐコンビネーションでスペースを突いていくのが、プライオリティーだよね。

もちろん、天才ドリブラーがいれば、ソイツが、複数の相手を翻弄(ほんろう)し、ヤツらの背後にある決定的スペースへボールを持ち込むというイメージが先行するかもしれない。

そうすれば、そこから直接シュートをブチかましたり、決定的なスルーパスを送り込んだりと、まさに御の字(おんのじ)さ。

でも、まあ、そんな個の勝負プレーは、レベルを超えた「天賦の才」の為せるワザだし、現代サッカーでは、まさに例外的なプレーだよね。

特に、日本サッカーにおいては・・

もちろん、一度は、スピードに乗った土居聖真が、中央ゾーンをドリブルで突破しそうになるようなチャンスシーンはあった。でも結局は(かなり余裕をもって!?)潰されてしまった。

ことほど左様に、アントラーズのサッカーは、まさに「寸詰まり」の状態だったんだ。

そしてオークランドに、セットプレーから一発ヘディングゴールをブチ込まれちゃう。

でも・・

そう、失点という「極限の刺激」をブチかまされた彼らは、徐々に覚醒していった。

ということで、今回コラムのメインテーマだけれど・・

それは、ニワトリ(人の動き!?)が先か、タマゴ(ボールの動き!?)が先か・・という哲学的なディスカッションっちゅうことにしようと思ったわけさ。

そう、(選手交代で!)赤崎秀平と金崎夢生がグラウンドに立ってから、アントラーズのサッカーが、格段にペースアップした・・という視座をベースにね。

たしかに、彼らが入ってからも、まだまだ「各ステーション」での動きは緩慢だった。

でも徐々に、仕掛けのタテパスを要求する赤崎秀平と金崎夢生による「人の動き」が、アントラーズのダイナミズムを高揚させていったんだよ。

そして、だからこそ、局面でのキープ&ドリブルが、格段に効果的なモノへと変容していった。

もう「それ」は、ボールの動きの停滞なんかじゃなく、明らかに、次の仕掛け(動き!)の起点として機能しはじめたんだよ。

そりゃ、そうだ。

何せ、パス&ムーブも含む、相手守備のウラに広がる決定的スペースを攻略しようとする「ボールがないところでの動き」が、格段にアップしたんだからね。

そう、今日のアントラーズでは、やはり、ボールがないところでの「人の動き」によって(ニワトリによって!?)、全体的な人とボールの動きが「加速」した・・とするのが正解かもしれない。

そして、もう一つ。

その「動きの活性化」によって、ボールを止めない、ダイレクトでのパスやシュートもまた、格段に増えていったという視点。

私は、もうかなりの長きにわたって書きつづけているんだけれど・・

この、ボールを止めないパスやシュートという、グラウンド上の現象を、ワンタッチじゃなく、「ダイレクト」と呼ぶべきだ・・ってね。

サッカー協会は、そのプレーを「ワンタッチ」なんて軽く呼ばせようとしているけれど、それは、ホントに特別なグラウンド上の現象だから、それなりの特別な表現にしなきゃいけない。

だから私は、ワンタッチ・・なんていう軽い表現じゃなく、あくまでも、『ダイレクト』という表現にこだわるわけさ。

このことについては、サッカー人の多くが、アグリーしてくれるハズですよ。

このテーマについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」を参照してくださいね。

言いたかったのは、この「ダイレクトのパス」を、うまく活用できなかったコトこそが、アントラーズが落ち込んでしまった「鈍重なサッカー」の、最大の要因だったというコトなんだ。

次、その次のパスを、ダイレクトで受けるためには、チームメイトとの、コンビネーションのイメージがうまくシンクロしていなきゃいけない。

それが分断気味だったからこそ、アントラーズの「全体的な動き」が鈍重になってしまったんだ。

でも、前述した「加速効果を演出するプレイヤー」たちが交替出場したことで、やっと、自分たちがイメージするサッカーを表現できるようになった。

ということで、今日は、そんな興味深いテーマと向き合っていた筆者だったのであ〜る。

とにかく、石井正忠さん率いるアントラーズには、彼らも意識しているように、決勝でのレアルとの対峙を、心から期待しますよ。

ガンバレ〜・・石井アントラーズ〜〜・・


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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