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2016_ドイツ国際会議(その3)・・小林敏明さんの、参加意識バチバチの自己主張・・でもミュンヘンでの乱射事件が・・(2016年7月23日、土曜日)

「あの橋(写真参照)でサ・・冷戦当時に、東西ドイツの捕虜交換が行われていたんだよ・・」

以前にライプチヒ大学で教鞭を執っていた、プロフェッサー小林敏明が、そう教えてくれた。

小林敏明さんは、以前、途中で息切れしてしまった連載「The 対談シリーズ」で、2006年ドイツW杯のときに登場してもらった。

そう、「このコラム」とか「あのコラム」とか。小林敏明さんのパーソナルデータについては、この「Wikipediaページ」をご参照ください。

そして今日は、その小林さんと一緒に、ベルリン子の憩いの場でもあるヴァンゼー(Wann 湖)へ行くことにした次第。

このヴァンゼーだけれど、実はそこは、1942年1月20日、15名のヒトラー政権の高官が会同して、ヨーロッパ・ユダヤ人の移送と殺害について分担と連携を討議した会議が行われたことでも知られています(ヴァンゼー会議=Wikipedia)。

そう、その悪名高きヴァンゼーに来たっちゅうわけさ。

そこには大きな赤ブナの巨木(写真を参照)があるのだけれど、小林さんが以前、その根元に、ある、とても大切なモノを埋めたんだそうだ。

ということで今日は、その思い出に浸るという意味合いもあったわけです。

それにしても、ヴァンゼーには、惹きつけられるネ。とにかく、森と水の微妙なバランスには、息を呑む。

我々は、クルマを湖畔に近い奥まった道路に駐車し、そこから丘がつづく小径を散策した。えもいわれぬ落ち着いた雰囲気だから、小林さんとの会話が弾まないはずがない。

それに、気候も理想的だった。

昨日は、とても蒸し暑かったけれど、今日は、湿度も下がり、気持ちいいこと、この上ない。

もちろん直射日光の下では、歩き回るのはチト厳しい。でも、一度シャドーに入ってしまえば、まさに天国ってな様変わりなんだよ。

そうそう、コレなんだよ、北ヨーロッパの典型的な夏の気候は。そりゃ、会話だって弾むさ。

その会話だけれど、話題の中心は、EUROだった。

もちろん、良いサッカーを展開したドイツの敗退は、本当に残念ではあったけれど、話題の中心は、スーパースターと組織サッカーの質ということになった。

小林さんは野球のスペシャリストではあるけれど、以前からすれば、サッカーに関しても、とても造詣が深くなっている(失礼!!)。だから、語る、語る〜。

そんな小林さんの、(サッカーに!)入れ込んだマインドを体感しながら、思った。

・・そうそう・・これなんだよ・・不確実なサッカーだからこそ、ホンモノの組織スポーツであり心理ゲームでもある・・だからこそ、本当に様々な見方(分析)ができる・・

・・サッカーの原則的なメカニズムさえ分かっていれば、誰でも、本当に誰でも、自分なりの分析とイメージを構築できるんだ・・

いいね、ホントに。

私は、自ら構築した考え方を主張をする小林さんを、ホントに、ホントに、頼もしく感じていた。

そんな、小林さんの「入れ込んで主張する姿勢」こそが、サッカー文化を、本当の意味で振興させるための本質的なバックボーン(エネルギー)というわけさ。

だから、そんな小林さんの「入れ込みエネルギー」を感じながら、日本におけるホンモノのサッカー振興への希望が膨らんでいったっちゅうわけだ。

サッカーエキスパートと呼ばれる人種は、サッカーに関する、無限の「見方」のすべてを、アクセプトし、レスペクトしなきゃいけない。

私は、小林さんの「主張」に、とても謙虚に耳を傾けていた・・と思う。

その主張だけれど、そのなかで面白かったのが、スターを欠いたフランスとポルトガルが、組織サッカーの内実をアップさせた・・というモノだった。

ナルホド、ナルホド・・

フランスでは、もちろんリベリーとベンゼマ。またポルトガルでは、前半の早い時間帯でケガで退場してしまったクリスティアーノ・ロナウド。

フランスは、大会前から、二人のスターがいなかったわけだから、決勝の途中でクリスティアーノ・ロナウドを失ったポルトガルとは事情は違うとは思うよ。でも・・

そう、スターを欠いたチームが、一つのユニットとして、よりハイレベルに機能し、組織サッカーの「質」がアップしたという小林さんの主張は、たしかに一理ある。

スターを欠いたことで、選手たちが「解放」され、より主体的に(積極的に!)考え、攻守ハードワークの活性化をベースに、より組織サッカー(攻守ハードワーク)に徹するようになった・・という小林さんの主張には、とても納得できるわけだ。

フムフム・・

でも・・

私がお世話になっている、小林さんとノラ・ビーリッヒさんのマンションに戻ったところで、とんでもないニュースが飛び込んできたんだ。

ミュンヘンのオリンピックパークに隣接するショッピングセンターで、銃の乱射があり、この時点でも(金曜日の23時)、8人を射殺し、40人以上にケガを負わせた三人の実行犯が捕まっていない・・というニュース。

テレビは点けっぱなし。

ホントに、ドイツでも・・

フ〜〜・・

それ以外でも、ポツダム宣言の「シシリアンホーフ」、また隣接する小さな町、バーベルスベルクという話題もあったけれど、前述のニュースに、エネルギーを殺がれてしまった。

でも、何枚か、ポツダムの写真は載せます。

また以前に、バーベルスベルクで活躍していた日本人プロ選手を取材し、当時連載していた週刊プレイボーイにコラムを発表した経緯を書いた「このコラム」へもリンクボタンを張っておきます。

ということで、今日は、こんなところで筆を置くことにします。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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