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2016_J2_第22節・・ヴェルディへ移籍してきた二川孝広のチャレンジ精神に乾杯!!・・(ヴェルディvsファジアーノ岡山、2-1)・・(2016年7月10日、日曜日)

このゲーム、正直に言って、ヴェルディは、ホントに何度も「サッカーの神様」に助けられた。

何たって、あれ程の大ピンチを、奇跡的に切り抜けられたんだからね。それも何度も。

そして逆に、後半38分には、決勝ゴールまでもぎ取っちゃうんだよ。

その決勝ゴール。それを演出したのが、ガンバから移籍し、この試合で初スタメンを果たした二川孝広だった。

その二川孝広というテーマに入る前に、ファジアーノ岡山について一言。

本当に、とても良くトレーニングされた高質なチームだと思った。監督の長澤徹さんの「ストロングハンド」が透けて見える。

彼らは、ボールを奪い返す協力(クリエイティブな連動!)ディフェンスから、チャンスを「感じた」誰もが、ヴェルディゴールへ迫っていくんだ。

基調は、サイドからのクロス。そして最後の時間帯には、後方からのロングハイボール攻撃(パワープレー)をブチかました。

それでもファジアーノ岡山の長澤徹監督は、謙虚に、「自分の(眼の中の!?)スクリーンには、常に、ヴェルディ選手のアタマが最初に飛び出していた・・そんな彼らの強烈な意志のチカラに拍手をおくりたい・・」なんて述べていた。

いいね・・

まあ、たしかに長澤徹監督が言うように、ヴェルディ守備陣は、強い意志を魅せた。でも、瞬間的に「ボール&シチュエーションウォッチャー」になってしまうなど、イージーで致命的なミスも多々あった。

それが、前述した大ピンチのバックボーンにあった。

この、最後の瞬間における、微妙な「ネガポジの意志のプレー」については、何度もビデオを見返すことで、自分たちの「脳内イメージタンク」を、ポジティブに拡充させていかなきゃいけない。

そう、ネガティブな現象こそが、次につながる貴重な「学習機会」なんだよ。

あっと・・

ということで、二川孝広というテーマ。

ヴェルディーは、前半を終えるまでに、ドウグラス・ヴィエイラと井上潮音という、前後のコアプレイヤーをケガで失っていた。

誰もが、ネガティブに感じる状況でしょ。でも、そのとき私は、こんなコトも思っていた。

そう、脅威と機会は表裏一体。

私は、ヴェルディ冨樫剛一監督が、二川孝広をボランチに下げると確信していたんだ。

そうすれば、二川孝広の、ゲーム&チャンスメイカーとしての才能が、最高のカタチで花開くはずだ・・と。

事実、この試合での彼は、最前線での、攻守にわたる「汗かきハードワーク」を絶対的ベースに、チャンスメイカーとして、チームメイトの信頼を勝ち取っていた。

要は、彼のトコロにボールが集まるということ。それほどチームメイトは、二川孝広を、積極的に「探して」いたんだ。

そして、二川孝広がボールホルダーになったとき(パスレシーバー段階でも!)すでに、前戦のチームメイトが「動き出して」いるっちゅうわけさ。

二川孝広の、状況把握能力とパスセンスに対するチームメイトの信頼を感じるじゃありませんか。

そんななか、前後コアプレイヤーが離脱してしまったというわけだ。

そんなだから、私のなかで、否が応でも、二川孝広に対する、中盤の攻守リーダーとしての期待が高まったっちゅうわけさ。

まあ実際は、中後雅喜がアンカーで、その周りの(状況に応じて!)二人か三人が、守備的ハーフとして機能する・・っちゅう基本アイデアではあったけれど・・ネ。

それでも二川孝広は、守備に、攻撃にと、汗かきハードワークを基盤に、創造性(クリエイティブ)プレーを披露しつづけるんだ。

そんな二川孝広の活躍ぶりは、ちょっとした感動でさえあった。

そう、私は、彼の、ヴェルディへ移籍するという決断を、心からレスペクトしているんだよ。

私は、ガンバ時代の二川孝広が、周りの才能プレイヤー連中の陰に隠れてしまっていた・・と思っていたんだ。

だから、自らの決断で、やっと、「主役」としてチームを引っ張れるチャンスをつかみ取ったことに共感し、心から応援したいと思ったんだよ。

ヴェルディ関係者のハナシでも、彼が、とてもモティベートされて日々のトレーニングを積み重ねていると聞いた。

もちろん36歳という年齢はネックだけれど、彼の生理学的なタイプ(!?)からすれば、まだまだ行けるはずだ。

またケガ人も徐々に戻ってくるだろうし、これからのヴェルディの再浮上に、期待が高まりつづけているっちゅうわけさ。

自分の意志で、リスクにチャレンジするプロプレイヤーほど、元気と勇気を与えてくれる存在はいない。

ガンバレ〜ッ!! 二川孝広〜〜っ!!!

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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