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2016_ナビスコ・・フロンターレだからネ・・やっぱり、「美しく勝つ」という普遍的なテーマしかない・・(フロンターレvsマリノス、0-0)・・(2016年3月23日、水曜日)

「あ〜〜っ!!」

そのとき、頓狂な声が出た。

そう、フロンターレの大ピンチ(マリノスのワンチャンス)シーン。

全体的なゲーム内容では、フロンターレに一日以上の長があった。でも何度か、そんなピンチを迎えたんだよ。さて、そのコノテーション(言外に含蓄される意味)は・・??

確かに前半のマリノスは、まったくチャンスを創り出せなかった。でも後半は、意志のパワーが倍増したことで、カウンターやセットプレーから、何度か決定機を創りだしたんだよ。

冒頭シーンは、そのうちの一つだったというわけだ。

もちろん私は、フロンターレに、ゲームのないようそのままに、「美しく勝って」欲しかった。

それこそが、(ゲーム内容的に!!)正当な結果だと確信していたんだ。

でも結局は、引き分けに終わった。ちょっと、心のなかで消化し切れない結末ではあった。

私は、フロンターレの(風間八宏の)サッカーを、高く、本当に高く評価している。

そんなフロンターレ(風間八宏)サッカーについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」をご参照いただきたい。

そこでは、彼らの人とボールの動きリズムを、「あの」バルセロナと対比させたぜ。へへっ・・

「そこ」でも書いたとおり、本当に素晴らしいサッカー(コンセプト)を、どんどん具体的にグラウンド上で表現しつづけている風間八宏フロンターレなのだよ。

そんな彼らは、レッズと同じように、攻撃的サッカーを展開しながら、そこから「攻守バランスの理想型」を志向しているんだよ。

このテーマについては、同じ「The Core Column」で発表した「このコラム」にも目を通して欲しいのだが、そこでは、「レッズ」の代わりに「フロンターレ」を置き換えて読んでいただきたい。

そのコラムでのメインテーマだけれど・・

それは、「美しく勝つ・・」という、すべてのコーチが志向すべき、普遍的な目標イメージについてディスカッションした。

でも、その目標を達成するためには、積極的にリスクチャレンジを繰り出しさなきゃいけないという視点でも、厳しい「イバラの道」を進まなければいけないんだ。

例えば、こんな「イバラの道」。

そう、この試合で風間八宏フロンターレが迎えた、カウンターやセットプレーからの何度かの決定的ピンチのことだ。

でも彼らは、GK新井章太のファインセーブと、ディフェンダーたちの「強烈な意志」によって、ギリギリのところで凌(しの)ぎきった。

その、ある視点で「ラック」と言われてもおかしくない「ピンチ」だけれど、私はそれを、フロンターレの進化と深化の象徴だったと捉えているんだ。

そう、「以前だったら確実に失点していたに違いない・・」なんて感じていたんだよ。

そんな「ポジティブな印象」が強まった背景だけれど・・

それには、GKが魅せた(意志の!?)ファインセーブだけじゃなく、マリノスの決定的なシュートシーンを、全力で、最後の気力を振り絞るような極限スプリントで戻ったエウシーニョが、ギリギリのスライディングで防いだシーン(等)を見たこともあった。

そう、不確実な要素が満載のサッカーでは、最後はやはり、「意志と勇気の強い方」が、良い結果を引き寄せられるんだよ。

それにしても、(風間八宏も、会見からの去り際に言っていたけれど!)、あの長谷川竜也の、決定的なヘディングシュートは、どうして入らなかったんだろう。

ありゃ、外す方が難しいよな・・。まあ、タラレバだけれど・・サ。

あっと・・最後に、牛若丸(中村憲剛)。

彼が入ってからの、フロンターレの「仕掛け危険度」が大きく増幅した・・というハナシ。

それは、確かな事実だったよね。

牛若丸から繰り出されるパスやコンビネーションは、まさに「狡猾な生き物」のように、マリノス守備プレイヤーたちの間隙を切り裂き、背後のスペースを攻略したんだ。

もちろん、牛若丸が出てくるまでのフロンターレも、人とボールの「素晴らしい動きのリズム」は感じさせてくれた。

そんな、チーム全体に浸透している高質サッカーを観ながら、「ホントに、風間八宏は良い仕事をしている・・」なんて思っていた。

でも、「相手守備のウラのスペースを攻略する・・」という視点では、何か、一味が足りなかったんだ(リスクへチャレンジしていく意志や勇気!?)。

そこに登場したのが牛若丸だったというわけサ。そして彼は、その足りなかった「一味」を充填したんだよ。

ホント、素晴らしかった。

あっと・・もう一人、注目したいプレイヤーがいたんだっけ。そう、マリノス守備の重鎮ファビオ。

マリノスのモンバエルツ監督は、牛若丸が出てきたのとほぼ同時に、マリノス守備の重鎮ファビオを投入し、そして彼が、まさに救世主的な大活躍を魅せたんだ。

前述したように、たしかに、牛若丸によってフロンターレの仕掛けの危険度は何倍にも増幅した。でも、その増幅分の「多く」が、ファビオに摘み取られてしまった!?

この試合での、そんな「選手交代ドラマ」は、とても深みのある見所ではあった。

さて、明日は、ハリルジャパンの勝負マッチだ。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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