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2016_オリンピック予選(決勝)・・このドラマチックな逆転劇にゃ、解説なんて必要ないよな・・とにかく、勝負師、手倉森誠に心からの拍手だ〜っ!!・・(日本vs韓国、3-2)・・(2016年1月30日、土曜日)

よ〜〜〜しっ!!!!!

AFC U-23選手権(オリンピック予選)での最後の3試合(イラン戦、イラク戦、そして韓国戦)は、まったく同じ書き出しになってしまった。

そういえば、勝負師、手倉森誠が、(テレビのインタビューに応えて!)こんなニュアンスの内容をコメントしていたっけ。曰く・・

・・(神様が描いたスクリプトでは!?)まあ、最初からオレ達が勝つことになっていたのかな!?・・それでも、2点差にされたときはムカついたけどネ・・へへっ・・

いいね〜、手倉森誠。満面の笑みを浮かべながら、そんな余裕の「勝負師コメント」をブチかましていた。

それにしても・・

そう、私も、手倉森誠と同じように、後半の立ち上がりに2失点目をブチ込まれたときは、もう「フ〜〜ッ!!」って溜息をつくしかなかったのですよ。そして思った。

・・まあ、仕方ない・・ここまでは、内容の差が、そのまま点差になって表れたっちゅうことだ・・

韓国のオリンピック代表は、とても強いチームだ。そのことは、グラウンドでプレーしている日本人選手たちの方が、ヒシヒシと体感していたに違いない。

守備では、強烈な意志が炸裂する「忠実な寄せ」を絶対的ベースに、局面でのボールをめぐる競り合いを、明らかに優位にすすめる。

また攻撃でも、一人ひとりのテクニック(まあ・・スキル)が素晴らしいことで、日本選手がプレッシャーを掛けても、自信あふれるボールキープから、そのアタックを外して次のスペースへボールを運んでしまう。

また最終勝負シーンでは、単独ドリブル勝負あり、ダイレクト・パス・コンビネーションあり・・と、とても変化に富んだ実効プレーで、日本チームの裏スペースを攻略する。

そんなだったから、私だけじゃなく、手倉森誠も(!?)感じた、2点差をつけられたときのネガティブな情緒も、仕方なかった・・と思う。

でも・・

そう、そこから日本の若武者たちが、まさにフッ切れたサッカーを展開しはじめるんだよ。

そりゃ、そうだ。何せ「あのまま」じゃ、「ジリ貧の完敗」を喫するしかないわけだから。

やっぱり、「気持ちの持ち方」次第で、プレーの内容(思い切りレベル!?)もガラリと違ったモノになるっちゅうコトなんだろうね。

それまで、中途半端だったからこそ(!)簡単にアタックを外され(かわされ)まくっていた日本だったけれど、徐々に、そのボール奪取プロセスにおける「粘りレベル」が高揚していったと感じられるようになったんだよ。

そう、ディフェンスでの粘闘。

とにかく、守備(ボール奪取プロセス)こそが、すべてのスタートラインだからね。

それがうまく機能しなきゃ、何もはじめられないし、次の攻撃でも、ボールがないところでの動きの量と質だってアップしていくはずがない。

ということで、日本の若武者たちがブチかましはじめた反抗。

立役者というか・・、そこでチームの積極ダイナミズムを誘発したのは(意志の炸裂プロセスをリードしたのは!?)言わずと知れた、浅野拓磨。

ジャガー浅野が、やっと、ホントにやっと本領を発揮したんだよ。

まあ、とはいっても、彼が登場した後半15分からの5分間は、日本がペースアップするどころか、逆に韓国に攻め立てられつづけ、二本も、決定的なカタチを作られてしまった。

でも・・

そう、後半21分になって、初めて、ジャガーが存在感を発揮したんだ。

前戦の、左サイドゾーン。

そこで、中島翔哉、山中亮輔、後方からオーバーラップしてきた原川力、最前線の久保裕也というカルテットが、見事な、本当に見事なダイレクトパス・コンビネーションを魅せたんだ。

そして、それによって抜け出した原川力からのラスト・グラウンダークロスに、ニアポストスペースに飛び込んできたジャガーが、ダイレクトで合わせたっちゅう次第。

そのシュートは、相手ディフェンダーに当たったことで、韓国GKの正面に転がったけれど、でも、そのチャンスメイクが、日本の若武者たちに勇気を与えたことだけは確かな事実だった。

そして・・

そう、その1分後にジャガー浅野がブチかました、(矢島慎也からの!)タテパス一本&ダイレクトシュート(追いかけゴール)と、その1分後に飛び出した、矢島慎也のヘディング同点ゴール。

こうなったら、日本の若武者たちがブチかます「炎の意志」は、もう誰にも止められない。

最後に二つだけ。

ジャガー浅野拓磨がブチ込んだ決勝ゴールシーンで、その浅野拓磨へ中島翔哉が送り込んだダイレクトパス。

見事なタイミングとコース、そして(中島翔哉の!)勇気だった。

もちろん、そこで浅野拓磨が魅せた、相手の背後に素早く回り込んで(その相手を)押さえながらブチかました、見事な(コースの!!)ボールコントロール&シュートについては、解説の必要なんかない。

あっと・・一つだけ。

テレビじゃ、「ワンタッチ・・ワンタッチ・・」ってうるさかったけれど、それって「ダイレクト」っていう表現の方が、いいんじゃないの。

何せ、ボールを止めずにパスをしたりシュートしたりする、「ダイレクトのプレー」には、不確実な要素が満載のサッカーだからこそ、まさに特別なコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されているわけだからね。

だからこそ、そのプレーにゃ、特別な表現が相応しいと思うわけだ。

この、戦術的な表現である「ダイレクト」っちゅう表現のディスカッションについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照してください。

あっと・・脱線。

そして最後が、ジャガーの逆転ゴールが決まってからタイムアップまでの約10分間に日本の若武者たちが魅せた、素晴らしい「意志のディフェンス」。

とても自信に満ちた、立派な、そしてだからこその余裕にあふれたプレーぶりだったと思う。

実は、心配していたんだよ。でも、我らが若武者たちは、ギリギリの最終勝負でも、決して「思考と足」を止めることはなかった。

素晴らしい、「意識と意志」のコラボレーション。

この、最終勝負シーンにおける「確信的な意志のアクション・・」というテーマについても、前述した新連載で発表した「このコラム」をご参照アレ。

そして最後に・・

勝負師、手倉森誠に、心から乾杯っ!!!!!・・そして、感謝。

PS:これからは、「The Core Column」と「My Biography」も、注力してアップしていきまっせ。

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 最後に「告知」です。

 どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

  自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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