トピックス
- 2017_ACL・・今日のレッズは、ホントに(バランス良く!!)強かった・・(レッズvsFCソウル、5-2)・・(2017年2月28日、火曜日)
- 「それは、守備です・・ボールを奪われた瞬間から、最前線も含めた全員が、素早い切り替えでディフェンスに入ったからこそ、効果的に(再び)ボールを奪い返せたんですよ・・それが、(前半立ち上がりの!)立てつづけにチャンスを創りだせた要因だと思います・・」
李忠成。素晴らしいコメントじゃありませんか。
彼のインテリジェンスの高さを如実に現している。
以前、李忠成に対して厳しいコメントをしたこともあるから、チト後ろめたい気持ちにさせられたっけ。でも・・まあ・・ネ・・そこはサッカーだから・・フ〜〜ッ・・
あっと・・
李忠成は、この試合の「MVP」に選ばれたから、ミハイロ・ペトロヴィッチとともに、記者会見のデスクに着いたんだよ。
そこで、「ゲーム立ち上がりの続けざまのゴールですが・・そのバックボーンは何だったと思われますか?」という質問に対して、冒頭のスーパーコメントをブチかましてくれたっちゅうわけさ。
私は、その李忠成のハナシを聞きながら、「流石にミハイロ・・選手たちに、チームのコンセプトが深く浸透しているじゃネ〜か・・」なんてコトも思っていた。
そう、李忠成のコメントにこそ、チームの重要コンセプトが凝縮されていたんだよ。
ボールを奪われた次の瞬間に、攻撃から守備へと素早く切り替え、そして前へ重心がかかり「始めた」ソウルから、高い位置でボールを(再び)奪い返してしまう。
言うまでもなく、それは、ショートカウンターのビッグチャンスだよね。それも、比較的多くのレッズ選手が、そのショートカウンターの流れに乗れていた。
ここでは、「多くのチームメイトが、そのショートカウンターの流れに乗れていた・・」という現象にこそ、重要な意味が込められている。
そう、素早い切り替えから、高い位置での「前からプレッシング」をブチかませたからこそ、次のショートカウンターでも、より多くの選手が飛び出していけた・・っちゅうわけだ。
そのメカニズムについては、もう語るまでもないよね。
だからこそ、冒頭の李忠成のコメントが光り輝いていたっちゅうわけだ。
そう、全員守備、全員攻撃のダイナミックな「リスク・チャレンジ」サッカー。
そんな、リスキーで創造的なチャレンジングサッカーを展開しているからこそ、いまのレッズが、日本サッカーのイメージリーダーとして、突出した存在になれているというわけさ。
そう、「美しく勝つ」攻撃的なサッカーを志向するレッズ。
このテーマについては、(しつこいけれど・・)「The Core Column」で発表した、「こんなコラム」や「あんなコラム」を参照してくださいね。
ということでFCソウル。
彼らは、とても強いチームだけれど、そんな屈強なソウル守備ブロックも、前述したレッズの素早い仕掛けに、目を白黒させていたっけ。
ところで・・
実は、ゲームの前半、そんなレッズが、アントラーズやマリノスのサッカーと「重なって見えた」モノだったんだ。でも、もう一度しっかりとイメージし直してみたら、やっぱりソレは、チト違う。
アントラーズやマリノスは、まず全体的に下がったところから(それでも、まだ高い位置から!)、ディフェンス組織を整備して、忠実で効果的な連動プレッシングを仕掛けてきた。
もちろん、これまで何度も書いているように、アントラーズにしてもマリノスにしても、基本的には「ポゼッション・サッカー」を志向しているんだよ。
でも、やはりレッズは(チームとして!!)強いから、徐々にイニシアチブを握られ、全体的に下がり気味になってしまう。
でも、アントラーズにしてもマリノスにしても、そんなゲーム展開は、具体的にイメージして試合に臨んでいたんだろうね。
だからこそ、組織的な連動プレッシング守備をうまく機能させられた。そしてだからこそ、高い位置でボールを奪い返せたし、爆発的なショートカウンターもぶちかませた。
そんなアントラーズやマリノスに対して・・
この試合のレッズは、ボールを奪われた次の瞬間に、「その高い位置」から、爆発的な協力プレスをブチかまし、ソウルが前へ重心を掛けはじめた次の瞬間に、再びボールを奪い返してショートカウンターをブチかましていったんだよ。
だから、アントラーズ戦、マリノス戦に、現象面では似通っていたかもしれないけれど、そのコノテーション(言外に含蓄される意味)には差異があった・・っちゅうことなんだろうね。
それにしても素晴らしいショートカウンターの連続だった。もちろんそこじゃ、「ツキも実力のうち・・」ってなゴールもあったわけだけれど・・サ。へへっ・・
でもこのコラムでは、これ以上、そのゴールを描写するのは止めにしようと思う。後は、どこかのハイライト動画などでご確認くださいね。
それよりも・・
そう、何といっても、青木拓矢と駒井善成で組んだダブルボランチの素晴らしい機能性についてコメントしなきゃいけない。
この試合でのレッズ守備は、本当に素晴らしかった。
前述した、最前線からの「前からプレッシング」だけじゃなく、特に後半に魅せつづけた、有機的に連動しつづける組織ディフェンスが見事だったんだよ。
そこで、とても重要な役割を担っていたのが、前述のダブルボランチだったというわけだ。
あっと・・もちろん最終スリーバックやサイドバックも素晴らしかったよ。でも・・サ・・ここでは、ダブルボランチを取り上げたいんだよ。
たしかに青木拓矢の、守備での優れたパフォーマンスと、ゲームメイカーとしての傑出したセンスも賞賛しなきゃいけないけれど、ここでは、駒井善成の方をピックアップしたい。
何といっても、「あの」駒井善成が、守備的ハーフとして、「中」でプレーしたわけだからね。
いや、ホント、ビックリした。
そのテーマを質問されたミハイロも、ご満悦だったよ。自身も言っていたとおり、「選手の潜在能力を見極めるチカラ」という視点でも、ミハイロは、傑出したプロコーチということだね。
駒井善成の素晴らしいプレーの数々を、ここで列挙するなんてのは愚の骨頂だから、それも止めにしておくけれど・・
とても目立つインターセプト(相手トラップの瞬間を狙ったアタック!)にしても、目立たない忠実マーキングにしてもカバーリングにしても、はたまた、球際の「爆発的な競り合いの内実」にしても、とにかく素晴らしい「闘う意志」だった。
そういえばミハイロが、こんなコトも言っていた。それは・・
・・グラウンドへ向かう選手たちには、勝利を目指すというコト以外に、もう一つ、とても重要なポイントを示唆したんだ・・
・・それは、球際の競り合い・・要は、ボディーコンタクトのぶつかり合い(デュエル)のことだ・・
・・日本人は、韓国人に比べて、そんな球際のぶつかり合いで弱気になることが多い(球際の競り合いデュエルに弱い!?)・・なんてことが言われているらしい・・
・・そんなのは、バカげた妄信だ・・オマエたちの闘う意志が、ソウル選手たちに劣っていることなどあるはずがないじゃないか・・
・・とにかく、この試合では、そのコトも、日本全国のサッカーファンに知らしめてこいっ!!・・
いいね〜〜・・
そう、たしかに、この試合では、レッズ選手たちが「球際のデュエル」で気弱に負けるようなシーンは皆無だったね。
もちろん、フィジカルとテクニック的に(またツキという視点でも)相手の後塵を拝してしまうことはあった。でも決して、心理・精神的に負けることはなかった。
記者会見後に、ミハイロと立ち話しでハナシたコトも含めて(そこには大住良之さん、後藤健生さん、田村修一さん、講談社の矢野透さんもいたよ)、もっと、もっと書きたいことはあるけれど、まあ、今日は、こんなところで・・
では、また〜〜・・
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- ところで・・
チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。
以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。
彼女については、このページやあのページを参照してください。
私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。
その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。
藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。
「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。
ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。
また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。
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- あっと・・
- 私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」。
- ちょっと、プロモートさせてくださいね。
- この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」。
- とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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