トピックス


2018_日本代表・・このゲームは、歴史に残る・・(日本vsウルグアイ、4-3)・・(2018年10月16日、火曜日)

・・自信・・

・・アグレッシブな(リスク)チャレンジ・・

それらが、森保一監督のコメントで、もっとも重要な部分だったですかね。

実はわたし、この二つのサッカー要素が、どのように相互に作用し合うのかという心理的なメカニズムについて質問したかったけれど・・。

なんか、このごろ、質問のタイミングを失してしまうコトが多くってサ。フ〜〜ッ・・

まあ、いいさ・・

わたし自身も、そのメカニズムについては、一家言もっているからネ。

ということで、この二つの要素の関わり合いについては、「The Core Column」で発表した「このコラム」もご参照あれ。

そう、リスクへも積極的にチャレンジしていく姿勢こそが、自信を、「確信レベル」にまで高揚させ、その善循環(心理)サイクルを回しつづけるんだよ。

イビツァ・オシムさんが、常日頃、言っていたように、リスクチャレンジのないところに進歩もない・・っちゅうことだね。

あまりコラムを長くするつもりはないのだけれど・・

まあ、いいさ・・

とにかく、タイトルに書いたように、かなり以前の、アウェーでのポーランド戦や札幌での日韓戦など以上に(!?)、この試合は、「歴史に、より深く、長く残る・・」と、言いたい筆者なのです。

何せ、選手たちが、まさにフッ切れた(主体的な!!)チャレンジをブチかましつづけたことで、様々な意味を内包する「世界との最後の僅差」をブレイクスルーする、エポックメイキングな勝負マッチになったわけだから・・。

相手は、世界の強豪ウルグアイ。

それも、アジア遠征の第一戦では、韓国に対して苦杯をなめている。

そりゃ、彼らが、強烈に「入れ込んで」日本戦に臨んでくるのも道理だよね。

そんな、時差ボケもかなり癒え、強烈にモティベートされた(!?)強豪ウルグアイに対して・・

森保一が率いる若武者たちは、まったく臆することなく、全力プレスをブチかましていくんだ。

もちろん次の攻撃でも、注意深くいく雰囲気など微塵も感じさせずに、人数をかけ、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションと、勇気あふれる個のドリブル勝負をバランスさせながら、スパッ、スパッと、スペースを攻略していくんだよ。

そう、彼らは、攻守ハードワークとリスクチャレンジにあふれる積極的な攻撃サッカーで、「あの」強豪ウルグアイを、互角以上の内容で圧倒しちゃったんだ。

たしかに、高さで大きなディスアドバンテージがある「セットプレー」とか、考えられないような大きなミスで二度も同点に追い付かれてしまった。

でも・・

そう、「このチームだったら、絶対に、再び勝ち越してくれる・・」、そんな確信が、自然と湧き上がってきたモノさ。

そして、実際に・・

ホント、凄かったネ〜、彼らの、「組織と個」がハイレベルにバランスした迫力ある仕掛け。

___________

ここでチト視点を変えます。

そう、「4-3」と迫られた、残り20分ほどの時間帯について。

もちろんわたしは、森保ジャパンが勝ち切ることに対して、まったく不安はなかった。

それほど、日本代表のディフェンスは、堅牢だったんだ。

このゲームを通じて、日本守備が、ウルグアイに「スペースを攻略されるシーン」は、ほとんどなかったわけだから。

まあ、大きくボールを動かされ、最後は、左サイドでフリーになったホナタン・ロドリゲスにパスを通されてフリーシュートを決められた3失点目のシーン以外のハナシだけれど・・さ。

その、「堅牢ディフェンス」だけれど・・

それは、パナマ戦コラムで、「こうあるべき・・!」と書いたような、落ち着いたブロック守備プロセスと、「前からプレッシング」による攻撃的なボール奪取プロセスが、メリハリよく「使い分けられた」、とても効果的なディフェンスだったんだ。

ところで、勝ち切る(タイムアップ)までのプロセスだけれど・・

「4-2」とウルグアイを突き放した時点で、森保一は、最初の交替カードを切った。

柴崎岳と青山敏弘との交代。

そして、その直後、ロドリゲスに、ウルグアイの3点目を決められた。

たしかに「そのとき」は、青山敏弘が、まだうまくゲームに入れていなかったのかもしれない。

だから、ウルグアイのボールの動きを抑え込めず、右、左と、ボールを動かされてしまった。

でも私は、1点差にされたときでも、森保ジャパンが勝ち切ることを、心の底から確信していたんだよ。

それほど、森保ジャパンのブロック守備が安定していたんだ。

その後、中島翔哉が、原口元気と交替した。

そして、この二人とも(たしかに青山敏弘が交替して1分後の失点シーンは反省材料だけれど・・)、活発にボール奪取プロセスに関わるなど躍動しつづけたっけ。

とにかく・・

余裕をもった堅牢ディフェンス(たまには前からプレスも!)と、それをベースに(リードしているにもかかわらず!)次の攻撃を仕掛けていく「強烈な闘う意志」という視点で、この最後の20分間の「勝ち切りプロセス」が、とてもインプレッシブだったのさ。

___________

あっと、ピックアップといえば・・

やっぱり、抜群の仕掛けダイナミズムを魅せつづけた、前線カルテットについても、別立てで褒め称えなきゃいけないよね。

それほど、彼らが魅せつづけた、攻守にわたる積極的な仕掛けは、素晴らしかった。

そのカルテットだけれど、コスタリカ戦からは、一人、入れ替わった。

そう、小林悠の代わりに、大迫勇也がトップに入ったんだ。

そして、その大迫勇也が、まさに「ハンパない大活躍」を魅せたっちゅうわけさ。

そんな大迫勇也の大活躍によって、カルテットの「躍動感」は、コスタリカ戦の、一回りも、二回りも大きく膨れ上がったモノさ。

そのなかで特筆だったのは、もちろん中島翔哉。

ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションと、中島翔哉のドリブル勝負が、えも言われぬほど美しい「コラボレーション」を繰り広げたんだよ。

たしかに中島翔哉はゴールを決めてはいない。でも、とても大事な先制ゴールと追加ゴールをお膳立てした。

それ以外でも、何度も、仕掛け(スペース攻略)プロセスの起点として、「あの」強力なウルグアイ守備がビビりまくる突破ドリブルをブチかましつづけたんだ。

そのドリブル勝負は、堂安律もそうだったけれど、森保ジャパンの「自信リソース」として、抜群の存在感を魅せつづけたことは確かな事実だった。

ということで私は・・

ゲームを観ながら、森保一は、最高のダイナミズムと機能性を魅せつづけていた「このカルテット」に手を付けられないだろうな〜・・なんて思っていたのさ。

案の定、森保一が、このカルテットに手を付けたのは、後半42分になってからだった(中島翔哉と原口元気の交替)。

たしかに、ウルグアイの高さへの対処プランや、大きなミスによる失点など、反省点はあるけれど、それでも、この試合で森保ジャパンが魅せてくれた(歴史に残る!)素晴らしいサッカーは、そんなネガティブ視点をオブラートに包みこんでしまうよね。

________

ということで最後に・・

全員守備、全員攻撃という、リスクあふれる「トータルフットボール」を志向する森保ジャパンを表現するのに相応しい、歴史的な人物の至言を・・

エイブラハム・リンカーン・・

・・意志さえあれば、おのずと「道」が見えてくる・・

フリードリヒ・ニーチェ・・

・・名声を失ったら、また創りなおせばいい・・カネを失ったら、また稼ぎなおせばいい・・でも、勇気を失ったら、生まれてきた価値(意味!?)がない・・


============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]