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2018_アジア大会・・サッカー(ゲーム)内容の流れと、勝負の流れの相克・・(なでしこvs韓国、2-1)・・(2018年8月29日、水曜日)

先週末におこなわれた、なでしこvs北朝鮮の勝負マッチ。

結局、男子のマレーシア戦と同様に、所用が重なってしまったことで、コラムのアップをパスせざるを得なくなった。

聞くところによると、リードしていたこともあって(!?)、北朝鮮がブチかます、物理的、心理的プレッシャーに、かなり押し込まれたとのこと。

でも最後は、「しのぎ」切った。

そして、昨日の「韓国戦」。

たしかに、(菅澤優衣香の先制ゴールが前半5分だったこともあって!?)ゲームのイニシアチブを握られる時間帯が多くなった。

チ・ソヨン、イ・ミナを中心に攻め上がる韓国の「勢い」を、うまく抑制できない「なでしこ」。

そして何度も、決定的スペースを攻略されてしまう。

この、ウラの決定的スペースを攻略されたシーンは、ちょっとショッキングな出来事だった。

たしかに、「最後の半歩」を伸ばし切ることで相手シュートを防いだり(特にキャプテン鮫島綾のカバーリングにはアタマが下がる!)、相手のシュートミスに助けられもした。

それでも、チェイス&チェックがお座なりとか、マーキングやカバーリングのミスとか、簡単なワンツーで抜け出されるとか、ボールがないところでのカバーリングが遅れるとか、守備でのネガティブ現象が目立っていた。

そんなジリ貧のゲーム展開ではあったけれど・・

そう、部分的には、「これこそが実力伯仲の日韓サッカーマッチだよな・・」ってな印象を強くする時間帯もあったんだよ。

特に、スーパーな攻守ハードワーカー&創造性リーダーでもある、韓国のイ・ミナが同点ヘディングゴールをブチ込んだ、後半23分以降。

そう、勝負の流れが「イーブン」になってからのゲーム展開。

その勝負の時間帯で、まず感じたのは、「なでしこ」が、彼女たち本来のサッカーを「取り戻す」までに時間がかかり過ぎているということだった。

実は、わたしは・・

イ・ミナの同点ゴールが決まった瞬間、ガッカリするのと同時に、内心、「これで、なでしこも本来のサッカーを取り戻すに違いない・・」っていう期待も、急速にふくらんでいったんだ。

そして・・

そう、たしかに時間はかかったけれど、やっと「なでしこ」が、フッ切れたサッカーを(攻守ハードワークとリスクチャレンジ豊富な攻撃サッカーを!)展開できるまでに回復したんだ。

そんなドラマの盛り上がりに刺激され、それまでの展開でフラストレーションを溜めまくっていた私も、姿勢を正して(前のめりに!)ゲーム展開の内実に目を凝らしはじめたっちゅうわけさ。

なにせ、完璧にイニシアチブを握られ、押し込まれていた「なでしこ」が、やっと、本当にやっと、本来のサッカーを取り戻していったわけだから・・。

そして、両チームともに、攻守にわたって「互角のせめぎ合い」を魅せはじめたというわけだ。

そんな互角の展開になったからこそ、後半41分に陥れた「あの」決勝オウンゴールについても、韓国のミスというよりも、「奪い取った」という必然性を、より強く感じていた筆者だった。

でも・・

そう、その後の残り8分ほどで韓国がブチかました、イ・ミナのフリーシュートに代表される、レベルを超えて激烈な攻撃性は、ホントに凄かったよね。

「なでしこ」は、ホントによく耐えた。

そんな「直近イメージ」の残像が強烈だったことで(!?)、残った全体的な印象「も」ネガティブなモノになってしまったということなんだろうけれど・・

そう、わたしは、前述したように、いまでも日韓女子代表のサッカーの実際の「質」は、限りなくイーブンだと思っているんですよ。

不確実な要素がテンコ盛りだからこそ、サッカーは、究極の心理(意志の)ゲームと言える。

そして、だからこそ・・

一つのゲームにおける、両チームの(純粋な!?)サッカー内容の「差異」と、「勝負の流れ」にかかわる影響ファクターにも、詳細な分析が必要ということなんだ。

もちろんフィジカル、テクニカル、タクティカルな要素も、重要な影響ファクターではあるけれど、それ以上に、(どちらかのチームの!!)ゴールや選手個々 のパーソナリティーなども含む、多岐にわたる心理・精神的な影響ファクターも、柔軟に分析する必要があるっちゅうことさ。

なんか、最後は難しくなってしまったけれど・・

とにかく、「なでしこ」が決勝に駒を進め、次の学習機会を獲得したことは、ホントに良かった〜〜・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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