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2018_WMの14・・イングランド攻撃のコノテーション(言外に含蓄される意味)には課題が満載だけれど、勝負という視点では、やはり強いよね・・(イングランドvsパナマ、 6-1)・・(2018年6月24日、日曜日)

結局イングランドは、パナマ相手に6ゴールもブチ込んだ。

そのうち3点は、ハリー・ケインがゲットした。そうハットトリック。

とはいっても、PKからのが2ゴールだったし、3点目は、味方のシュートが、偶然カカトに当たってコースが変わって入ったわけだから、まあ・・ネ。

とにかく、イングランドが、前半に5点、後半に1点を奪ったコトは確かな事実なんだよ。

でも、そのうちの4ゴールは、PKも含めた、セットプレー絡みだったという興味深いファクターもあるわけさ。

まあ確かに、イングランドの3点目だけは、流れるようなコンビネーションから、リンガードが、フィーリングあふれる見事な「放物線ミドル」をゴール右上に決めたわけだけれど・・。

ということで、このコラムでは、6点もブチ込んだイングランドの攻撃プロセスにスポットを当てようと思う。

そう、特に、イングランド攻撃の組み立てプロセス。

どうもそれは、スムーズさに欠けると感じるんだよ。

各ステーション(パスレシーバー)のところで、必ずボールがトラップされ、こねくり回されることで、スムーズな人とボールの動きが観られない。

そう、人とボールの動きの量と質が足りない。

だから、流れのなかから、パナマ守備ブロックの穴を突いて決定的スペースを攻略するような、組織サッカー的な仕掛けプロセスは、ほぼ皆無だったんだ。

取り敢えずボールは動かすけれど、相手ディフェンスブロックを振り回すわけじゃないし、相手をどちらかのサイドへ引っ張ろうなんて意図も感じられない。

同じグループのベルギーと比べても、組織サッカーの内実や、それを活用したスペース攻略という視点では、明らかに劣っていると感じるんだよ。

それでいて、個のチカラで局面を打開しちゃうようなスーパーなドリブラーがいるわけでもない。

そう、特長といったら、このゲームで如実に証明したとおり、セットプレーの力強さと巧みさくらいですかね。

そうそう、前半のPKにしても、セットプレーからの仕掛けで獲得したモノがほとんどだったわけだから・・

このグループ「G」最終戦は、イングランド&ベルギーという2連勝同士のぶつかり合いになる。

それも、得失点差だけじゃなく、総得点もまったく同じなんだよ。

そう、いまは、両チームがグループのトップに併存しているっちゅうことさ。

もしグループ最終戦が引き分けに終わったら、そこで抽選になるのだろうか? 調べてみよう。

とにかく、サッカーの内容(組織プレーと個人勝負プレーのバランス、その内実)では、明らかにベルギーが優っていると思う。

でも、純粋に「勝負」という視点じゃ、もちろんイングランドに分があるという見方だってできる。

また、そこには、トップ通過がいいのか、二位通過の方が対戦相手に恵まれるのか・・なんていう視点もあるでしょ。

まあ、様々な意味合いで、興味深く、グループの最終マッチを観察しようじゃありませんか。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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