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2018_WMの26・・ウルグアイが魅せつづける「勝負強さ」は、大会No.1 !?・・(ウルグアイvsポルトガル、 2-1)・・(2018年6月30日、土曜日)

あっ・・

それは、まさに電光石火の先制ゴールではありました。

ディエゴ・ゴディンを中心に、抜群の安定感を誇るウルグアイ守備。ここまで無失点ということらしいけれど、そのウルグアイが先制ゴールをブチ込んだんだ。

ゲッターは、カバーニ。アシスト・クロスは、スアレス。

ウルグアイの二枚看板がゴールを演出したんだよ。

さて・・

ということで私は、そこから、ものすごく安定したウルグアイ守備にフォーカスして観戦することにした次第。

そして・・

とにかくウルグアイの守備は、素晴らしいと、感嘆するコトしきりでした。

決して、無理して(タイトな!?)チェイス&チェックを仕掛けるわけじゃない。

でも、もちろん相手ボールホルダー(次のパスレシーバー)には忠実に「寄せ」る。

また、これも特筆なのだけれど、ポルトガルのボールホルダーを、決して「自由に」プレーさせないという強烈な意志が炸裂しつづけるんだよ。

要は、仕掛けのドリブルはさせない・・、そこから決定的なタテパスも出させない・・、もちろんドリブルでシュートまでなんて、決して行かせない・・等など。

そして、少しでも相手のボールが「停滞」したら(その傾向が見えそうになったら!!)、間髪を入れずに、協力プレスの輪が狭められ、抜群のスキルと迫力のプレッシングによってボールを奪い返してしまう。

また、これも特筆なのだけれど、彼らは決して「ボールウォッチャー」になることがないんだ。そうではなく、常に、次、その次のボール奪取勝負を狙いつづけているんだよ。

だから、クロスとかスルーパスを、ダイレクトでシュートされそうになったら、必ず、その相手をマークしていたウルグアイ選手とは「違う誰か」が、どこからともなく寄せてくるんだ。

そして、そのラストパスをカットしたり、シュートやヘディングをブロックしたりしちゃう。

いったいヤツらは、どこから現れるんだ??

そりゃ、周りのチームメイトが、その時点でマークしていた相手を放り出し、その絶対的ピンチスポットへ急行してくるに決まっている。

とにかく、その判断と決断、そして勇気が、素晴らしいんだよ。

全員が、次、その次のチャンスを、まさに猛禽類の眼で狙いつづけているっちゅうわけさ。

そう、プレデター(捕食動物)の、慈悲のない攻撃マインド。

そして、その中心にいるのが、キャプテン、ディエゴ・ゴディンっちゅうわけだ。

リーダーシップ、責任感と勇気にあふれる「闘うキャプテン」は、スーパーに頼り甲斐がある。

そんな彼を、イタリアの伝説、フランコ・バレージと比べるのは「やり過ぎ」だろうか!?

とにかく、ディエゴ・ゴディンは、そんな比較がアタマに浮かんでくるほど素晴らしいんだよ。

でも・・

そんな、ウルグアイの「勝者メンタリティー」が抜群の存在感を発揮していたにもかかわらず・・

そう・・

ポルトガルのペペが、後半10分のコーナーキックをヘディング一閃。ポルトガルが、一瞬のスキを突いて、同点に追い付いてしまったんだ。

そうね・・、やっぱりセットプレーの守備は、難しい・・。

何せ、最後の瞬間に、しっかりと「寄せ」るだけじゃなく、最終の勝負ポイントまで正確にイメージし、「そこ」に急行したり、はじめから予測して「そこに入っている」なんていう守備プレーは、とても難しいわけだから。

さて、これで振り出しに戻ったぞ・・ここから、両チームが、どのようなサッカーを展開するのか・・

・・なんて考えていたら、そのペペの同点ゴールから6分後には、ウルグアイが、完璧なカウンターから、またまたカバーニが、ダイレクトで、スーパー・カーブ・ミドルを、ポルトガルゴール右隅にブチ込んじゃったんだよ。

ホント、ビックリした。

たしかに、それまでのウルグアイは、ポルトガルにイニシアチブを握られていながらも、最前線のカバーニとスアレスが、「粘りのキープ」で、後方からのサポートを「うながし」ていたけれど・・。

そんなプレーを観ながら、そんなことは、ヤツらにしか出来ない・・なんて思ったモノさ。

それほど素晴らしい「二頭ポストプレイヤー」だったんだよ。

もちろん、そんな「ポスト組織プレー」ばかりじゃなく、一発カウンターでも、この2人が威力を発揮していた。

もしかしたら、同点にされたことで、その勢いが加速したのかもしれない。

そして、カバーニの、勝ち越し(決勝!)スーパーゴールが決まったというわけさ。

とにかく、この試合では、ウルグアイの粘りのディフェンスと、粘りの「二頭プレイヤー」が、特筆の存在感を発揮したというのが結論かな。

それに対してポルトガルは、たしかにボールをキープし、仕掛けられていたけれど、そのプロセス自体が、ウルグアイの「ワナにはまっている」ように感じられたよね。

もちろん「CR7」も、まったくといっていいほど、存在感を発揮できていなかった。

もしかしたら、このウルグアイは、「勝負強さ」という視点で、大会No.1かもしれない・・なんてコトまで考えていたっけ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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