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2019_アジアカップ_1・・ダイレクトパスを織り交ぜた(タテへ抜け出す!)組織コンビネーション・・ホンモノのスペース攻略・・(UAEvsバーレーン、 1-1)・・(2019年1月6日、日曜日)

ご無沙汰してしまいました。

皆さんも、よい新年を迎えられた!?

まあ、とはいっても、「よい・・」という形容詞のコノテーション(言外に含蓄される意味)は、人それぞれでしょうから・・へへっ・・

さて、アジアカップ開幕戦(UAEvsバーレーン)・・

もちろん地元のUAEが、様々な意味合いが込められた「総合力」では、一歩、先んじている。

でも・・

そう、たしかに人とボールの動きや、局面デュエルでは、UAEが、少し上。ただ、攻撃の当面の目標であるスペース攻略という視点では、やはりサッカー内実のレベルは、下がる。

このことは、両チームに共通しているよね。

ということで、両チームともに、カウンターやセットプレーからで「しか」、可能性の高いチャンスを創りだすコトがままならない。

また、そのカウンターにしても、ボールを失った「次の瞬間」の切り替えが遅く、攻め上がろうとする相手からボールを奪い返す「逆を取ったショートカウンター」シーンは、創りだせない。

まあ、そんなだから、局面では、スムースな人とボールの動きは魅せられているものの、肝心の目標イメージ(ウラスペースの攻略)は遠い・・っちゅう、カッタるい展開がつづいてしまう。

ということで・・

このゲームからは、人とボールの動き(ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション)を駆使したスペース攻略というメインテーマを抽出しました。

それも、タテ(ウラの決定的スペース)への超速コンビネーション。

そこじゃ、もちろん、ボールがないところでの3人目、4人目のフリーランニングが絶対的に重要なコンポーネントになる。

そう、相手ディフェンスが描く守備(ボール奪取)イメージを「超越」するフリーランニング。

だからこそ、相手ディフェンスの「背後」にひろがる決定的スペースを攻略できる。

だからこそ、決定的なドリブル勝負&シュートチャレンジを「より効果的に!」ブチかましていける。

このチーム戦術的メカニズムについては、クラブワールドカップでアップした「このコラム」でも書いたから、ご参照あれ。

もちろん・・

いつも書いているように、アジアでも、ボールを扱うスキルと同様に、サッカーの絶対的基本である、人とボールの動き(=パスの内実)のレベルはアップしている。

でも、やはり、タテへ勝負していくイメージが、チーム内で、うまく共有されているとは言い難い。

だから、3人目、4人目の「コンビネーション・フリーラン」が、うまく噛み合わない(それ自体が出てこない!?)。

そして、単発のタテパス1本という「体たらくの仕掛け」ばかりが目に付いてしまう。

たしかに、フィジカルは言うに及ばず(それは、まさに世界トップレベル!)、テクニックでも、基本的なパスサッカーイメージでも、順調に進化はしているけれど・・ネ。

まあ・・

だからこそ、今回のクラブワールドカップもそうだったけれど、「最後の僅差」を、より鮮明に見えてくるっちゅうコトなんだろうね。

サッカーの基本は、パスゲーム。

だからこそ、人とボールの動き(ボールがないところでのプレーの量と質!)が問われる。

そんな「基本」に、いかに効果的に「個の勝負能力」をコラボレートしていくのか・・

それが、本質的なテーマだよな。

だからこそ・・

才能レベルが高ければ高いほど、そう、そんな天賦の才に恵まれたユース選手に対してこそ(!)、攻守ハードワークとリスクチャレンジへの意識を高めていかなきゃいけないんだ。

あっと・・

もちろん、組織サッカーの絶対ベースである、「止めて、蹴る・・」というテクニックは、対人デュエルのなかで、極限まで磨かなきゃいけないというテーマもある。

そう・・

「止めて、蹴る」という基本テクニックを、「プラグマティックに磨く・・」というテーマのことだよ。

そこにもまた、「世界トップとの最後の僅差の本質」が隠されているんだ。

ということで締めだけれど・・

それは・・

それでも、優勝候補の、日本、韓国、オーストラリア、イランは、一味も二味も違う・・という視点。

彼らは、組織と個が、しっかりとバランスしているんだよ。

そして、だからこそ、世界トップとの最後の僅差も、本質的な意味合いで、より具体的に認識し、縮めていける(!?)っちゅうことなんだよ。

あっ・・

そうそう、サウジアラビア。

今回の「AFC_U19」で優勝したチームを観ながら・・

「あれっ!? サウジのサッカーって、本質的なトコロで変わってきているのか・・??」なんていう疑問が、フツフツと沸き上がってきたんだ。

とにかく、その大会でサウジの若者たちが魅せたサッカーは、群を抜いていたんだ。

ということで、サウジのサッカーにも注目しなければ・・と思っている筆者なのであ〜る。

へへっ・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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