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2019_ アジアカップ_6・・ギリギリの一発トーナメントだったからこそ、「勝者メンタリティー」と森保一の「優れた心理マネージメント」、そしてベテランの 「リーダーシップ」が光り輝いた!?・・・・(日本vsサウジアラビア、 1-0)・・(2019年1月21日、月曜日)

タイムアップの瞬間、心の底から湧き上がってくる激情ガッツポーズに身体が震えた。

そのエモーションの内実には、これまでの長い、長〜いサッカー人生のなかでも、特筆に値するコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されていたと思う。

森保ジャパンの強者どもは、ホントに、よく勝ち切った。

感動した。

そして彼らに対する、心からの感謝の念がこみ上げてきた。

よかった・・

ということでテーマ・・

まあ・・ネ・・そりゃ、もう、素晴らしい機能性を魅せつづけた、森保ジャパンの、「ポジショニングバランス・オリエンテッドなブロック守備」しかないでしょ。

もちろん・・

ボール「だけ」は、選手たちの「足許」を介して動く、サウジアラビアの「似非ポゼッションサッカー」というテーマについては後述しますよ。

このサウジ代表チームのサッカーは、「あの」AFCアンダー19選手権で優勝したスーパーチームが魅せた、素晴らしいダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションとは別物だった。

まあ・・ボール「だけ」は動くけれど・・サ。

あっと・・

最初は・・

森保ジャパンの守備ブロックが、最後の最後まで、サウジアラビアにスペースを攻略されることがなかった・・という視点から入ろうと思ったんだっけ。

もちろん・・

クロスボールからの直接ヘディングシュートや、こぼれ球からのミドル弾など、不確実なサッカーだからこそ陥るピンチは何度かあったよね。

また、後半、柴崎岳や吉田麻也が「すり抜け」られて陥ったピンチシーンもあった。

また、ボールが、両チーム選手たちに遮(さえぎ)られて見えなかった権田修一が、まったく反応できなかったミドル弾(左ポストを数センチ外れた!)という大ピンチもあった。

ただ・・

たしかにピンチはあったけれど、コンビネーションやドリブル勝負などでスペースを攻略されるといった本物のピンチシーンは、まったくと言っていいほど創らせなかったんだよ。

そのバックボーンは・・

日本の守備ブロックが、チェイス&チェックや忠実&効果的マーキングなどで相手を追い込んでいきながら、次の(勝負の!?)パスを正確に予測しつづけられたことだろうね。

もちろん、後半の最後の時間帯では、チェイス&チェックやマーキングが徐々に「甘く」なっていったことで「ピンチ」に陥りそうになった「勝負の流れ」はあった。

でも・・

そう、最後は、吉田麻也、富安健洋、両サイドバック&両サイドハーフ、そして何といってもダブルボランチの二人(柴崎岳と遠藤航)が、必殺の「最後の半歩」を出しつづけたんだ。

そう、立派な質実剛健サッカー。

この、森保一がリードして進化しつづける、まさに質実剛健な、「ポジショニングバランス・オリエンテッド・ブロック守備」だけれど。

そこで選手たちがイメージつづけた「連動するボール奪取アクションの連鎖」には、本当にアタマが下がった。

とにかく・・

寄せやマーキングの勢い、局面デュエルの内実も含め、森保ジャパンの強者どもが魅せつづけた「強烈な闘う意志」に、乾杯!!

後で・・

その「守備アクションの連動性」というテーマで、ビデオを見返すことにしよう。

そこでは、「気づきの内実」とか、「強烈な意志デュエル」とか、見所満載だろうね。

ということで、明日が(ビデオ分析が!?)、楽しみになってきた。

ということで最後に・・

サウジの、「似非ポゼッションサッカー」というテーマにも、少し触れておこうかな・・

彼らのサッカーは、ボールを動かすことが「目的イメージ」の中心だったと感じるんだ。

でも、ホンモノの「美しいサッカー」は、まったく違う。

そこでの目標イメージは、唯一。

それは、スペースを攻略していくことなんだ。

それこそが、攻撃的なイニシアチブ(ポゼッション)サッカー。

そのために、ボールだけじゃなく、ボールがないところでの人も、しっかりと動かさなきゃいけないんだよ。

でも・・

皆さんも観られたとおり、サウジの「ボールの動き」は、そのほとんどが、自チーム内でボールを「キープするだけのモノ」だったよね。

あれじゃ、タテへの仕掛けコンビネーションなど、出てくるはずがない。

もちろん「それ」は、最前線選手たちの、ボールがないところでの「前後左右の動き」が足りなかったからに他ならない。

それじゃ、スペースは出来ないし、効果的なポジションをとる受け手がいないんだから、(最初に仕掛けていく!)タテパスだって通せるはずがない。

そして、「足許パス」を積み重ねるだけっちゅう体たらく。

前半は、とにかく、酷(ひど)かった。

逆に、森保ジャパンのブロック守備が素晴らしかったとも言える。

まあ、後半は、よりスリリングな組織リスクチャレンジ姿勢が出てきたことで、より積極的に個の勝負もブチかますようになったけれど・・

それでも、「似非マインド」が、チーム内に浸透し過ぎちゃっていることで、一人で、抜き切って最終勝負をブチかまそう・・なんていう「中東の闘うマインド」は消え失せていた。

そう・・

ドリブルで突破しようとする選手は増えていったけれど、そこで、シュートやラストパスにトライするのではなく、「つなぎパス」をイメージする傾向が強すぎると感じたんだ。

たしかに、スペースへ走り込むような味方(決定的フリーランナー)も出てこなかったわけだけれど・・サ。

それじゃ・・

______

あっと・・、ここまで書いて、急に、もう一つテーマが脳裏をよぎった・・

それは・・

後半の森保ジャパンが、ゲームの流れを「あれほどまでに牛耳られてしまった」というグラウンド上の現象。

どうなんだろうね・・

たしかに、かなり疲れてきたこともあって、ボールを奪い返した直後のチャンスでも、前半のような押し上げの勢いを喚起することは叶わなかったよな。

そんな押し上げがあれば、あんなふうに(不必要に!?)押し込まれ「過ぎる」こともなかった!?

もちろん、サウジ選手個々のスキルが高く、そう簡単にはボールを奪い返せなかったというファクターもある!?

そんなゲーム展開(グラウンド上の現象)にも、とても興味がある。

これも、明日のビデオ分析のテーマだね。

まあ、とにかく・・

立派に、本当に立派に「勝ち切った」森保ジャパンからは、ホンモノの勝者メンタリティーの進化&深化が見えてくるということも言いたかった筆者なのであ〜る。

へへっ・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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