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2019_J2_第37節・・この粘り勝ちには(その内実を分析し、学習することには!)殊の外、重要な価値がある・・(ヴェルディvsヴァンフォーレ、2-1)・・(2019年10月19日、土曜日)

・・いま永井さんが言われた、ゲームを(その流れを)コントロールするというテーマですが・・

(彼は、押し込まれすぎた後半の反省として、そんなジリ貧の状況でも押し返せるだけのチカラをつけなければいけないという課題を述べていたんだよ)

・・たぶん永井さんは、前半にブチ込んだ追加(2点目)ゴールまでと、そこからの、より質がアップした(!)主導権(ゲームコントロール!)をイメージされていると思うんですよ・・

(永井秀樹監督が頷いている)

・・でも、その後は、ヴァンフォーレに、完璧にイニシアチブを握られてしまった・・

・・そんなゲームの流れだったわけですが、私が聞きたかったテーマは、そんな、ゲーム展開の変容ではないのですよ・・

・・そうではなく、ヴェルディが魅せた、粘り勝ちという成果についてなんです・・

・・とにかく、追加ゴールから10分くらい経った頃からは、完璧にヴァンフォーレに主導権を握られ、ガンガンとサイドからクロスを放り込まれつづけた・・

・・でもネ・・

・・たしかにヴァンフォーレに、クロスやシュートを3倍は打たれちゃったけれど、でも私は、ゴール機会という視点じゃ、たぶん、2本か3本程度だったんじゃないかって思っているんです・・

・・だからここでは、(私は)最後の半歩っていう表現を使うんですが、守備での、立派な闘う意志のプレーというテーマについて、質問したいんですよ・・

とにかく、前述したように、追加ゴールまでと、それを入れてからの10分間にヴェルディが魅せたサッカーには、「本物のゲーム支配テイスト」がプンプンしていたんだ。

だから、観ているこちらも、心底、楽しめていた。

でも・・

そう、そこからゲームが、完璧に「逆流」していっちゃうんだ。

ヴァンフォーレが、完璧にゲームのイニシアチブを握ったんだよ。

その絶対ベースは、言わずもがなだけれど、守備(ボール奪取プロセス)。

そう、ヴァンフォーレの「前からプレス守備」が、風雲急を告げつづけたんだ。

対するヴェルディは、そんなヴァンフォーレの「前への勢い」に、完璧に、呑み込まれていった。

そんな流れのなかでヴァンフォーレが創りだした「ゴール機会」だけれど・・

前述したように、多分それは、2本か、3本くらいだったように思う。

だから・・

ヴァンフォーレに、クロスも含め、20本ものシュートをブチかまされたにしては、よく守った(最後の半歩が出つづけた・・)ってなポジティブ評価「も」アリだと思うわけさ。

あっと・・

冒頭のわたしの質問に対して、永井秀樹さんは、例によって真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれたっけね・・

・・おっしゃるように、ゴール機会を創り出させなかったという視点もアリかなって、スタッフとは話し合っていたんです・・

・・もちろん、あれほどゲームを支配され、両サイドから、クロスをバンバン上げられつづけたわけだし、ピーター・ウタカには、「ソロ勝負」まで許しました・・

・・でも選手たちは、最後まで、冷静に、そして強い闘う意志をもって、凌(しの)ぎきってくれた・・

・・我々は、そんな「凌げるチカラ」が備わりはじめているコトに対しては、とてもポジティブな進化だと思っているんです・・

フムフム・・

もちろん、あんなに「簡単に」クロスをブチ込ませちゃ、いけないヨ。

それについては、反省しなきゃいけない。

「そこ」をいかに抑えるのか・・も、とても重要なテーマなんだ。

でも、それ以上に、「ファイナル勝負シーン」で、いかに相手にシュートをさせないか・・というテーマが、決定的なんだよ。

そう、「最後の半歩」という、局面デュエルの内実の分析と体感の積み重ね・・

そのコノテーション(言外に含蓄される意味)は、まさに千差万別だけれど、その全てに共通するのが、考えるチカラであり、勇気ベースの行動力なんだ。

イレギュラーするボールを足で扱う、次に何が起きるか分からない不確実で理不尽なサッカーだから・・さ。

だからこそ、主体的に考えるチカラだけじゃなく、勇気マンマンのリスクチャレンジパワー(≒ホンモノの自己主張パワー!?)も、決定的に重要ということさ。

このゲーム後半のジリ貧のゲーム展開だけれど・・

押し込まれている状況では、いくらレアンドロにボールが入っても、ボールがないところでのサポートの動きが足りないから、すぐにボールを失ってしまう。

それじゃ、3人目、4人目のフリーランニングだって出てくるはずがない。

蛇足だけれど・・

戦友カリオカ(ラモス瑠偉)との対談シリーズでも、徐々に、そんな視点のテーマに入っていこうとしているんだ。

そう、選手たちの攻守ハードワークとリスクチャレンジ姿勢のポテンシャルを、150%以上に高めるための心理(インテリジェンス)マネージメント。

自己主張のトレーニングとか、「エイヤッ!」の勇気チャレンジのトレーニング・・等など。

それは簡単じゃないけれど、それでも、トレーニングにおいて、選手たちが、そんな「目標イメージ」を描きつづけることには、ものすごく重要なコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されているんだよ。

ところで、日本代表監督、森保一・・

攻守の目的を達成するために、いま、この瞬間に、何をやらなきゃいけないのか・・

サンフレッチェ時代の彼は、そんな「戦術イメージング」を、常に、ホントに常に、選手たちのアタマに描かせつづけて(考えさせつづけて!)いた。

そう、だからこそ、最高レベルの心理マネージメントが必要だったんだよ。

選手たちの主体性を最高レベルに高めるためにね・・

何せ・・

グラウンド上で闘うのは選手たち・・

そんな選手たちを、脅したりスカしたりしたって、決して150%のチカラを発揮できるようになるわけじゃない。

彼らの「アクションリソース」は、あくまでも、自分自身が描く、自分自身が達成させたいと心から願う(!?)目標イメージなんだよ。

このテーマについては、かなり以前に、「The Core Column」で発表した、森保一が率いていた当時のサンフレッチェについて書いた「このコラム」も、ご参照あれ。

その最後の章に、短く、森保一の心理マネージメントについても書きましたよ。

ということで・・

とにかく、将来につながる、とても価値のある「粘り勝ち」を収めた永井秀樹ヴェルディに対して、心からの賞賛の拍手をおくる筆者なのであ〜る。

へへっ・・


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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