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2019_日本代表(WM地域予選)・・森保一ジャパンは、組織サッカーの内実で着実な進化を遂げているだけじゃなく、最終勝負プロセスでも、効果的な「変化」を演出できるようになっている・・(日本vsモンゴル、6-0)・・(2019年10月10日、木曜日)

ゲームを観ながら、こんなコトを感じていた。

それは・・

森保一ジャパンじゃ、誰が出ても、基本的なチーム戦術イメージが、とても高いレベルで共有されている・・っちゅうこと。

それは、ホントに素晴らしいし、ストロングハンド森保一の面目躍如っちゅうことなんだ。

何せ・・

そう、世界中に散らばっている(微妙に異なるチーム戦術でプレーする!)選手たちが、一堂に会してから数日後には、このような素晴らしいサッカーを魅せつけちゃうんだから。

・・攻守ハードワークとリスクチャレンジマインドを絶対ベースにブチかます、ダイレクトパスを織り交ぜた素晴らしい組織コンビネーション・・

・・人とボールが、スムーズに、スピーディーに、そして正確に「動き」つづける・・

・・そんなチーム戦術的なベースが機能しているからこそ、スペースを効果的に攻略できる・・

・・だからこそ、個の勝負プロセスも最大限に活かせる・・

・・スピードを活かしたウラ取りコンビネーションあり、破壊的なドリブル突破あり・・

・・そして今日は・・

・・そう、浮き球やグラウンダーの必殺クロスを、ヘディングや足でブッ叩きつづけた・・

・・私は、たしかに6ゴール「しか」奪えなかったけれど、そこには、WM予選を戦うからこそ価値のある、進化したコンテンツが詰め込まれていたと、感じていた・・

ところで、モンゴルとの「実力差のバックボーン」というテーマ。

それを深掘りするのも、興味深い。

もちろん、フィジカルや基本テクニックじゃ、「以前」ほど大きな差はない(昔は、それぞれの国の実力差は、とても大きかったんだよ)。

また、心理・精神面(闘う意志)というファクターじゃ、モンゴルは、優るとも劣らない。

それじゃ、日本とモンゴル間の「あの差」を生み出していた、もっとも大きな要素は??

多分それは、「戦術イメージ」というファクターに集約されるんだろうね。

守備では・・

たとえば、相手の次のパスや仕掛けプロセスを「読む」チカラ。

日本選手たちのレベルは、とても高いから、モンゴルの仕掛けプロセスを予測し、先回りして効率的にボールを奪い返してしまう。

また、攻め込まれて局面デュエルに入ったとしても、その内実の差も大きい。

そう、前述した、フィジカルやテクニックの「微妙な差」が、ここでは、より大きなグラウンド上の「差」となって、より明確に表面化するっちゅうことだね。

とはいっても・・

スペース攻略という視点でアナライズする「攻撃」については・・

前述したように、ボールのないところでの人の動きの量と質に大きな差があることで・・

組織コンビネーションの内実で、決定的な差になってくるっちゅうわけだ。

そう、ボールを、美しく動かせるからこその、足許パスとスペースパスの効果的なコラボレーション(!?)

でも、今日のゲームでは・・

そう、ほとんどのゴールは、クロス攻撃からだったんだよ。

それは、とても興味深いグラウンド上の現象だった。

要は・・

「ワンツースリー・・」なんていう高度なコンビネーションを駆使した中央突破でも、クロス攻撃でも、ゴール機会を創りだせるということ。

そう、彼らは、どんどんと、最終勝負に「実効ある変化」までも生み出せるようになっているんだ。

もちろん、ミドル弾だって、サイドからの「アーリークロス&こぼれ球ヒット」だって、できる。

だからこそ、相手ディフェンスも、的確に、抑えのターゲットを絞り込めなくなる。

W杯予選じゃ、相手に中央ゾーンを固められて攻めあぐむ・・ってなゲームで、ヤキモキさせられたゲームは多かった。

それが・・

そう、あれほどの「仕掛けの変化」を効果的にブチかませるようになっているコトは、とても実利のある「進化&深化」って言えるんだよ。

ということで、何か、まとまりがないけれど・・

言いたいことのまとめ・・

・・森保一ジャパンは、集まれば、すぐにでも、共通の「チーム戦術ピクチャー」を描きながら、高度な組織サッカーを、高い実効レベルで表現できるまでに成長している・・

・・そして「それ」を基盤にスペースを攻略し、そこから繰り出す「個の勝負プレー」も、これまた、とても高い実効レベルでブチかませるようになっている・・

・・そして、これが特筆だったわけだけれど・・

・・彼らは、その最終勝負プロセスに、前述したように、様々な「変化」を加味できるまで進化しているんだ・・

とにかく、プロコーチ森保一さんは、関塚隆技術委員長と田嶋幸三会長の(そして彼らを支える優秀な技術スタッフたちの!)サポートに支えられ、とても、とても優れた仕事をパフォームしつづけてくれている。

同業者として、心からレスペクトするとともに、日本のサッカー人として、心からの感謝も表する筆者なのであ〜る。

ガンバレ〜ッ!!・・森保一〜〜っ!!!

あっと・・

最後に、選手個々についても、簡単に・・

まず、遠藤航。

久しぶりの先発だったこともあって(!?)、最初の頃は、とても注意深く、セキュアな(安全・安定志向の!?)プレーに終始していた。

でも、時間の経過とともに、ボール奪取(守備プロセス)だけじゃなく、攻撃でも、どんどんペース
アップしていったよね。

目立たないけれど、彼がブチかましたチェイス&チェックによって、(それをベースに!)何度日本が、次のチャンス構築プロセスを効果的に演出できたことか。

そして最後は、鎌田大地のヘディングゴールにつながった「低く抑えたミドル弾」に、彼のパフォーマンスアップの内実が集約されていたように感じた。

もちろん、絶対ゲームメイカーである柴崎岳の「パートナー・ライバル」である橋本拳人も、素晴らしいプレーをつづけているわけで、この二人の切磋琢磨にも期待が高まる。

長友佑都。

カタールWMを、35歳で迎えることになるのか!?

でも、彼の、日々のストイックな精進を考えれば(もちろん報道ベースの知識にしか過ぎないけれど・・ネ)、そんな心配なんて、吹っ飛んじゃうよね。

年齢的な(高みで安定したパフォーマンスという!)視点じゃ、吉田麻也にも、まったく不安はない。

右サイドバック・・

もちろん酒井宏樹がファーストチョイスだろうけれど、そこには、安西幸輝っちゅう、実のあるコンテンダーも出現している。

コンテンダーといえば、前線カルテットのライバル争いからも、目が離せないよね。

今回は、大迫勇也がいなかったわけだけれど、そのカルテット候補は、中島翔哉、南野拓実、伊東純也、永井謙佑、そして今日は出番がなかった、言わずと知れた堂安律と久保建英。

また、浅野拓磨や鎌田大地もいる。

とにかく、期待が高まりつづけるじゃありませんか・・へへっ・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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