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2019_U17WM・・またまた(!?)、とても悔しい敗戦という結果に終わってしまった・・(日本vsメキシコ、0-2)・・(2019年11月7日、木曜日)

あ〜あ・・やられてしまった。

そうなんだよ。自分たちの強みを「活かし切る」メキシコの狡猾さに「やられてしまった・・」っちゅうイメージが強く残ったんだ。

たしかにメキシコは、「試合巧者」という意味合いで、勝負所に集中できていた。

もちろん、そんな印象の主たるバックボーンは、守備の内実。

前半は、森山佳郎ジャパンが誇るツートップ、若月大和と西川潤だけじゃなく、そこへの、良いカタチでのボールの供給までも、とても巧みに抑制していたんだ。

そんな前半の、森山佳郎ジャパンのゲーム戦術イメージ・・

たぶん・・

「前半は、堅牢な守備ブロックによる落ち着いたゲーム運びからワンチャンスを狙っていこう・・」なんていうイメージだったんだろうね。

だから攻撃への人数の掛け方(サポートの動き)とか、仕掛けのタテパスといった(ワンチャンスの!?)チャレンジが、メキシコ守備の狡猾さもあって、うまく噛み合わなかった。

また森山佳郎ジャパンは、守備でも、何度か、決定的なタテへのスルーパスやラストパスを通され、そこから明白な「ゴール機会」までも創りだされてしまった(日本の大ピンチ)。

ここじゃ、「ゴール機会を創りだされた・・」というグラウンド上の現象に秘められたコノテーション(言外に含蓄される意味)が大きかったのかもしれない。

それまで、森山佳郎ジャパンの守備は、相手に、ウラを突かれるようなピンチは、ほとんどなかったんだよ。

だから、日本のディフェンス組織にとっても、メキシコのゴール機会(ウラを突かれた明白なピンチ!)は、ある意味、とてもショッキングな出来事だったかもしれないと思うのさ。

でも、後半は・・

森山佳郎監督の「語りかけ」が功を奏し(!?)、仕掛けイメージが大きく好転していった。

仕掛けからシュートへ至る「チャンスメイク・プロセス」が活性化したんだよ。

そして、「チャンスの芽」を、ホンモノのゴール機会にまで昇華させられるかも・・なんていう雰囲気がプンプン匂いはじめていた。

たぶん・・

試合後インタビューで森山佳郎さんも言っていたけれど、(後半はメキシコの運動量が少しダウンするから!?)日本がイニシアチブを握って勝負をかけられると思っていたんだろうね。

そして実際に、「そんな展開」になりかけていた・・。

中盤「2列目」のスペースを、うまく使えるようになったし(メキシコ守備の、そこへのプレスが甘くなりはじめた!?)、だから、自慢のツートップも、うまくスペースを使った個の勝負をブチかませるようになった。

よしよし・・これだ・・

そんな後半立ち上がりのゲーム展開を観ながら、そんな期待がふくらんだモノさ。

そして思っていた。

・・ホント・・前半の、「あの」絶対的ピンチに失点しなくてよかった・・

・・GKの鈴木彩艶(ざいおん)に感謝・・

・・よ〜しっ、これから森山佳郎ジャパンの真骨頂である、スーパーな組織&攻撃サッカーが世界へアピールするゾッ!!・・

・・それだけじゃなく・・

・・U20W杯(ポーランド)において、素晴らしいサッカーで「日本」を世界にアピールしてくれた影山雅永ジャパンの雪辱だ〜〜っ・・

・・なんてネ・・

・・とにかく、そこで韓国に喫した敗戦が、あまりにも悔しすぎたんだよ・・

・・あっ・・

・・もしこのゲームに勝ったら、次は、その韓国との対戦になったワケだから・・サ・・

でも、まあ、仕方ない。

とにかく、そんな「森山佳郎ジャパンの、「後半のポジティブ変容」を観ながら、こちらの期待が天井知らずってな具合に高まっていたんだよ。

でも、その矢先に、コトが起きてしまったんだ。

後半56分と、直後57分のコーナーキック。

最初は、ギリギリで防げたけれど、2本目は、やられてしまった。

この2本ともに、日本ディフェンスは、メキシコの狡猾さに屈したと言っていい。

日本ディフェンスは、とにかく、相手に、もっと身体を「寄せ」ていなきゃいけなかったところを、まさに完全にフリーにしてしまったんだよ。

そして・・

最初は、フリーでヘディングさせ(日本ディフェンダーがギリギリでクリアできた!)、ゴールを割られた2本目では、スルスルと、ファーサイドからセンターゾーンに「移動」したメキシコ選手を、完璧にフリーにしてしまった。

そして、「そこ」からダイレクトシュートを打たれ、そのこぼれ球を、日本ゴール前に詰めていたピッツットに押し込まれた。

とにかく、メキシコの、「ここぞっ!」のチャンスメイク(素晴らしい勝負イメージのシンクロ状態)に脱帽だね。

相手マークからフリーになる「最後の人の動き」と、「そこ」にピタリと合わせるキックの正確さ。

また、その17分後には、カウンターの流れから、ムニョスの「ソロ&狡猾シュート」に追加ゴールを奪われてしまった。

もちろん、後半の森山佳郎ジャパンも、素晴らしい勢いの仕掛け&チャンスメイクプロセスを魅せたけれど・・

そうそう・・

・・そんな、自信あふれるダイナミックな「仕掛けプロセス」を観ながら・・

・・この若武者たちは、実は、あんな素晴らしい攻撃サッカーをブチかませるよな・・

・・全体的なペース配分や、ゲーム展開タクティクス(ゲームプラン)など考えず、最初から、積極的に「いけば」よかったのに・・

・・たしかに、後半立ち上がりのゲーム展開を観れば、森山佳郎さんのタクティクスが「ツボ」にはまりかけていたとも言えるけれど・・

・・でも、前半に創りだされたメキシコのチャンス(日本の大ピンチ)シーンを思い返せば・・

・・戦術サッカーと解放サッカーの相克・・

・・まあ、このテーマは永遠ということなんだろうね・・

とにかく、この大会で「も」、日本サッカーが、「世界」に向けて、ポジティブにアピール出来たことだけは、確かな事実だったわけだから・・

森山佳郎さんをはじめとしたチームスタッフの方々、また選手諸君、お疲れさまでした。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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