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2020_天皇杯・・準決勝・・2試合を、簡単にまとめます・・(フロンターレvs秋田、2-0)&(ガンバvs徳島、2-0)・・(2020年12月27日、日曜日)

まず、フロンターレvs秋田。

あっと、その前に・・

NHKのカメラワーク(ズーミングワーク)・・

それが、素晴らしかったというポイントから入らせてください。

カメラマン(ディレクター!?)の方は、次のパス(ボールの動き)の可能性を探るように、テレビ画面の「構成」をマネージしてくれるんだ。

長いパスが出そうなシーンでは、ズームを「引き」、ボールが「近いゾーン」で動きそうだったら、良い加減で「寄せ」たりする。

もちろん、ズームを「寄せ」てはいるけれど・・

そこで展開される、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが、「決定的シーン」につながりそうになったら・・

スッと「引く」ことで、遠いゾーンから走り込んでくるフリーランナー「も」捉えてくれるんだ。

そう、先制ゴールシーンでの三笘薫の「動き」とかね。

勝負は、ボールがないところで決まる・・

ということで・・

そんな、ボールがないトコロでの、攻守の「せめぎ合いドラマ」も、堪能できたんだよ。

NHKの皆さん、どうもありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

さて、フロンターレvs秋田・・

このゲームでの興味は、やっぱり、秋田の集中力が、「いつまで高く保たれるか・・」っちゅうポイントに絞り込まれることになった。

たしかにゲーム立ち上がりの2分間、ブラウブリッツ秋田は、ガンガンと前からプレス守備をブチかまして攻め上がっていった。

・・さて、どこまで、コレをつづけられるか・・

そんな積極的&攻撃的サッカーを観ながら、そんなコトを考えていたモノさ。

そして・・

そう、フロンターレの高質コンビネーションを前に、やっぱり長くはつづけられなかった。

要は、協力プレスをブチかまそうにも、スッ、スッってな感じで、ボールを動かされてしまうんだよ。

そして、例によっての、美しい、人とボールの動きの「リズム」に翻弄されはじめるんだ。

サッカーにとって大事な、五つの要素。

フィジカル、テクニカル、タクティカル、サイコロジカル、そしてアンロジカル(要はツキのことね)。

秋田は・・

テクニカル、タクティカルの「差」を、フィジカル&サイコロジカル、そしてアンロジカルで埋め合わせ、ゲームを、エキサイティングな勝負マッチへと成長させたんだよ。

ということで・・

そんな、吉田謙監督率いるブラウブリッツ秋田に、心からの拍手をおくっていた筆者でした。

でも・・

そう、とても微妙な、最終勝負プロセスでの、ボールがないところの「イメージングのせめぎ合い」で、やっぱり「差」が出た。

例えば、三笘薫の先制ゴールシーン。

テレビ解説の森岡隆三も指摘していたけれど・・

ダミアンからのパスを受けた大島僚太・・

彼が、ボールをコントロールする「直前のタイミング」で、三笘薫は、スタートを切っていたんだ。

もちろん、大島僚太と三笘薫は、瞬間的に「アイコンタクト」を交わしたんだろうね。

また・・

その瞬間における、秋田ブロックのマーキングも、ズレていた。

そんなトコロに、集中力の微妙な「途切れ」が、現出するもんなんだよ。

また、その前には・・

家長昭博のフリーランニング&フリーボレーシュートのシーンでも、やっぱり、秋田のマーキング集中切れが起きていた。

でも・・

そう、全体的には、秋田ディフェンスが、そんな「集中切れ」を起こすことはなかったんだ。

でも、ほんとに希に、「それ」が発生したことも事実だった。

そして、サスガにフロンターレは、「それ」を見逃さずに、シュートチャンスにつなげてしまう。

それもまた、「王者の王者たる所以」っちゅうことだね。

ということで、ここで一言・・

やっぱりサッカーでは、イメージングの内実を「磨く」コトこそが大事というポイント。

だから・・

そう、いつも書いているように、巧みに編集されたビデオによる「イメージ・トレーニング」は、とても効果的なんだよ。

たとえば、あの「クライフ・ターン」。

私も含めてだけれど、ビデオがすり切れるほど、そのシーンを観つづけることで、実際にできるようになったりするんだ。

もちろん、攻守にわたる、ボールがないところでの「勝負プレー」についても、そのイメージ構築(浸透&実現)メカニズムは、まったく同じ。

あっと・・脱線・・

ということで最後に、家長昭博についても、簡単に・・

中村俊輔と同様に、彼もまた、日本サッカーの歴史に残る、攻守ハードワークへの「意識と意志」を持ちあわせている「大天才」だよね。

彼らは、攻守ハードワークを、主体的に探しまくれる素晴らしいパーソナリティーの持ち主なんだ。

いつも書いているように・・

才能レベルが高ければ高いほど、攻守ハードワークへ、より積極的に取り組むようコーチングしなきゃいけないんだよ。

もちろん、日本サッカーのためにね・・

ということで、あと10分で、ガンバvs徳島がスタートします。

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さて、ということで、ガンバvs徳島。

とにかく、徳島監督リカルド・ロドリゲスは、素晴らしい仕事をしている。

いつも書いているように、リスクチャレンジ豊富な、積極的&攻撃的サッカーを、「美しい質実剛健サッカー」へと進化&深化させていく作業は、簡単じゃないんだ。

「そのタイプのサッカー」で結果を残すのは、とても難しいからね。

そんなチーム作りの途中で、勝ち点ゲットに四苦八苦しているうちに、理解のないクラブマネージメントと衝突したりする・・!?

リカルドは、そんな難しい作業にトライしつづけ、徳島ポルティス監督四年目にして、「J1」への昇格を果たしたんだ。

彼については、昨シーズンの、ベルマーレとの「入れ替え戦コラム」も、ご参照あれ。

もちろん今シーズンの「J2」でも、永井秀樹ヴェルディを追い掛けるなかで、何度も、リカルドの良い仕事を体感させられたよ。

特に・・

選手たちが、限りなく「主体的」に、攻守ハードワークとリスクチャレンジを「探しまくっている」って感じさせられるトコロとかね。

そう、彼らは、とても「解放されたマインド」で、自由に、喜びをもってサッカーの進化に取り組んでいるって感じるのさ。

いつも書いているように、選手たちを、チーム戦術(アイデア)の「カタチ」にはめ込むようなチーム作りは、サッカーが秘める、本質的な「魅力」に逆行するって思うんだよ。

もちろん、観る方だけじゃなく、楽しみ、喜びといった視点で、選手たちにとっても・・ネ。

とにかく・・

現場、アドミニストレーションも含めて、選手たちのマインドを「解放」しなければ、決してサッカーの発展なんて望めないんだよ。

そう、攻守ハードワークとリスクチャレンジへの(主体的な!)意識と意志を高められず、チーム(個人)を、進化&深化ベクトルに乗せるコトなんて、叶いっこないんだ。

そうそう・・

そんな優れた「ストロングハンド」、リカルド・ロドリゲスが、来シーズンから、レッズを率いることになったんだそうな。

ものすごく楽しみだね。ホントに・・

さて、ということでガンバ・・

例によって、勝負強いサッカーを、立派にやり切った。

彼らについては、それくらいかな。

ということで、「J1」同士の対峙というコトになった天皇杯決勝。

そこでの、解放サッカーと戦術サッカーのぶつかり合いを、お互い、とことん、楽しみましょう。


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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