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2021_U24 (オリンピック)・・チカラのある南アが、ブロック守備を強化する・・そんな厳しいゲームで粘り勝ちを収めた森保一ジャパン・・これは、大会を通したホン モノの進化&深化が期待できる・・(U24日本vs南ア、1-0)・・(2021年7月22日、木曜日)

ホント、こんなに疲れる勝負マッチは、久しぶりだ。

それだけ、(私の)森保一ジャパンに対する「思い入れ」が強いっちゅうことだね。

その、フラストレーションの背景だけれど・・

まず何といっても・・

全体的なサッカー内容で南アを凌駕し、何度もスペースを攻略してはいるけれど、それに見合った「ゴール機会」を演出できなかったコト。

その、南アの守備ブロック・・

彼らは、厚い(人数をかけている)コトもそうだけれど、選手たち自身も、次、その次のスペースまで、しっかりとイメージ出来ているって感じる。

そして、そんなレベルの高い戦術イメージングをベースに、決定的ピンチでも、「最後の半歩」を効果的にブチかますだけの「意志のチカラ」も持ちあわせている。

彼らは、高い個人能力(フィジカル、スキル、戦術イメージングなど)だけじゃなく、組織的に連動するボール奪取プロセスも、しっかりと機能させられていた。

要は・・

そんな、個の能力と攻守イメージングが充実した強いチームが、守備ブロックを堅牢に固めるのだから、そりゃ、攻略するのは簡単じゃないっちゅうことなんだよ。

それでも・・

森保一ジャパンは、チャンスを創りだす「流れ」は演出した。

そのプロセスで、もっとも重要なツールだったのが・・

そう、言わずもがなの「ダイレクトパス」。

こんなシーンがあった。

そうそう、このシーンについては、エネーチケー解説の森岡隆三もピックしていたよね。

それは・・

・・ボールが、森保一ジャパンの最前線から戻される・・

・・そんな、ゆっくりと転がるボールに、南ア選手たちの視線と意識が「吸い寄せ」られた・・

・・そして・・

・・その緩いバックパスに最初にタッチした田中碧が・・

・・まさに「ズバッ!!」ってな音が聞こえてきそうなほど強烈なダイレクトパスを、フリーだった堂安律(もしかしたら久保建英だったかも)へ送り込んだんだ・・

・・「あの」田中碧が、そんなタテパスのチャンスを逃すはずがない・・

・・それは、決定的チャンスの(そうなるはずの!)エキサイティングシーンだった・・

・・でも、そのダイレクトパスが、少しズレてしまった・・

・・まあ、タラレバだけれど・・

・・もし「それ」が通っていたら、完璧な「ゴール機会」になったはず・・

言いたいコトは・・

このゲームでも、何度も体感させてもらったけれど・・

ワンツーを積み重ねる(!)ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションほど、スペースを攻略するための効果的ツールはないという事実。

特に、「組織」に長けた森保一ジャパンにとって・・ね。

そして、もちろん・・

そんな組織コンビネーションが機能しているからこそ、個の才能連中が、ある程度フリーで(スペースで!)ボールを持てるわけだ。

そして、だからこそ、「より」効果的に、個の突破ドリブルもブチかましていける。

それこそが、「組織と個のナイス・コラボレーション」っちゅうわけだ。

どうなんだろうね・・

森保一ジャパンの「仕掛けプロセス」は、うまく機能していたのか・・

それとも、(大きな課題が残るほど!?)抑え込まれていたのか・・

私は、彼らが創り出した「ゴール機会の量と質」をベースに、こう考える(ゴール機会という視点で、前述の内容と矛盾しているかも・・へへっ)。

彼らが魅せつづけた、組織と個がうまくコラボレートした仕掛けプロセスは、高い実効レベルを発揮していた・・ってね。

もっとも難しい「大会の初戦」で、「粘り勝ち」を収めた森保一ジャパン。

ここから、オリンピックを(決勝までの紆余曲折を!?)通して、「世界トップとの最後の僅差」を霧散させて欲しいって、心から願っている筆者なのであ〜る。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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