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2021_U24(オリンピック)・・このゲームでの森保一ジャパンからは、世界トップとの最後の僅差を構成するコノテーション(言外に含蓄される意味)の本質まで見えてきたような・・(U24日本vsメヒコ、2-1)・・(2021年7月25日、日曜日)

このゲームでは、一つのテーマに集約してコラムを書くのがいいかもネ。

それは・・

そう、抜群の実効レベルを魅せつづけたボール奪取プロセス(守備)。

そう考えた背景だけれど・・

「あの」強いメキシコを相手に、とても早いタイミングで(前半6分と11分)、森保一ジャパンが2点もリードを奪っちゃったコト「も」あったよね。

1点目は・・

素晴らしいコンビネーション&ドリブルから、決定的スペースと、そこに走り込む久保建英が明確に「イメージ」できていた堂安律からの、スーパーなラストクロスが決まった。

2点目は・・

相馬勇紀の、勇気あふれるドリブルが要因のファール&PKを、(これまた!)堂安律が、ドカンッってな感じで、ゴール中央の「天井」にブチ込んだ。

そんな、日本の2点リードという「ゲーム展開」になってしまったし・・

相手が強いメキシコということから・・

日本が展開する、ボール奪取プロセス(守備)に焦点を当てようと思ったわけさ。

とはいっても・・

森保一ジャパンが、リトリートしてブロック守備を固めるなんてコトをするはずがない。

彼らは、攻撃的にボールを奪い返し、積極的に仕掛けていったんだよ。

そんなボール奪取プロセス(守備)を展開したからこそ、メキシコの攻めの流れを、いかに抑制しながらボールを奪い返したのか・・ってなテーマが面白いわけさ。

何せ、メキシコは、まず追い付こうと、積極的に攻め上がってくるわけだからね。

そんな、積極的に仕掛け上がる「強い相手」に対し、我らが森保一ジャパンが、どのような効果的サッカーを展開するのか・・っていう純粋な興味っちゅうわけだ。

そして・・

そう、彼らは、まさに、日本サッカー人にとってのアイデンティティ(誇りのリソース!)にもなり得る、立派なサッカーを展開したんだ。

まず何といっても・・

皆さんもご覧になったとおり、メキシコは、まったくといっていいほど、流れのなかからスペースを攻略できなかったという事実がある。

もちろん、それは、流れのなかから、ゴール機会(チャンス)を創りだせなかったという意味だよ。

ビースト林大地や堂安律、相馬勇紀だけじゃなく、「あの」久保建英も、忠実に、そして「本気」で、チェイス&チェックやカバーリングに奔走する。

遠藤航と田中碧のダブルボランチの、攻守にわたる「スーパー実効レベル」のハードワークについちゃ語るまでもない。

そして、これまたスーパーパフォーマンスの最終ライン。

要は、森保一ジャパンが、様々な意味を内包する、連動する組織ディフェンスを、まさに理想的に機能させつづけたっちゅうことだね。

素早い攻守の切り替え、チェイス&チェックやカバーリング、忠実マーキング、協力プレスへの集散、ピンチでの「最後の半歩」等など・・

そんなボール奪取プロセス要素が、とても素敵に「連動」しまくったっちゅうわけだ。

なかでも、局面でのデュエルの内実・・

それが、ホントに素晴らしかった。

メキシコの「巧さや強さ」は、もちろんホンモノさ。

でも、我らが森保一ジャパンは、局面デュエル勝負で、まったく負けていない。

そして、素晴らしい実効レベルの「競り合い」をブチかましつづけたんだ。

もちろん、メキシコの、素早く「老練」な、人とボールの動き(組織コンビネーション)にしても、とても高い「効果レベル」で、その「動きのリンク」を断ち切ってしまう。

ストロングハンド、森保一による、優れた「イメージトレーニング」の賜物!?

そんなだから、メキシコも、(一日の長がある!)個の才能に「頼る」ようになっていった。

そうなったら、彼ら本来の、ボールがないところでのサポートの動きの量と質が「減退」することで、仕掛けの「危険度」が地に落ちるのも道理。

いや、ホント・・

このゲームでの森保一ジャパンは、「ホンモノの強さ」を感じさせてくれた。

世界トップとの最後の僅差・・

この試合じゃ、それを構成するコノテーション(言外に含蓄される意味)までも見えてきたような感じにさせてもらった。

至極の時間ではあった。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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