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2022_WM_11・・ ゲーム内容の、めまぐるしい「変容」だけじゃなく、両チームの「意識と意志とイメージング」が、激しくぶつかり合う、スーパーな動的均衡マッチだった・・ そして、このグループ「E」の結末が、闇のなかってなコトに・・(スペインvsドイツ、1-1)・・(2022年11月28日、月曜日)

「あの」ドイツが、翻弄されている。

そう、スペイン・・

その強さの源泉だけれど、第一義的には、もちろん、忠実でダイナミックな、ボール奪取プロセス(守備)にあることは言うまでもないけれど・・

それ以上に、局面での「ボール扱いの巧みさ」で、ドイツの上をいっているっちゅうことか。

要は、「人とボールの動き」のレベルが、一枚上手ということだ。

その「動き」が、素早く、正確で巧みだから、ドイツも、そう簡単には、ボールを奪えない。

その、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)だけれど・・

そこでスペインは、スペースを、とても巧妙に活用できているっちゅう視点もある。

そう、彼らは、自分がパスを受ける前の段階で、「誰がフリーか・・」、「どこにスペースがあり、味方の誰がそこを狙っているか・・」ってなイメージング構築に長けているんだよ。

やっぱり彼らの真骨頂は、「パス・サッカー」だよね。

とはいっても、ドイツも・・

時間の経過とともに、「ボールまわり」でのプレーの仕方(感性)に、落ち着きがみえはじめるんだ。

守備では、安易にアタックを仕掛けたり、間合いを「詰めすぎたり」せず、落ち着いて対処できるようになってきた。

そして、そのことで、冒頭で表現したような、人とボールの動きでスペインに「翻弄される」ような雰囲気は、どんどん解消していった。

またスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、ドイツ本来の、シンプルで素早い(!)人とボールの動きを演出できるようになっていく。

そう、チームのなかで、「こうやるっ!!」ってな、感性が、しっかりとシェアされはじめたんだ。

これは、ものすごく面白く、奥の深いゲームになる・・

そんなコトを感じていた、前半の20分だった。

そしてゲームが・・

動的に均衡するってな、エキサイティングな勝負マッチへとレベルアップしていくんだよ。

その後半・・

前半は、スペインの「前からプレス」に、少しやられ気味だったドイツ・・

それが、今度は逆に、より積極的に、前から(!!)ボール奪取プロセス(守備)をブチかましていくんだよ。

ドイツ監督、ハンジ・フリックによる「ゲーム戦術的&心理・精神的なイメージング変更」・・

面白いネ〜、興味深いね〜〜・・

やっぱりサッカーは、究極の「心理ゲーム」なんだよ。

だからこそ、物理的、心理・精神的な攻守イメージングを、チーム内で、しっかりと「共有」できるかどうかが雌雄を分けるっちゅうわけさ。

そしてゲームが、俄然、熱を帯びていく。

そんななかで、スペインが、先制ゴールを決めちゃうんだ。

左サイドを駆け上がったジョルディ・アルバへ、スムーズにボールを動かすスペイン・・

そこが勝負の瞬間だった・・

アルバロ・モラータが、ドイツのマーカーの背後から(!!)、その「眼前スペース」のニアポストゾーンへ、爆発ダッシュで抜け出したんだ。

そこへ、ボールホルダーのジョルディ・アルバから、測ったようなラストパスが送り込まれる・・

そして、最後は、アルバロ・モラータが、「チョンッ!!」ってなタッチで、ドイツのスーパーGK、ノイヤーの指先をかすめるシュートを放ったというわけだ・・

まさに、ワザありの先制ゴールではあった。

でも、そこから、ドイツの、例によって「大迫力」の反攻がブチかまされつづけるっちゅうわけだ。

わたしは、そんな、ドイツの「溜められたエネルギーの爆発」を、もう40年来、体感しつづけている。

そう、それだ、それっ!!・・

まだまだ、いけるゾッ!!・・

・・なんて、ドイツをサポートする、情念に似た感性に包まれていたものさ。

そして、そんなドイツの反攻が、結実する。

まず後半28分・・

タテへ抜け出し、スルーパスを受けたムシアラが、フリーシュートをブチかます。

でも、それは、スペインの(これまた!)スーパーGKウナイ・シモンが、身体に当てて防ぐ。

ところで、後半のドイツ・・

何度、こんな決定的ゴール機会を創りだしたことか。

そして、後半38分、コトが起きる。

勇気をもったタテパスが、センター最前線のムシアラに、入る。

そのパスを、軽快にトラップしたボールが、同時に、決定的ゾーンに入り込んでいたフュルクルクの足許へ転がっていくんだ。

そして放たれた、まさに「キャノン」ってな、豪快なシュート。

同点ゴ〜〜〜ルっ!!!

そんな、こんなで、とにかく・・

ゲーム内容の、めまぐるしい「変容」だけじゃなく、両チームの「意識と意志とイメージング」が、ギリギリまでぶつかり合う、スーパーな動的均衡マッチだったんだ。

堪能した・・

さて、これで・・

そう、予選グループ「E」が、混沌としてきた。

もちろんスペインが、勝ち点「4」でトップ。

また、得失点差でも、大きくリードしている。

でも・・

そう、最後は、フッ切れた闘いをブチかますであろう、森保一ジャパンが相手だから、ゲームが、どう転ぶかなんて、誰にも分からない。

もし、そこで負けたら・・

森保一ジャパンが、トップ当選を果たすだけじゃなく・・

コスタリカに、大量点を奪って勝利するかもしれない(少なくても可能性を残した!!)ドイツが二位通過するかもしれないわけだ。

そうなれば、「あの」スペインが、予選リーグ「落ち」ってな悲劇に見舞われてしまう。

とにかく、結末なんて、誰にも分からない。

もちろん、サッカーの神様は、知っているだろうけど・・さ・・へへっ・・

これで、最終戦をコスタリカと戦うドイツは、予選を突破できる可能性が大きくなった。

もちろん、コスタリカにも、可能性は、残っている。

要は・・

「E」グループの全チームが、リーグ最終戦に、これ以上ないほどの集中力と「闘う意志」で臨むっちゅうことなんだ。

とにかく、すごいことになった。

あっと・・

その意味じゃ、ほかのグループも、五十歩百歩じゃ、ありませんか。

こんなにエキサイティングな、リーグ最終日は、これまでのW杯の歴史上、あまりなかったよね。

これもまた、サッカーの国際化が大きく進行したことで、その世界地図(サッカー内容)が、高次に平準していることの証左ということか。

とにかく、皆さんも、最終日を、とことん、楽しみましょう。

フ〜〜ッ!!


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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