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2022_WM_16・・グループHとGの最終日・・そこでも、「国」を背負っているからこそのエキサイティング勝負マッチが展開された・・(2022年12月3日、土曜日)

■グループH・・唐突なドラマは、最後の最後にやってきた・・

「ア゛〜ッ!!・・このままだと、総得点で、韓国が、決勝トーナメントへ行くことになってしまう〜っ!!」

この試合を担当されたアベマ・アナウンサーの方が、そんな、叫びに近い実況をつづけていた。

ベンチでは、交替して下がった「あの」スアレスが、既に、涙目になっている。

そして、実際に・・

わたしは、アベマの独占中継だったグループH最終日、ガーナ対ウルグアイ、韓国vsポルトガルの両方を、画面を切り替えながら観戦していた。

前半、ガーナ対ウルグアイの「ロスタイム」が10分ほどもあったことで、後半40分に差しかかろうとしていたとき、もう一つの韓国vsポルトガルは、すでに後半ロスタイムに入っていた。

そして、コト(神様スクリプトのドラマ!?)が起きたんだ。

そこまでの、ウルグアイ・・

前半のガーナPKを、ウルグアイGKセルヒオ・ロシェが、スーパーセーブで防ぎ、アグレッシブ&スマートな組織サッカーで、イニシアチブを掌握し、2点のリードを築く。

でもその後は、ガーナの大迫力スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に苦しむんだ。

GKセルヒオ・ロシェの、抜群のゴールキーピングがなければ、「0-2」のリードを保てなかったかもしれない。

でも全体的な勝負の流れとしては、ウルグアイが、「0-2」の勝利を確実なモノにしていた。

そんななか、もう一方の、韓国vsポルトガル・・

前半は、「全体的な流れ」的にも、ゴール機会の量と質という視点でも、ポルトガルが優勢を保つ。

でも、後半になって、俄然、韓国が、例によっての「意識と意志の爆発」で、ガンガン攻め上がり、ゴール機会を創りだすんだ。

とはいっても、そこは試合巧者のポルトガル。

それは、「ヤツらは、このまま(1-1)、巧妙にゲームを終わらせてしまうんだろうナ〜〜」なんて、誰もが感じてしまうようなゲーム展開だったんだ。

それが・・

そう、後半ロスタイムに入ったところで、コトが起きる。

韓国のスーパーストライカー、ソン・フンミンが、自陣から、タテへの超速ドリブルで、ポルトガル陣内へ攻め込んでいく。

対するポルトガルのディフェンダーは、3人。

そのとき、「ボールのないところ」で、もう一つの、激烈なせめぎ合いが火を噴いていた。

そう、ゴールを決めた、ファン・ヒチャンが、まさに「爆発」ってな表現がふさわしい全力スプリントで、決定的フリーランニングをブチかましていたんだ。

ポルトガルのマーカーも、必死に、食らいついている。

そして最後は・・

3人のポルトガル選手たちの視線とアクションを「フリーズ」させながら・・

全力で「走り抜ける」、ファン・ヒチャンの「眼前スペース」へ、夢のようなスルーパスを決めちゃうんだよ。

そしてファン・ヒチャンが、その決定的スルーパスを、ダイレクトで、ポルトガルゴールに「パス」を決めたっちゅう次第。

それは、まさに、神様スクリプトのドラマ以外の何ものでもなかった。

アッ、スミマセン・・

もちろん、韓国のスーパーストライカー、ソン・フンミンの天才が為せるワザでもあったよね。

そして・・

そう、その次の瞬間から、その「決定的事実」を知った、別会場のウルグアイが、急激なペースアップで、「3点目」をブチ込みにいくんだ。

その迫力たるや・・

まさに、神がかりの爆発エネルギーだった。

でも・・

結局、それも叶わず、ウルグアイがグループ敗退し、代わって韓国が、決勝トーナメントへ進出するってな、血湧き肉躍る「どんでん返しのドラマ」が完結した。

ベンチで涙を流すスアレス。

それは、ワールドカップの、ワールドカップであるからこその、歴史に残るドラマではあった。

フ〜〜ッ・・

■グループG、セルビア対スイス(2-3)、カメルーン対ブラジル(1-0)・・

このグループでは、「H」のような神様ドラマは起きなかった。

そう、予選リーグ最終日には常に起きる「いつものドラマ」は、静的に(!?)流れていったんだ。

それは、こんな感じだったですかね・・

ともに決勝トーナメントへのチャンスを有するセルビアとスイスの激突・・

彼らは、死力を尽くしたギリギリの闘いを展開したけれど、最後は、スイスの「粘り勝ち」ってな結末に落ち着いた。

そこでは、まず・・

勝つしかないスイスが、前半20分に、ジェルダン・シャキリが、横パスを、ダイレクトでぶっ叩いて先制ゴールを奪ってしまうんだ。

それは、シャキリのイメージどおり(!?)に、ブロックしようとするセルビア選手の「股を抜いて」ブチ込んだ、スーパーなミドル弾だった。

このままいけば、スイスが決勝トーナメントへ進出してしまう・・

それに対し、ピクシーが率いる「強い」セルビアは、大迫力の「反攻」をブチかます・・

彼らは、26分、35分と、立てつづけに逆転ゴールまで、ブチかましちゃうんだ。

この二つの、同点&逆転ゴールを挙げたセルビアは、ラストパス&クロスによる、まさにピンポイントの最終勝負を魅せた。

そう、ピクシーのイメージどおりに・・ネ。

でも、粘りのスイスは、前半の終了間際に、右サイドから逆サイドへ送り込む、まさにピンポイントの、グラウンダーのラストクロス(ゴールラインに平行なトラバースパス!)を決めるんだ。

これで、前半は、同点で終了。

そして後半・・

その立ち上がり3分、スイスが、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションで、勝ち越し(決勝)ゴールを奪っちゃう。

その後は、たがいに惜しいチャンスは創りだすものの、結局は、「落ち着いたゲーム展開」にもちこんだスイスの「粘勝」っちゅうことになった。

もう一つの勝負マッチ、カメルーン対ブラジルだけれど・・

決勝トーナメント進出を既に決めたことでメンバーを大幅に入れ替えたブラジルは、例によっての「スキルフルなサッカー」でイニシアチブを掌握し、何度も、ゴール機会を創りだす。

でも、そのゴール機会を「完結」させられない。

対する、持ち前のスピードとパワーを前面に押し出す、勝つしかないカメルーンは、どんどん勢いを増幅させていく。

そして、何度か、後半の立ち上がり時間帯に、ゴール機会の「流れ」を創りだすんだ。

でも、そこは、メンバーを落としたとはいえ、王国のブラジル。

ゲームの流れを掌握し、逆に、何度も、ゴール機会を創りだしちゃう。

そんな、エキサイティングな勝負プロセスのなか、どんどん時間が過ぎていくんだよ。

そして・・

まあ、このまま引き分けだな・・

・・なんて、例によって安易に考えはじめたとき、コトが起きてしまうんだ。

後半ロスタイム・・

右サイドからの、まさにピンポイントの必殺クロスが、走り込んでいたヴァンサン・アブバカルのアタマにピタリと合っちゃうんだよ。

そして、放たれたヘディングシュートは、見事にブラジルGKの逆をとった。

まあ確かに、タイムアップ30秒前には、ブラジルが、最後のゴール機会を創りだしたけれどモノにできず、結局そのままタイムアップ。

このゲームもまた、ある意味で、とてもエキサイティングな勝負マッチではあった。

そう、ワールドカップじゃ、それぞれが、「国」を背負っているわけだから・・ね。

さて、決勝トーナメントが、はじまる。


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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