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2023_U22_親善・・前半と後半の「内容ギャップ」にこそ、深いコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されていた・・負けたからこそ、勝負感性を積める貴重な学習機会ではあった・・(日本vsベルギー、2-3)・・(2023年3月28日、火曜日)

フ〜〜ッ!!

ベルギーにブチ込まれた3点とも、完璧な「ショートカウンター」だった。

それには、深いバックボーン要素が、ありそうだ。

それにしても・・

エネチケー解説を担当した、福西崇史。

内容が、秀逸だった。

とにかく、よく考え、サッカーの深いトコロを、しっかりと自分のモノにしている。

まあ、早稲田大学の大学院を、サッカーの「深み」を卒論テーマに卒業したコトだけでも、その「深さ」が分かろうと言うモノだね。

その彼が、前半の、ベルギーに「やられまくった」ゲームを観ながら、こんな分析をしていた。

・・とにかく「寄せ」が甘い(マーキングが甘い!?)・・

・・だから、協力プレスが効かないし、局面デュエルでも勝てなくなっちゃう・・

・・中盤が、「前」で勝負しているのに、後方の最終ラインが「待ち」の姿勢・・

・・それじゃ、その間のスペースを突かれるのも当たり前(まさに、ソレで2失点!!)・・

わたしは、そんな福西崇史の解説を聞きながら思っていた。

・・そう、その通り・・

・・ボール奪取プロセス(守備)アクションが、うまく「シンクロ」していない・・

・・だからスペースを攻略されちゃう(フリーなボールホルダーを創られちゃう!)・・

・・だから、タテへの仕掛けパスを、狙われてボールを失い、そこからのタテパスで、ショートカウンターをブチかまされちゃう・・

・・などなど・・

また、やっぱり、(これは私の表現だけれど・・)最後の半歩が、甘い。

最後の半歩・・

もう何度も書いたけれど、それは、決定的パス&クロス、シュートをブロックするコトだけじゃない。

そうではなく、ボール奪取プロセス(守備)において、常に、次、その次をイメージングすること。

そう、予測(予想)・・

また、その「イメージング内容」を、チームメイトと、うまく「シェア」できること。

イメージングの「シンクロ状態」を高揚させる・・っちゅうことかな。

でも、そんなジリ貧の前半サッカーに比べ・・

そう、後半の若武者たちは、前半のネガティブ要素を、完璧に払拭したんだよ。

そこでは、たぶん・・

前半32分に、右サイドバックの中村拓海を、内野貴史と交代させるってな、強烈な「刺激」もあったんだろうし、ハーフタイムでの大岩剛の「檄」が効いたコトもあったんでしょ。

そして後半、若武者たちの「闘う意志」が、何倍にも高まった。

もちろん、二点をリードしていたベルギー若手代表の「意志」が、少しダウンしたコトもあった。

私は、後半の大岩剛ジャパンの「闘いっぷり」は、確実に、次につながるって感じていた。

そこじゃ・・

ボール奪取プロセス(守備)の取っ掛かりである、「寄せ」の勢いが倍増したっちゅう事実の背景コンセプトを、しっかりと理解しなきゃいけない。

そう、若武者の一人ひとりが、例外なく、次のハードワークを「探しまくる」ってな、素晴らしい「主体性プレー」を魅せつづけたんだよ。

だからこそ・・

そう、すぺての「局面デュエル」で、無様に「負ける」ことがなくなった。

前半では、「それ」がダメだったからこそ、チーム全体の「闘う意志のポテンシャル」も、どんどん落ち込んでいったんだよ。

サッカーは、究極の「心理ゲーム」。

だからこそ、主体性プレーを絶対ベースにした相互信頼が、ものすごく重要なんだ。

わたしは、ネガティブな「心理ヴィールス」って呼ぶけれど・・

一人でも、ホントに一人でも、「寄せ」に、「闘う意志」が感じられなかったら、そのネガティブ・ヴィールスが、すぐに、チーム全体に波及しちゃうんだ。

もちろん、ゲーム全体で、常に「前からプレス」をブチかませ・・って言っているわけじゃない。

このところのコラムで、いつも強調しているように、「行くトコロ」と「待つトコロ」のメリハリが大事なんだよ。

そして、その「メリハリ感性」を、チーム全体が「シェアしている」コトも・・ね。

とにかく、後半の若武者たちは・・

そんな「闘う心理チェーン」がつながったわけだから、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に勢いが乗っていくのも道理。

そう、ソコでモノを言うのが、ボールがないところでのアクションの量と質。

その内実(フリーランニングの中身!)が、人とボールの動きを「加速」させる。

そして、スペースを攻略してからの個の勝負にも、勢いが乗っていく。

勝負ドリブル、タメ、そして勝負パスやシュート・・等など。

特に・・

そう、藤田チマが中心になった、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが秀逸だった。

何度、その「プロセス」で、フリーなボールホルダーを創りだした(スペース攻略!)ことか。

でも、勝負では・・

たしかに、最後は、「例の」ショートカウンターで決勝ゴールをブチ込まれちゃったけれど・・

それでも、内容的には、とても価値のある「学習機会」だったという事実は、消えない。

大岩剛だけじゃなく、選手諸君も、この「悔しい体感」を、心に刻み、次、その次に、活かしていきましょう。


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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