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2025_ACLEの2・・ミヒャエル広島サンフレッチェは、相変わらず、高質なサッカーを魅せつづけている・・だからこそ最終勝負シーンでの「拙攻イメージング」が残念で仕方ない・・(ウルサンvsサンフレッチェ、1-0 )・・(2025年10月21日、火曜日)

素晴らしかったネ〜、ミヒャエル広島サンフレッチェ・・

「あの」強いウルサンと対峙し、攻守にわたって、一日「以上」の長を感じさせてくれた。

ボール奪取プロセス(守備)では、何といっても、局面デュエルで、明らかに互角以上。

そこでの忠実なマーキング&カバーリングによって、より効果的に「先読み」が出来るからこそ、「より有利なカタチのデュエル」に持ち込めていた。

その集中力が、素晴らしい。

そして、忠実&クリエイティブな、チェイス&チェック(寄せ)から、相手の「次、その次のボールの動き」を予測し、効果的に相手攻撃を潰しつづける。

まあ、その高い効果レベルもまた、忠実&クリエイティブなチェイス&チェック(寄せ)やマーキング&カバーリングがあればこそっちゅうわけだ。

またスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも・・

人とボールの動きと、そのリズム・マネージメントが素晴らしい。

相手は、強固なウルサン守備だからネ。

そんな強者を、いつものように、高質な「組織」のなかに、勇気マンマンの「個の勝負」をブチかますなど、何度も(中盤までは!?)うまく振り回せていたんだよ。

でも・・

あれほど、イニシアチブを握り、ウルサンを押し込んでいるのに、「最終勝負シーン」が、あまりにも「単発」に過ぎるんだよ。

まあ、タイトルじゃ、「稚拙」なんて、少し失礼な表現をしてしまったけれど・・サ。

要は、縦パスにしても、クロスにしても、あまりにも真っ正直な「仕掛け」しか魅せられなかったんだ。

わたしは、その原因が、「受け手」の動きにあったと感じていた。

そう、彼らの動きが、最終章婦プロセスでは、鈍重だったんだ。

特に、クロス状況での、センターゾーンで待つ「受け手の動き」ね。

それが「静的」に過ぎるから、単純な「放り込み」を繰り返すコトになっちゃう。

やっぱり、ボールがないところでのアクションの量と質こそが、勝負を決めるキーファクターなんだよ。

例えばクロスを、かなり余裕をもって送り込めるシチュエーションなのに・・

センターゾーンの受け手の動きは、鈍重で、クロスが自分のトコロに来るのを「待つ」ばかり。

それでは、ウルサン守備にしても、勝負の「イメージング」を脳裏に描写するのは、まさに容易。

そうではなく、ある程度、余裕をもってクロスを上げられるシチュエーションなんだから・・

誰がが「犠牲」になって、ニアやファーポストの決定的スペースに向けて、「爆発」しなきゃ、いけないんだよ。

爆発的なスプリントね。

それが出てくれば、「爆発」した選手は、高い確率で「最初にボールに触れる」かもしれない。

そうしたら、より高い確率で、「次のこぼれ球」などで、決定機を創りだせるでしょ。

でも・・

そう、「より」実効レベル高く、スペースを攻略するっていう「勝負イメージング」が足りなかった。

スペース攻略・・

言うまでもなく、それは、ある程度フリーなボールホルダーを創りだすコト。

そう、相手ディフェンスの「イメージング」を超越する、決定的フリーランニングね。

だからこそ・・

後半の、偶発チャンスを期待する「放り込み」を観ながら、忸怩(じくじ)たる思いにかられたモノさ。

・・誰かが、斜めに、爆発スプリントをブチかます・・

・・その決定的スペースへ、シュート気味の強烈なバスをブチかます・・

・・受けた選手は、そのクロスを、チョンッ!ってな感じで「フリック」する・・

そんな最終勝負の「人とボールの動き」創りだせれば、必ず相手は、パニくるでしょ。

でもサンフレッチェは、最後の最後まで、相手ディフェンダーの「イメージングの範疇」のなかで、仕掛けクロスを送り込み、ことごとく、はね返されつづけたんだよ。

チト、フラストレーションが、溜まった。

ところで、ミヒャエル広島サンフレッチェ・・

彼らは、リーグ戦でも、同じように、最高のサッカーを魅せているよね。

そして、ゲームのイニシアチブを握りながら、多くの「ゴール機会」を創りだしつづけている・・

でも、わたしの眼には、あれほどの「良い仕掛けの流れ」を創りだしながら、どうも、最終勝負が「単調」に過ぎるシーンが、多いって映っている。

そう、前節(数日前)のホームでのFC東京戦でも・・

あれほど多くの、素晴らしいゴール機会を創りだしながら、決め切れずに、悔しい引き分けに終わってしまった。

まあ、ミヒャエルだから、ここからの「最終勝負イメージングの進化&深化」を、期待しましょう。

最後に・・

スーパーマン、塩谷司。

もう36歳だってさ。

そんなベテランが、あのレベルの「攻守ハードワーク」を積み重ねている。

その、主体的な実効プレーに対し、心からの称賛と感謝の拍手をおくります。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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