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2025_日本代表(親善)・・全体的な「構図」は、やっぱり、「組織vs個」っちゅうコトになりそうだね・・(日本vsパラグアイ, 2-2)・・(2025年10月10日、金曜日)

・・我々の(南米での)相手は、ブラジルやアルゼンチン・・

・・だから、粘り強いサッカーを進化させるコトが、必然のベクトルだった・・

パラグアイ関係者が、自分たちのサッカーを、そんなふうに表現したとか・・

フムフム・・

その粘り強さのバックボーンだけれど・・

わたしは、こんな風に、理解した。

攻守にわたる、「個の局面デュエル勝負」の積み重ね。

ディフェンスの局面デュエルで、彼らが強烈に「巧く、強い」コトは、皆さんも、ご覧になった通り。

そうね、「あの」ブラジルやアルゼンチンに「鍛え」られているっちゅうワケね。

また、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても・・

たしかに、しっかりとボールは動かすけれど・・

それにしても・・

基本は、局面での「個の勝負」で、しっかりと(とっても巧く!!)ボールをキープするなかで、「小さな足許パス」を積み重ねていくんだよ。

そして最後は、一発パス(クロス)や個のドリブルで勝負を決めちゃう。

それに対して森保一ジャパン・・

あくまでも、人とボールを、よいリズムで、大きく、しっかりと、スムーズに動かす「組織プレー」のなかに、状況に応じて、局面的な「個のドリブル勝負」もミックスしていく。

そして最終勝負は、組織パスだったり、個のドリブル勝負を前面に押し出していったり。

まあ、たしかに、最終勝負シーンは、両チームとも似通ってはいるけれど・・

それでも、ソコに至るプロセスでは、かなり、趣(おもむき)が異なるっちゅうわけだ。

とにかく森保一ジャパンのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、組織と個を、常にバランスさせようとする姿勢が、特長なんだ。

それ)が、森保一ジャパンの「共有イメージング」なんだよ。

それに対して、パラグアイ・・

彼らは、あくまでも、「局面での個のキープ」をベースに、足許パスを積み重ね、状況に応じて、個の勝負や、組織ラストパス(クロス)を決めようとする。

この試合でも、パラグアイが奪ったゴールは、一発の勝負するーパスと、素早いクロスによるモノだった。

なんか分かりにくいけれど・・

たとえば、最終勝負シーン(ゴール機会を創りだすシーン)については・・

パラグアイが「個の局面デュエル勝負」を前面に押し出してくるのに対して・・

我らが森保一ジャパンは、「組織的なイメージング」を共有するってな方向性で、ゴール機会を創りだそうとするわけだ。

そのパラグアイの「個の局面デュエル勝負」は、やっぱり、危険。

簡単にボールを失わないだけじゃなく、「そのスポット」に日本選手を「引きつけ」ることで、そのウラにスベースを創りだし、ソコを突いていこうとしたりする。

狡猾なワナ・・

そんなこんなで、たしかに・・

全体的なイニシアチブという視点じゃ、森保一ジャパンが上回っていたけれど・・

それでも、局面デュエルで、相手を置き去りにするシーンは、希だったし、簡単には、ゴール機会を創りだせないんだよ。

対するパラグアイ・・

そう、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の「量」は、少ないにしても・・

一つひとつの攻撃チャレンジの中身(危険度)の質では、たぶん日本を上回る。

そんなトコロに、パラグアイとの「僅差」の本質が、隠されているように、感じたし・・

それが、「南米」とのギリギリの勝負では、まだ分が悪いってな印象を拭えないんだよ。

もちろん、日本選手は、止めて蹴る、またボールコントロールというテクニックの水準は、とてもアップしている。

それでも、攻守にわたる局面デュエルでは、相手の後塵を拝するシーンも、多い。

要は、攻守にわたる、局面デュエルでの「スキル」の内実・・かな・・。

とても微妙なディスカッションだけれど、とにかく・・

日本サッカーが、「南米」を明確に凌駕し、常に勝負でも結果を残していけるようになるためには・・

攻守にわたる「組織」の量と質をアップさせるだけじゃなく、そこにミックスしていく「個の勝負プレーの内実」も、より改善していかなきゃならないわけだ。

なんか、微妙な、分かりにくいディスカッションになってしまったように思うけれど・・

わたしは、以前の日本代表が、南米の「局面デュエルの巧みさ、強さ」に、やられっぱなしだった時代も視点に入っているからね・・

だから、日本サッカーの「質」が、ものすごくアップしているのを、長い年月を俯瞰する「視点」をベースに体感し、彼らを頼もしく感じているっちゅうコトが言いたかった。

そう、以前は・・

いくら全体的な「すう勢」で、相手を上回っていたとしても、前述したような「一発の勝負」でやられてしまうようなゲームが、多かったんだ。

でも、この試合での森保一ジャパンは、大きく進化&深化をつづけているコトを体感させてくれた。

とはいっても・・

「世界」に抗していかなければならない森保一ジャパンだからこそ・・

ボール奪取プロセス(守備)とスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の両面で、自信と確信レベルを、より一層、充実させていかなきゃならないんだよ。

さて、次のブラジル戦・・

もちろんブラジルは、ゲーム全体を掌握しようとするでしょ。

彼らは、パラグアイのように、我慢強くはない。

そうではなく、より積極的&攻撃的にゲーを支配して攻め上がろうとするはず。

森保一ジャパンにとっては、これ以上ないほど有意義なチャレンジ。

この素晴らしい勝負マッチを、いかに、充実した「学習機会」として活用できるか・・

興味が尽きないね。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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