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2025_ ナデシコ・・心理的な悪魔のサイクルに、とっ捕まったナデシコ・・そこから抜け出すための刺激が相手ゴールだったのは、いただけないけれど・・それでも、 しっかりと盛り返せたコトは、ポジティブな進化&深化だった・・(スペインvsナデシコ、 3-1 )・・(2025年6月28日、土曜日)

ふ〜む・・

ここまで、全体的な内容で「差」を見せつけられてしまった要因は??

もちろん、その主たるモノは、ボール奪取プロセス(守備)の内実にあり。

田中美南が、前半30分にブチ込んだ、スーパーな先制ゴール。

「あそこ」での、身体を反転させたトラップ、そしてスライディングシュート。

もう、見事としか言いようがないわけだけれど、そこに至るまでのプロセスでは・・

立ち上がりの2分間くらいは、完璧に、スペインに「イニシアチブ」を握られつづけた。

そこでのナデシコは・・

ボールを奪い返せる雰囲気さえ、醸(かも)しだせないってな体たらくだったんだ。

でも・・

そう、数分もしたら、ナデシコの、ボール奪取プロセス(守備)の勢いが、大きく高揚したんだよ。

たぶん、チーム内での𠮟咤の連鎖!?

そして、勇敢なナデシコが、イニシアチブを握り返していく。

いや、握り返そうとする「意識と意志」が、高まったってな表現が正しいかも。

そして実際に、イニシアチブの内実は、かなりイーブンになっていった。

たしかに、実力的には(フィジカルの優位性も含めて、微妙に!)上のスペインが主導権を握っているけれど・・

そこには、ナデシコも、「それなり」に、立派に闘いはじめているってな感覚はあった。

そして、そんな「立派な主体性プレー」が、田中美南のインターセプトを呼び込むんだ。

最後は、浜野まいかからの、フィーリングにあふれた、グラウンダークロスを・・

田中美南が、魔法の(!?)回転トラップから、悪魔の(!?)スライディングシュートを決めたんだ。

そこまでの「立派」なゲーム(&勝負)展開を体感していたから・・

そのとき、「ヨシッ、ヨ〜〜シッ!!」ってな、ガッポーズが出たよ。

でも、その後のナデシコは(1点リードしたことで、気持ちが緩み!?)・・

スペインの、強力なボール奪取プロセス(守備)の勢いに、完璧に、呑み込まれていった。

もちろん、そのネガティブ現象の要因は、自分たちのボール奪取プロセス(守備)にあり。

チェイス&チェック(寄せ)が、うまく回らないことで・・

相手トラップを狙った「寄せ」までは、忠実にやっていたのに、そこからの局面デュエルで、うまくボールを奪い返せない。

また、目立っていたネガティブ現象として・・

ボールがないところでのアクションの量と質にも、課題が見えていた。

要は、スペースでパスを待つスペイン選手への「マーキング」が、十分にタイトじゃないんだ。

そう、次の(スペインの)パスレシーバーが、フリーになり過ぎていたんだ。

たしかに、相手ボールホルダー(次のパスレシーバー)へのプレスは、ある程度は、機能していた。

でも、前述したように、「そこ」で、うまくボールを奪い返せないことで、その次の相手パスレシーバーが、よりフリーで勝負プレーに入れちゃうってなメカニズム。

そんな、ネガティブ現象の「連鎖」が、垣間見えていたんだよ。

もちろん、その背景には、ナデシコのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)のネガティブな内実もあった。

そう、そこでも、ボールがないところでのアクションの量と質が、追いついていかなかったんだ。

だからスペインも、より「容易」に、ナデシコの「次のボールの動き」を予測し、潰しつづけられた。

要は・・

そう、ナデシコが、完全に、心理的な「悪魔のサイクル」に落ち込んでいたっちゅうコトだね。

「その奈落」から這い出すためには・・

もう、ボール奪取プロセス(守備)の最初の取っ掛かりである、チェイス&チェック(寄せ)の勢いを倍増するしかない。

ホントに、それしかないんだよ。

もろちん、一人だけじゃ、何も生み出せない。

そうではなく、チーム全体で、「そのベクトル」を向かなきゃ、決して機能しない。

一人でも、そう、たった一人でも、サボったら、ダメなんだ。

だからこそ、強力なリーダーシップが必要なんだよ。

その意味じゃ・・

期待していた長野風花、杉田妃和の「意識と意志の爆発レベル」がアップしていかなかったことに、ちょっと落胆していたモノさ。

でも・・

そう、スペインに勝ち越しゴールを奪われてからのナデシコは、やっと、ホントにやっと・・

本来の、闘う意志を「自分自身で盛り上げられた」と感じた。

私も、ものすごくポジティブな「感性」でゲームに入り込んでいたモノさ。

だから、そのときも、「ヨ〜〜シッ!!」ってな、ガッツポーズが出たんだよ。

その、積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(守備)からのチャンスメイクについては・・

もちろん、その「感性」をアップさせたのは、相手のゴールという「強烈な刺激」に拠るんだ。

たぶん選手たちも、それまでの「自分たちの不甲斐なさ」に、フラストレーションが、溜まっていたに違いない。

・・わたしたちは、こんなもんじゃない・・

・・スペインに、いいようにやられまくるなんて、我慢ならない・・

そのとき私は、ナデシコに、そんな積極的&攻撃的な「感性」が、満ちあふれてきたって感じた。

でも残念なコトに・・

タイムアップ直前、スペインに、スーパーな3点目をブチ込まれてしまうんだ。

まあ、仕方ない・・

最後に、「あの」谷川萌々子。

良くなっているじゃありませんか。

彼女については・・

とにかく、攻守にわたって、ボールがないところでのアクションの量と質をアップさせていけば(≒攻守ハードワークを探しまくる主体性プレーの内実アップ!)・・

すぐにでも、世界トップレベルの、ホンモノの(!)スター選手へと脱皮できる。

ということで、ナデシコ全体の出来について・・

たしかに、このゲームでは、スペインに「やられまくった」。

でも、前述したように、攻守ハードワークの高揚も、自分たちが主体になって魅せられた。

もちろん、「あの」心理的悪魔のサイクルに「とっ捕まった時間帯」については、しっかりと反省しなきゃいけない。

まあ確かに、相手ゴールに「刺激」されたのは、いただけないけれど・・

それでも、しっかりと、盛り返せたコトは、次につながる。

そこで、もっとも重要だった心理・精神的ファクターは・・

盛り返し、「私たちもヤレるっ!!」ってな自信と確信の高揚(というか、再認識)・・ね。

不確実なサッカーは、究極の、心理ボールゲームなんだよ。


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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