実は、1990年代の初頭、ギドがまだVfBシュツットガルトでキャプテンをしていた頃から、彼とは何度か話したことがありました。当時VfBシュツットガルトの監督をしていた友人のクリストフ・ダウムや、彼のパートナーであるローラント・コッホを訪ねたとき、偶発的な機会で立ち話をした程度でしたから彼が覚えているわきゃないけれど、私は、そのときギドが放散していた、誠実でポジティブなパーソナリティーに支えられた心地よい雰囲気をよく覚えています。それは今でもまったく変わらない・・。
そんなギドと、サッカーマガジンやサッカー専門紙「エル・ゴラッソ」の企画で対談し、記事を書きました。サッカーマガジンの記事は昨年9月末のこと。そして「エル・ゴラッソ」では、昨日(2005年3月2日)発売の号に載りました。時期と状況がまったく異なる二つの記事。それを読み比べるのもなかなかオツなものでは・・と、今回「The 対談」シリーズで取り上げることにしたという次第。
もちろんこの記事で採り上げた内容以外にも、「オフレコ」も含め、多くの面白いディベートコンテンツがあったわけだけれど、そんなところまで、行間を探るように読みとっていただければ幸いです。あっと・・もう一つ。テーマ的に「重複」する箇所もいくつかありますが、読む方によってはニュアンス的な違いが感じられるかも・・。とにかくご一読アレ。
ではまずサッカーマガジンの記事からいきます。ここで挿入した写真は、今回の「エル・ゴラッソ」対談の際に撮影されたものです。
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(サッカーマガジンのために、2004年9月20日に仕上げた記事です)
「まあ、5試合で21ゴールもたたき込んでしまう攻撃力を見せつけられたら、相手がまず守備を固めてくるのは当然だよ。だからこの試合でも最初の時間帯は強化デイフェンスに苦しめられたよな・・」。J第5節新潟戦の立ち上がり、レッズは、相手の分厚い守備ブロックに攻めあぐんだ。組織的なパスによる仕掛けがままならず、結局、エメルソンや田中の単独ドリブル勝負に頼る仕掛けばかり目に付くようになってしまったのだ。まさに、昨シーズンと同じ「前後が分断した」攻撃。インタビューは、まずそのポイントから入っていくことにした。ギド・ブッフヴァルトがつづける。
「とはいっても、選手たちは、パスを基盤にしたポジションチェンジやサイドチェンジなど、相手の強化守備を組織的に崩していくアイデアはしっかり持っていたと思う。まあ確かに、組織的な攻撃がうまく機能しなかったから、どうしてもドリブル勝負に偏ってしまったという側面もあった。でもこんなゲーム展開も想定済みだったんだ。だからこそセットプレーのトレーニングにも精を出していたというわけさ。苦しいなかでもゴールを奪う可能性を引き上げるためにね。それで決めた先制ゴールや二点目は本当に嬉しかったね。努力が結果につながったんだから。とにかく先制ゴールさえ奪えれば、相手も上がってくるだろうし、自然と攻撃プレーの内容が活性化するだろうと思っていたよ・・」。
そう、まさにその通り。特に二点目が決まってからは、今シーズンのレッズを象徴する見事なブレッシングサッカーが展開された。そこには、解放されたダイナミズムがあった。そこで次の質問である。「昨シーズンのレッズには決まり事が多すぎた・・選手たちは、かなりチーム戦術的な規制を受けていたのだけれど、ギドは、それとは正反対ともいえる自由で喜びのある攻撃サッカーを展開している・・それは、昨シーズンまでの規制サッカーを意識していたということなんだろうか?」。
「いや、それが僕が目指すサッカーだったというだけだ。僕はハンス・オフトが具体的にどのような指示を与えていたかは知らなかったけれど、試合を観ていれば、後方の選手たちが前線を追い越すような攻め上がりはあまりやるなと言われていたことは分かったよ。それは僕のやり方とは違う。今年のレッズは、全員がチャンスを最大限に活用するというイメージでプレーしているんだ。チーム戦術はベースにしか過ぎないんだよ。選手たちは、戦術という枠組みを超え、変化する状況に対応して柔軟で積極的にプレーしなければならないということだ。ボールを奪い返したとき、前に大きなスペースがあったら、そりゃ、行かない方がおかしいよな。現代サッカーでは、どんな仕事でもしっかりとこなせなければならない。ディフェンダーであっても、チャンスがあれば押し上げ、シュートもしっかりと打てなければならないんだよ。トゥーリオやアルパイといったディフェンダーが、流れのなかで、たまには最前線にも顔を見せたりするといった具合さ」。
「たしかにギドが目指すサッカーは、積極的なプレスだけじゃなく、チャンスさえあれば誰でもタテのスペースへ抜け出していくようなダイナミックなポジションチェンジも特徴だと思う。でもそれは、逆に大きなリスクだとも言えるよね。そのあたりをどのように考えている?」。そんな私の質問に、ギドが胸を張ってこう答えたものだ。
「たしかにリスキーだけれど、リスクを負わないサッカーなんて存在しないよ。選手たちは、リスクにチャレンジしていくからこそ喜びを見い出せるし、多くを学べる。もちろんリスクをできる限り回避するために、選手全員の意識を高めなければならないよな。だからこそ選手たちには、どんな状況においても、チームに対する最高の責任感をもってプレーすることを要求しているんだ。話し合ったり、ビデオを使ったイメージトレーニングなどを駆使しながらね。それが、攻守にわたる積極プレーの背景にあるんだ。責任感が深まれば(カバーし合うことに対する)互いの信頼感も強まっていくだろう。それがプレーの自由度を引き上げるだろうし、プレーの喜びも大きくなっていく。そしてそれがまたチームの目的に対する責任感を高めていく。それこそポジティブなサイクルだし、いまのレッズでは、それがうまく回りつづけている」。
「それでも今シーズンの一時期、解放され過ぎたことで守備意識がおろそかになったこともあったと思うんだけれど・・?」。
「たしかにそんなこともあった。その一番の原因は、守備に対する責任感が減退したことだ。ここで言っているのは失点のことじゃない。失点はいつでも起こり得るけれど、守備のプレー姿勢は違う。一人でも、そこでの責任感に低落傾向が見えた場合、素早く、確実に対処しなければ、すぐにチーム全体に悪影響が及んでしまう。ディフェンスの責任を果たさない選手に対しては、厳しい姿勢で臨まなければならないんだよ・・」。
「一時期の山田暢久とか・・?」。
「そうだな・・。山田の場合は全体的なプレーの積極性や活動性に問題が出てきたわけだけれど、話し合いながら我慢して観察していた。それでも明らかな改善は見られなかった。だから先発から外すことにしたんだよ。ベンチからゲームを観察することで、ジックリと考えさせるという意味も含めてね」。
「そんなギドの言動は、他の選手たちもしっかりと観察していた?」。
「もちろん。多分それはポジティブに作用したはずだよ。チーム内の緊張感が高まったし、選手たちも、チームに対する責任というテーマをしっかりと理解するようにもなったしね。山田にしても、それ以降は、素晴らしいプレーをつづけてくれている」。
「ところで天才エメルソンだけれど、彼を特別扱いし過ぎているということはないよね?」。
「もちろんそんなことはない。とはいっても、例えば今日(試合翌日)のように、軽く二周してそのまま上がらせたりとか、周りには、ちょっと締まりがないように見えることがあるかもしれない。まあそれはドクターからの指示だったんだけれど、とにかく、チームへの説明とか、本人との話し合いとか、外部には見えないところでしっかりとマネージしているということだ」。
「プロのチームには不満がつきもの。逆にいえば、それこそがチームに必要な緊張感の源泉ともいえる?」。
「そういう視点もあると思う。その不満を、不信にまで膨張させないのが監督のウデということも含めてね。そこには、組織の目的が最優先であり、それに、いかにうまく個人の目的を噛み合わせていくのかというテーマもあるだということだ」。
「ギドは、これまでプロのトップチーム監督の経験はないわけだけれど、指先のフィーリングとも呼べそうなサッカーチ監督のマネージメント感覚は、どうやって養ってきたのだろうか?」。
「クリストフ・ダウムとか、アーリー・ハーンとか、素晴らしい監督と接し、彼らから本当に色々なことを学んだと思っている。彼らは人間のことを良く知っていた。より複雑になっている現代社会では、サッカーの監督には、より深い心理的な分析能力が求められるようになっていると思うんだ。そんなところも含めて、これまで関わった人たちから本当に多くのことを学ぶことができたと思っている」。
「たしかに、ギドの学習能力というか、考える能力は一流だとドイツのサッカー関係者たちも言っている。選手としてのギドは天才ではなかったけれど、努力を重ねてここまで上り詰めたと大いに敬意を払われている・・」。
「まあ・・考えたり工夫したりする努力は人一倍積み重ねてきたという自負はあるし、監督になったいま、そのことが大いに役に立っていると思う」。
「最後に、リーグ展開について・・。これから優勝戦線が進めば進むほど、さまざまなプレッシャーと向き合わなければならなくなると思う。そこでの心構えを聞かせて欲しいのだけれど」。
「まず、とにかくチームが一丸となることがもっとも大事だ。負けたとしても、次を信じて一つにまとまりつづけるというチームスピリットが何よりも重要になってくるんだよ。要は、結果にかかわらず、常にポジティブシンキングを持ちつづけるということだ」。
「それでも、最後の10センチ先まで足が伸びるかどうかというギリギリの勝負シーンとか、いつかは冷や汗が出るような決定的場面と向き合わなければならない瞬間がくるはず。そのとき、世界を知っているギド・ブッフヴァルトの経験や体感からにじみ出てくるエネルギーによって、選手たちを最後の10センチ先へ突き動かすことができるだろうか?」。
「そうできることを心から願っているよ」。(了)
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さて次は、昨日(2005年3月3日)にサッカー専門紙「エル・ゴラッソ」に掲載された対談記事です。
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(専門紙「エル・ゴラッソ」のために、2005年3月2日に仕上げた記事です)
「あれは負けんじゃなく、引き分けだったんだぜ」。その瞬間、浦和レッズ監督ギド・ブッフヴァルトが私の質問をさえぎった。「昨年のチャンピオンシップは、攻撃サッカーと戦術サッカーが対峙したという構図だったと思うんだけれど、結局は戦術的な対処サッカーが勝利をおさめることになった・・」、そんな私の言葉に、ギド・ブッフヴァルトが敏感に反応したというわけだ。「PK戦では偶発的な要素が絡むからな。レギュラータイムでは引き分けだったじゃないか。内容では、オレたちの方が優れていたところも多かったと思っているんだよ」。
「たしかにそう思うよ。そういえば昨シーズンは、守備を固める相手に苦労したゲームも多かったよな。そんなゲームの後の記者会見では、レッズの攻撃サッカーは、日本サッカー界にとっても価値あるものだと主張していた。その考えはいまも変わっていないだろうか?」。そんな私の質問に大きく頷いたブッフヴァルトは、ちょっと控えめに言う。「そんな価値ある存在でありつづけるために努力をつづけているということだよ」。
昨シーズンのレッズは、誰もが認める攻撃的で魅力的なサッカーを展開した。「目の前にスペースがあるとき、そこへ攻め上がっていかないのは不自然だ」。ブッフヴァルトはそう表現するけれど、コトはそう単純ではない。「レッズが展開するサッカーの特徴は、どんどん前からプレッシャーをかけ、高い位置でボールを奪い返して相手を押し込んでいくというダイナミズムにあると思う。でも、そんな攻撃的なブレッシングサッカーは、守備が薄くなるという危険とも隣り合わせというこどたけれど・・?」。
「そう。だからこそ、選手たちの守備意識を高揚させる努力をつづけているんだ。どんな状況でも積極的にディフェンスに戻ってこられるだけの強い意志があってはじめて、我々が目指す攻撃サッカーを本当の意味で実現できるということだ。とはいっても例外もあったな。昨年のセカンドステージ第二節で東京ヴェルディと対戦したゲームがそれだった。今でも鮮明に思い出すよ。埼玉スタジアムだったけれど、満員の観客に後押しされたチームは、特に3-2とリードした後半、本当に信じられないくらいアグレッシブなサッカーをやりつづけたんだ。誰でもチャンスがあれば前線へ飛び出していく。そこでは最終ラインの選手も例外じゃなかった・・」
「でも、ちゃんとタテのポジションチェンジが機能していたんだろ? だから次の守備はしっかりと機能していた?」。そんな私の合いの手の質問に、ブッフヴァルトが首を横に振りながら答える。「いや、カバーリングの人数は常に足りなかったよ。もし攻撃の途中でボールを奪い返されたら、それこそ決定的なカウンターピンチを迎えてしまう。それでも選手たちはどんどん攻め上がりつづけたんだ。ベンチで観ているこちらも、彼らの前への勢いを抑えられなかった。本当は、もう少し落ち着いてバランスを取って欲しかったんだけれどね。でも結局、攻めに攻めつづけて7対2という大勝をおさめてしまった。ガンガン攻め上がりつづけていたから、攻撃の人数は常に足りていた。逆にヴェルディの選手は、その勢いに呑み込まれるように不用意に下がり過ぎて足を止めてしまった。だから攻撃のほとんどを、シュートとか、何らかのフィニッシュで終わることができたというわけさ。そこでは一度ゲームが止まるから、選手たちも余裕をもって戻ってくることができる。そのゲームは、ウチの選手たちがバランス感覚を欠くくらい強烈に攻め上がりつづけたことでヴェルディを心理的な悪魔のサイクルに陥れただけじゃなく、その状態が最後までつづいてしまったという希なケースだったんだ。まあ、サッカーは相対的なボールゲームということだけれどね・・」。
「でもそれは例外だった?」。「もちろんそうだよ。ただ選手たちは、そのゲームを通して攻撃サッカーの魅力を存分に味わったはずだ。だからこそ、そんな攻撃サッカーをより確実に機能させるために、守備に対する意識も高まっていったと思っているんだ。偶発的だったけれど、ヴェルディとの試合を通してチームの意識がワンステップ上がったということだな」。
「ハナシは変わるけれど、その試合で攻守に大活躍した山瀬功治がマリノスに移籍してしまった。それはチームにとって大きなマイナスだと思うけれど・・?」。「もちろんそうだよ。でもまあ仕方ない。山瀬は、攻守にわたる素晴らしいパフォーマンスでチームに貢献してくれた。本当に貴重な戦力だったし、今シーズンも大いに期待していたのだけれど・・」。
「たしかに山瀬は、限りない自由を与えられる二列目センターというポジションで攻守にわたって活躍していた、彼がケガで離脱した後は、色々な選手にそのポジションをやらせたり、スリートップにしたりと様々な工夫を凝らしながらステージ優勝を飾った。監督としては、難局を乗り切る素晴らしい仕事をやり遂げたわけだけれど、今シーズンの二列目センターはどうなる?」。「今年もケースバイケースで対応していこうと思っている。そのポジションの候補には、山田暢久や長谷部誠たちがいるわけだけれど、相手によってはスリートップでスタートすることもあるだろうしね」。
「今年もまた相手チームはエメルソンを潰しにくるに違いない。個人プレーによる仕掛けが前面に押し出され過ぎるようだったら、相手の守備にとっては思うツボということになってしまうけれど?」。「そうだよな。でも今シーズンは、戦術的なコンセプトの浸透にともなって組織パスプレーの質も向上してきているから、エメルソンへの相手守備の集中も分散させられると思うよ。エメルソンも、シンプルにパスを回すことによって、彼自身がより多くのチャンスを得られるというサッカーのメカニズムを理解しはじめているしね」。
「人とボールが活発に動けば、より頻繁に、ディフェンダーの数が足りないゾーンで1対1勝負を仕掛けていくチャンスを作り出せるし、そのことをエメルソンもしっかりと自覚しはじめているということか。期待できそうだな。ところで田中達也と永井雄一郎だけれど、彼らもまた素晴らしい進化を遂げているよね。その背景には、ドリブルやコンビネーションに対する自信の高揚だけじゃなく、彼らの守備意識が格段に向上しているということもあると思うんだけれど?」。
「その通りだ。永井や田中にも積極的な守備を要求しているんだよ。たまにサイドバックに入れたりしてね。今じゃ、彼らがゴール前まで戻って守備に入るというシーンだって希ではなくなっている。そんな最前線選手たちの積極ディフェンス参加も、チーム全体のダイナミズムを活性化する要因になっているし、そのことを田中や永井も分かっているから、それが彼らにとっても次のモティベーションになる。うまい善循環が回りつづけていると思うよ」。
「ところで、今年から二ステージ制が廃止されて一年間を通したシーズンになるわけだけれど、それをどう思う? またギドにとって、そのことの意味は?」。「オレは、いいことだと思う。そこでは、シーズン全体で最高のサッカーをやったチームが優勝することになるわけだから、ファンにとってそれほど分かりやすいことはないしね。二ステージ制だったら、ある短い期間に急に調子アップしたチームが、その勢いでステージを制してしまうとか、実力以外の偶発的な要素が順位を左右してしまう可能性もあるけれど、一シーズン制だったら、とにかく年間を通して平均して優れたサッカーをやったチームが頂点に立てるということだからな」。「それでは、この年末にレッズが頂点に立っていることへの自信は?」。「まあ、それについては、最大限の努力を積み重ねていくとしか言えないね。シーズン中には、本当に様々な山や谷があるわけで、それをいかにうまく高みで安定させられるかというベンチの手腕が問われるということだよね。だからこそ我々にとってもやり甲斐があるというわけさ」。
「それでは、ギドがイメージしているライバルチームは?」。「そうだな・・。まず何といってもマリノスを挙げなければならない。それ以外では、ジュビロやガンバ、そして、昨年セカンドステージの半ばから抜群にサッカー内容が良くなっているヴェルディーも要注意だと思う。今年からワシントンという素晴らしいストライカーも加入してきたしね。いまオレが意識しているのはその四チームというところかな」。
「今シーズンは、最終ラインや中盤、前線でもレギュラー候補がひしめき合っているから、チーム内のライバル関係も厳しさを増してくる?」。「そうだね。選手たちは、厳しい競争のなかで自己主張していかなければならないわけだけれど、そんな環境こそが選手たちを発展させると思っている。ネネや平川、長谷部や山田など、いろいろなポジションができる選手もいるしね。いまは開幕に向けて徐々に選手たちのプレーイメージが整ってきているわけだけれど、そのなかで、互いに刺激し合うような健全な競争を通してチーム全体の闘う雰囲気が活性化されていくことを期待しているんだ」。
「新戦力についてはどうだい?」。「そうだな、若い選手が多いから、まず経験を積ませることで彼らの潜在能力を発揮させなければならないと思っているよ」。
「その経験のなかでもっとも大事なことは、やはりリスクへのチャレンジを体感させるということだろうか? 常々ギドは、リスクへチャレンジしていかないサッカーなんて存在しないと言っているよね?」。「そうだな・・。特に若い選手たちにとっては、彼らの闘うマインドを刺激し、リスキーなプレーにもチャレンジしていくなかで成功を体感させることが大事だと思う。リスクにチャレンジしていかなければ、決して発展することはないのがサッカーだから・・」。(了)
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さて、いかがだったでしょうか。とにかく私は、ギドの「リスクチャレンジ姿勢」を支持して止みません。サッカーという、ある意味では理不尽なボールゲームでは、積極的にリスクへチャレンジしていくプレー姿勢こそが唯一の発展の糧なのです。もちろん最終的には「高度なバランス感覚」が問われるけれど、最初からバランスを意識にしたら、マズローが言うように(人間の欲求五段階説!)、選手たちは確実に「アリバイアクションの方向」へ引き寄せられてしまうものですからね。
様々な意味で何が起きるか分からないサッカー・・選手個々の判断力、決断力、そして勇気と責任感にあふれ、誠実でクレバーな実行力が問われるサッカー・・だからこそ私は、サッカーを、21世紀の社会的なイメージリーダーにもなりうる存在だと言いつづけているのです。いや、ここでは、社会のイメージリーダーになるべき存在だとまで言い切りましょう。その意味でも「J」に、もっと頑張って(このガンバリの中身が大事!)社会的な存在意義を確固たるモノにしてもらわなければならないと思っている今日この頃なのです。
あれっ?! ちょっとハズしてしまったかな・・?? ご容赦アレ。