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「The 対談」シリーズ_第16回目・・電動車椅子サッカー(座談会)・・異文化接点サッカーの面目躍如・・(2009年10月19日、月曜日)

「そう・・そうなんですよ・・まさにそこから、電動車椅子サッカーが、本物のサッカーになったということなんです・・」

 日本電動車椅子サッカー協会だけではなく、国際電動車椅子サッカー連盟アジアゾーンの会長も兼務する高橋弘(たかはしひろし)さんが、あくまでも冷静に、目を輝かせます。右の写真が、高橋弘さんです。

 「それまでは、一つのボールの周りに全選手が集まって、電動車いす同士で押し合い圧(へ)し合いしていただけでしたからね・・これじゃ、ボールが動かないのも道理・・数センチ単位で、前へ行ったり戻ったり・・だから、やっている方も見ている方も面白くない・・」

 数年前、電動車椅子サッカーに、エポックメイキング的な大変革が起きました。あるルールの変更だったのですが、それは、戦術的な発想に大きな影響を与え、選手たちも、素早く考え、決断して行動しなければならなくなったという意味で、電動車椅子サッカーが、とても魅力的なインテリジェンス・スポーツへと変身を遂げたと言えるほどの「チェンジ!」だったのです。

 要は、ボールの周り「3メートル以内」には、両チーム選手が「一人」しか入れない(その範囲でプレーできるのは両チームの二人だけ)というルールの変更が行われたということです。それは、「2 on 1ルール」と呼ばれているのですが、そのことで、両チーム選手が「団子状態」にならず、ゲームも格段にスピードアップしたというわけです。

また同時に、ボールの直径が、50cmから32.5cmへと小型化されたこと、そして電動車いすのフットガード(足の前方に取り付けられるガード)が金属などの硬質素材になったことでボールが飛躍的に飛ぶようになったことも、ゲームのスピードアップを促進しました。

 そうなったら、選手がフィールドいっぱいに散ってポジションを取るだけじゃなく、攻守にわたる、人(電動車いす)とボールの動き、スペースの活用(その防御)といった戦術的なアイデアも、より高い次元のモノが求められるのは道理。電動車椅子サッカーが、本来的なインテリジェンス・ボールゲームと呼べるところまで進化してきているというわけです。

 あっと・・。電動車椅子サッカーですが、プレーされるフィールドの大きさは、バスケットコートと同じ。そのなかで、GKも含め、両チーム4人ずつの選手が、ゴールをめぐって対峙します。

 また、使用される電動車いすですが、これがまたスグレものなんですよ。繊細にプログラムされたコンピュータを駆使し、あの重い車いすを、(もちろん障害の内容や程度によるけれど・・)どこか身体の一部分でも動けば(たとえば指先一つでも!?)自由自在に扱えてしまう。

 とはいっても、コントローラーの扱いに対する感覚的な才能や、その習熟度によって「電動車いすを扱うテクニック」にも大きな差が出てくることは言うまでもありません。だからこそ面白いし、障害者の方々も、プライドと高いモティベーションをもってチャレンジをつづけるというわけです。

 これは後から聞いたハナシですが、ある、障害の重い方が、電動車いすにベッドを備え付けて大会に参加し、鏡で視野を確保しながら、結構上手く車いすを自由自在に扱い、そのプレーを観た人々が度肝を抜かれていた・・なんていうこともあったそうです。

 多分その方は、電動車いすベッドを自在にコントロールし、観客をビックリさせるような高度で効果的なプレーを披露しながら、「どうだ・・オレのテクニックを見たか・・」と鼻高々だったに違いない。そんな「情緒的な心の動き」もまた、生きていく上で欠くことのできない刺激エネルギーになるんだよな・・

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 「当たり前ですよ・・わたしのキラーパスで、これまでにいくつのゴールを演出したことか・・それだけじゃなく、ヒールパスあり、ワンツーコンビネーションあり、それに合わせた三人目の動きあり、鋭いクロスからのダイレクトシュートあり・・とにかく、いま電動車椅子サッカーは、『2 on 1』というルール変更で与えられた『スペースを活用するという発想』によって大きく進化している最中なんです・・」

 「物理的に、どうしてもプレーの内容に限界が出てきてしまうと思うのですが・・パスをつないだり、コンビネーションを決めるなんていうプレーは可能なんですか?」といった、わたしの認識不足の質問に(もちろん今では解消されたわけですが、そのときはまだ・・ネ)、高橋弘さんが、あくまでも冷静に、そう答えてくれたものです(でも内心では、甘く見るなよ〜!なんて怒り心頭に発していたりして・・あははっ・・)。

 「僕たちは、電動車椅子サッカーを愛しているんです。たしかに物理的に限界はあります。それでも、その限界を突き詰め、出来れば突き破りたい・・そうすれば、次の高みも見えてくるし、それにチャレンジするというモティベーションも自然と高揚していくはずですよ・・」

 そんな高橋弘さんの発言に、伊藤秀宜さんも大きく頷(うなづ)いていた。そして、高橋弘さんの言葉が、どんどんと熱を帯びていく。

 「電動車いすのブレーには、まだまだ様々な可能性が秘められていると思うんですよ・・だからこそ、それを突き詰めたいというチャレンジ精神も高まっていくんですよ・・」

 「 とにかく、電動車いすを使ってやれるのはサッカーしかないことは確かな事実です・・それにサッカーは、とても奥の深〜いボールゲームだから、情熱やエネルギーを傾けることの意義を感じるし、それが生き甲斐にだって発展します・・それに、ボクたちの仲間には、ロナウジーニョ顔負けの、天才肌のヤツもいるし、とても面白いですよ・・」

 実は、わたし(筆者)は、その存在は知っていたけれど、それまで電動車椅子サッカーを実際に見たことはありませんでした。だから、座談会の後、すぐにネットの動画サイトに入り込んで熱心に「観戦」したという次第(体たらく)でした。

 いや、ホント、(見方によっては=発想を変えれば!)とても面白いし楽しめる。スピードがあり、アイデアにあふれている。そして、その「スポーツ」は、これまで引っ込み思案だった(!?)障害者の方々に、人生の喜びとアイデンティティー(誇り)を提供できる可能性を秘めている。

 フムフム・・甘く見たモンじゃありません。健常者のサッカーとは、たしかに違う。ただ、その底流にあるアイデアは、まさにサッカーの原点そのものなのです(もちろん、前述したルール変更や、後述するテクニックの発展があったからこそのポジティブな進化ではあったけれど・・)。

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 あっと・・、今回は、対談というのではなく、座談会という形式になったことにも触れておかなければいけなかった・・。

 前出の電動車椅子サッカー協会会長の高橋弘さんだけではなく、横浜スポーツコミュニケーションズ=通称ヨココム=が主催した湯浅健二の独演会に参加してくれた電動車椅子サッカーで活躍している伊藤秀宜さんと、同じく電動車椅子サッカーで活躍する伊藤さんの弟で伊藤達成さんといった方々にご参加ねがった次第なのです(向かって右から、高橋弘さん、伊藤秀宜さん、そして伊藤達成さんです)。

 いや・・、この座談会アイデアは、わたしの講演会で、伊藤秀宜さんと交わした約束がキッカケになっていたから、主催は、伊藤秀宜さんだったとすべきなのかもしれませんネ。とにかく、興味深い学習機会をいただきました。感謝します。

 また今回の座談会は、横浜スポーツコミュニケーションズ=通称ヨココム=の皆さん(依藤正次さん、福島成人さん、そして小出正三さん)にも多大なエネルギーをご提供いただきました。彼らに対しても、心から感謝です。

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 ところで、座談会にご参加いただいた皆さんの障害ですが・・

 高橋弘さんは、今をさかのぼること15年前、クルマの事故で脊髄を損傷し、クビから下がまったく動かない状態になってしまいました。ただ今では、強い意志によるリハビリテーションによって、「キラーパス」が出せるほどに回復している。とはいっても、まだクビから下と腕のほとんどは麻痺していて、手首から先はまったく動かせないとのことですが・・。いったいそれで、どのようにキラーパスを出すんだ?? まあ、そこにこそ、シークレットな感覚的才能が活かされているということなんだろうね。フムフム・・

 また伊藤秀宜さんと伊藤達成さんは、脊髄性筋萎縮症という遺伝性の難病と闘っています。この、次第に全身の筋力が低下していく疾病には、今だ、根本的な治療法はありません。

 私事ですが、私がまだドイツへ留学するまえ(22歳から23歳にかけて=1974年頃)、週に一度ボランティアで、脊髄性筋萎縮症と同じように、徐々に筋萎縮と筋力低下が進行していく筋ジストロフィーという難病にかかっていた当時17歳の男子の話し相手になった経験があります。彼の自宅を訪ね、色々なハナシをしたり、勉強を手伝ったり。彼は、私がドイツへ留学した2年後に、天寿を全うしました。

 だから・・ということがあったからなのかもしれないけれど、座談会がすすむうちに、伊藤さんご兄弟に対して、何となく、特別に近しい感覚が生じてきました。機会があれば、是非、彼らのサッカーも観戦しに行こう・・

 「是非是非・・心から歓迎しますよ・・とはいっても、私たちは、高橋さんが率いるチームようなハイレベルなサッカーはできませんが・・それでも、全員が、サッカー大好き人間であることは保証します・・わたしたちには、サッカーの魅力を深く理解しているという意味では、どこの誰にも負けないという自負があるんです・・」

 伊藤秀宜さんが、声を増幅するマイクとスピーカーを使って力強く語ってくれました。

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 あっと・・「The 対談」コラムのストーリー。ここでピックアップするテーマは二つ。サッカーの本質的なメカニズムの魅力と、サッカーが秘める、人類史上最強の異文化接点パワー。

 冒頭で書いたように、ルールの変更によって電動車椅子サッカーは、戦術的に格段に発展しました。それだけではなく、わたしも、ネット動画や、高橋弘さんからいただいたDVDを通して(少なくとも電動車椅子サッカーに対する理解は!?)進みました。そして見えてきた。そう、電動車椅子サッカーでも、勝負はボールのないところで決まる・・そしてそこにこそ、インテリジェンスの悦びがある・・

 高橋弘さんが言っていたように、電動車椅子サッカーでも、たしかに最終的なラストパス&ダイレクトシュートを明確にイメージした展開が観られます。そのプロセスでは、正確なパスだけではなく、上手いトラップあり、ヒールパスあり、サイドゾーンへの展開と鋭いラストクロスあり、そしてゴール前でのダイレクトシュートあり・・。フムフム・・

 わたしは、ネットに公開されている電動車椅子サッカーの動画を観ているうちに、完全にはまり込んでいた。それにしても、電動車いすを「旋回」させるキックは(高橋弘さんが言っていたように)迫力満点だし、それも、電動車椅子サッカーを一段と進化させたバックボーンなんだろうネ。

 「そうなんですよ・・あのテクニックが一般的に使われるようになってからというもの、電動車椅子サッカーが(戦術的にも)大きく様変わりしたんです・・何せ、強烈なキックだって可能になったんですからね・・中には、二人でコンビを組み、一人が、車いすを旋回させているパートナーへ、タイミングよくアシストする難しいコンビネーションプレーなんかも観られたりするんです・・そりゃ、すごい強烈なシュートが飛んできますよ・・」

 一息ついた高橋弘さんがつづけます。「その旋回シュートですが、それを発案したのはフランス人なんです・・初めて旋回シュートを観たとき、彼らの想像力や創造力の豊かさに舌を巻いたモノです・・2007年に日本(東京、夢の島)で行われた歴史上最初の電動車椅子サッカーワールドカップでは、PK戦で、惜しくも決勝でアメリカにやられちゃいましたが、実力では、いまでも彼らがトップだったと思っています・・」

 たしかに、フランス人の創造性、想像性は、常に世界をリードしている。哲学は言うまでもなく、その他の学術分野でも「発想の自由さ、豊かさ」で世界トップグループを形成しているし、コンビュータソフトウェアでも、いくつかの革新的なアイデアはフランスが発祥の地だった。また、サッカーのワールドカップを始めたのも、フランス人のジュール・リメだったし、近代オリンピックの創立者も、フランスの教育者ピエール・ド・クーベルタン男爵だった。フムフム・・

 とはいっても、サッカーの「勝負」という視点に限れば、以前のフランスは、「井の中の蛙」的なイメージも強かった。

 サッカーでは、国際舞台での活躍は少なかったのです。それでも、ミッシェル・プラティニが、イタリアのユーヴェントスで活躍し、その後、何人もの天才たちが外国リーグで活躍しはじめてからは、彼らの実力が存分に発揮されるようになった。サッカーだからネ・・、その実力の絶対的ベースは、言うまでもなく創造性であり想像性なんだヨ。フムフム・・

 あっと、余談が長くなった・・。ということで、電動車椅子サッカー。そこでも、フランスの自由で豊かな(創造的&想像的)発想が抜群の存在感を発揮していると聞き、ナルホドと頷(うなづ)いていた筆者だったのです。そうネ〜、旋回シュートネ〜。いや、ホント、素晴らしく自由な発想だ。

 旋回シュートについてはネット動画を参照していただきたいのですが、要は、左右の車輪を瞬間的に逆方向へ回すことで旋回力を得るということです。聞くところによると、電動車いすには、そのプログラムも組み込まれているそうな。フムフム・・

 ということで、フランス流の旋回シュートの話題でした。高橋弘さんのハナシはつづきます。

  「そうなんですよ・・フランスは、とてもスマートでクレバーなサッカーを展開するんです・・それに対してイングランドは、とてもラフ・・これって、国民性なんですかネ・・」

 そこで一度大きく息を吐いた高橋弘さんがつづけます。「イングランドで電動車椅子サッカーが普及しはじめた頃、わたしも何度か渡英して教えたことがあるんです・・そんな彼らなんですが、とにかく、とても荒っぽく、電動車いすを、相手にドカンッ!とぶつけるようなタックルを仕掛けてきたりする・・それに対してフランスは、とにかくスマートにボールを動かすんですよ・・そのテクニックには、ホントにほれぼれさせられます・・まさに、ボールが、車いすにピタリと貼り付いているという感じ・・そう、接着剤で貼り付けたみたいにネ・・そんな彼らは、イングランドが、ドカン、ドカンって車いすをぶつける度に、オ〜〜レッ!!なんていう歓声を上げて揶揄(やゆ)していた・・あははっ・・」

 わたしもネット動画で観ましたよ。フランスは、本当に、とてもスマートで、とてもクレバー。やはりサッカーは、こうでなくっちゃネ。

 要は、優れた組織プレーということだけれど、フランスが展開したサッカーは、相手とのフィジカルコンタクトを極力避け、人(電動車いす)とボールを活発に動かすことで、相手のウラのスペースを攻略してダイレクトシュートを決めるっちゅうイメージ。とても共感しました。あっと・・、「それ」って、どこかの国の代表チームが志向しているコンセプトと同じ!?

 とにかく、電動車椅子サッカーが、次元の低い「団子サッカー」から、急速に、スマートなインテリジェンスフットボールへと脱皮し、そのことで(本来のサッカーの魅力が顕在化してきたことで!?)やっている選手にも、より多くの悦びと、より強いアイデンティティー(誇り)を与えられる社会的な存在になりつつあるということを体感し、とてもハッピーな感覚に包まれていた筆者でした。

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 まだまだハナシは尽きなかったのですが、最後に、人類史上最高のパワーを秘めた、異文化接点というテーマについて。

 伊藤秀宜さんと知り合ったのもサッカーがキッカケ。また、その座談会で初めて会った高橋弘さんとも、彼がFCバルセロナのユニフォームを着ていたこともあって、まったく「違和感」なく、「高橋さんはバルサのファンなんですか? それは一体どうしてですか?」なんていう単純な話題からハナシが盛り上がっていきましたよ。

 ところで、伊藤秀宜さん(左の写真)。彼は清水エスパルスのサポーターなんだそうです。 小さい頃、幼稚園の先生がファンだったことで彼も好きになったとか。「そうですか〜・・いまエスパルスは調子がいいから、Jリーグを観ていても楽しいでしょう?」とわたし。それに対して、「そうなんですよ・・彼らが優勝したら祝杯を挙げなくちゃいけませんよネ」と、伊藤秀宜さん。

 「それでは、今度、長谷川健太監督に会ったら、伊藤さんのことを伝えますよ・・こんな熱心なファンがいるエスパルスは幸せ者だってね」。そんな私に対して伊藤秀宜さんが、嬉しそうに「よろしくお願いします・・」ってな言葉を返すなど、楽しい会話がつづくのです。

 わたしは、ドイツでも、 サッカーを通じて何人もの障害者の方々と知り合いました。彼らは、プロのトレーニングをクラブの練習場まで観にくるなど、まったく普通に生活しているし(それが出来る環境として、ヨーロッパの長い歴史に内包される、哲学的&文化的なバックボーンがあることは言うまでもありませんが・・)、わたしも、ドイツ語が十分に出来るようになってからは、とても自然に彼らと接することが出来るようになっていきました。

 そんな彼らに言われたことがあります。「ケンジには、健常者のコンプレックスがないよな・・」

 それは、障害をもっている彼らを特別扱いしたり、(優越意識や後ろめたさ的な)不自然でアンバランスな感覚で接したりすることがない・・要は、社会システム的な後ろめたさに苛(さいな)まれることなく、彼らを一個の人間としてまったく自然に接することが出来ている・・という意味だと思われるのですが、私は、それもまた、サッカーという「異文化接点パワー」の為せるワザだったと思っているわけです。

 とにかく、わたし自身の深層心理までにも深く手を突っ込んでいかなければならないような「素敵な学習機会」を提供してくれたヨココムの皆さん、高橋弘さん、そして伊藤秀宜さんご兄弟には(またご一緒していただいたヘルパーの方と友人の方に対しても)心から感謝している次第です。

 最後に、日本電動車椅子サッカー協会主催の、選手権大会のお知らせも。第15回日本電動車椅子サッカー選手権大会というのが正式な名称。協会に登録されている31チームの頂点を決定する全国大会です。今年の10月24日と25日の二日間、いしかわ総合スポーツセンター(石川県)で開催されます。

 詳しくは、日本電動車椅子サッカー協会ホームページを参照して下さいネ。

 とにかく、これからも、お互い、とことんサッカーを楽しみましょう。

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 最後に、とても悲しい報告をしなければならなくなりました。

 この座談会のキッカケになった、伊藤秀宜さんが、先週の木曜日(10月15日・・それは、座談会を行った三日後のことでした・・)に急逝されたのです。下記は、弟の伊藤達成さんから、先週の金曜日に送られてきた報告メールの内容です。

 ・・大変突然ですが、昨日夜7時頃、兄の秀宣が次の世に旅立っていきました。元々風邪がひどく、さらに悪化してしまい、痰がつまり呼吸ができずに亡くなりました。彼はサッカーを心から愛していました。湯浅さんの本もよく研究しており、サッカーへの情熱は本当に誰にも負けないものでした。彼は、湯浅さんと対談できて本当に喜んでいました。皆様、本当にありがとうございました・・

 わたしは、昨日(10月18日の日曜日)のジェフ対サンガを観戦した後、伊藤秀宜さんの「ビューイング」へ行ってきました。彼はキリスト教ですので、日本の告別式に当たるものを「ビューイング」と呼ぶのだそうです。とても穏やかな表情をされていました。

 会場の教会を後にするとき、伊藤秀宜さんの叔父にあたる方から、こんなことを聞きました。「秀宜は、伝道師になることが夢でした。いま、その希望がかなったのですよ。だから、ここにいる皆さんの誰も、悲しんではいません・・」

 伊藤秀宜さんのご冥福をお祈りいたします。

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 ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。

 基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。

 




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