このところのコラムは、ネガティブな内容のオンパレードでしたからね。まず埼玉で行われたアンダー19国際大会での日本代表、バリャドリードでデビューは果たしたものの、基本的な存在感という意味で前途多難を感じさせる城彰二、カールスバーグカップ、そしてアジアカップ予選で、自分主体のリスクチャレンジの姿勢が目立ってこない日本代表・・。それでも・・
守りを固めてカウンターを狙うマカオ。とはいっても、選手たちの基本的なチカラの差、GKと数人のディフェンダーの不安定さは如何ともし難く・・、なのにどうして・・など、この試合に関する内容については、二日前にアップデートされた「Yahoo Sports 2002 Club」の「J's Voice」で書いたコラムを参照していただきましょうか。「ドイツ代表の例」など、言いたいことのエッセンスは、そのコラムに入っているハズです。
美しくて魅力的、そして力強いサッカー(ここでは攻撃だけですが・・)。それを演出するキーワードは、個人プレーと組織プレーの優れたバランス・・、その両方が有機的にミックスすることで演出される、相手守備組織を翻弄してしまう「変化」・・、素早く広いボールの動き(サイドチェンジなど)で作り出した相手守備の「薄い部分」を突く決定的なワンツーや単独勝負ドリブル・・、前線と後方の選手グループが入れ替わってしまうくらいアクティブな「タテのポジションチェンジ」(活発なオーバーラップ!!)・・、爆発的な「パス&ムーブ」(この、攻撃の基本的なエッセンスがほとんど見られなかったことは本当に大問題!!)・・、オレが行ってやる! という攻撃的な姿勢がビンビンと感じられる「クリエイティブなムダ走り」・・等など。
この試合では、そんな「キーワード」がすぐに頭のなかにイメージされる瞬間が、(もちろん相手のチカラを考えればですが・・)あまりにも少なすぎたことは寂しい限りでした。
最後に、ヤフーのコラムで書いた最後の文章を引用します・・
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ベテラン、中堅、そして若手の代表選手たちが、戦術的、心理・精神的に十分に「融合」するまでには、まだまだ時間が必要なのかもしれない。
しかし、確固たるテーマをもって(高い意識をもって)プレーしなければ、時間だけを浪費してしまいかねない。互いのプレーイメージを、最高レベルでシンクロ(同期)させるためには、全力での「使い」、「使われる」プレーを続けなければならないのだ。相手のレベルに合わせた「ぬるま湯プレー」をいくら続けても、ワンプレーに関わる選手たちのイメージが、ギリギリのところで合致するようなリスクチャレンジプレーを磨けるはずがないのである・・・
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PS:トルシエ監督の去就について一言・・・。
日本サッカー協会は、自ら選んだ代表監督を、深く、次元の高いディベート(議論)を基盤に、精神的にも物理的にも強力にバックアップし、サポートしなければならない立場にあります。ただ彼らの(メディアに対する)信じられないような「ネガティブな態度」によって、トルシエ監督自身がかなり「ディ・モティベート」され「やる気」を失っているのかもしれません。いくらプロコーチとはいっても、モティベーションは必要だし、それをマネージする責任者が協会なのに・・。
また選手たちのなかにも、トルシエ監督の去就について、アフリカのいくつかの国から代表チーム監督就任のハナシがあることなども含め、「協会とうまくいっていないから、本当に代表監督は交代してしまう・・?!」なんていう雰囲気がひろがっているのかもしれません。それほど、選手たちのモティベーションレベルが低いと感じた湯浅でした。もしそうだとしたら、協会はそのことについても責任を感じなければならないと思うのは私だけではないはずです。