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着々と「世界」との距離を縮めていることを『実感』させてくれた日本代表・・素晴らしい!!・・ハッサン二世杯、対フランス戦(2−2・・PK負け)・・(2000年6月5日、月曜日早朝)


本当に、モロッコに行かなかったことを後悔している湯浅です。素晴らしい「内容」のゲーム・・。ここでは「第一インプレッション」だけをまとめます。

 ゴールを決めたこともそうだったのですが、何といっても『自信』あふれる「全体的なゲーム運び(プレーの流れ)」が素晴らしかった。暑いこともあり、フランスの調子は今ひとつではありましたが、それでも、あの「世界チャンピオン」と「タメ」を張ったのですから・・

 『自信』・・。それが「心理ゲーム」であるサッカーにおける「内容」を、ものすごく大きなパーセンテージで左右してしまいます。この試合での日本代表のプレーで、もっとも印象に残ったのが、この「自信あふれるプレー姿勢」だったのです。自信をもって積極的にプレーすれば、「ホンモノの実力差」が見えてくる!! ビビッて、手足が縮こまったサッカーでは、その「差」は無限大に大きくなってしまいますからネ。この試合では、フランスとの「チーム全体の組織力」、「個人的な能力」などに関する『ホンモノの僅差』を実感できた・・。そのことでも、(もっといえば日本サッカーの歴史にとっても)ものすごく意義のある試合だったのです。

 トルシエの「心理マネージャー」としての「良い仕事」に対し、大拍手を送りましょう。

 次に、トルシエの選手起用に対しても拍手を送りたいと思います。何かというと、いま「J」で光り輝いている「セレッソの攻撃コンビ」、西澤と森島を先発させたことです。これまでの森島、西澤は、代表ではパッとしない出来でした。それが、この試合では、(二人同時に出場したことで・・)「水を得た魚」といった大活躍だったのです。

 西澤は、セレッソ同様「ワントップ」(Jほどではなかったにせよ、全体的には有効なポストになっていた!! またスーパーゴールも決めた!!)。その背後から、森島が「例の」スーパーな「ウラ取りプレー」をどんどんと仕掛け続けるのです(セレッソ同様、森島の守備参加も、相手が強いこともあって本当に光り輝いていた!! そしてそのウラ取りから先制ゴールも決めた!! 森島は完璧に一つのヤマを越えた!!)。この、セレッソから「移植した攻撃布陣」。トルシエの「勝負感覚」が存分に発揮されたではありませんか・・

 なんといってもサッカーは、瞬間的に「選手たちの積極プレーマインド」が浮き沈みしてしまいますからネ。トルシエは、この二人の「心理・精神的、そして戦術的な調子」が、「今の」日本では最高だ・・と判断したのです。

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 たしかに個人的なチカラでは、(ヨーロッパ選手権用のベストメンバーの)フランスに軍配が上がります。それでも、フランスの組織プレーにキレが見られないことで、チーム全体のサッカー内容では、日本も完璧に「互角」に対抗できていました。それも日本以外の国で(アウェーで)・・

 日本の「フラットスリー」は、森岡、松田を中心に、例によって「柔軟なブレイクポイント」を駆使して、フランスの大迫力攻撃を受け止めます。彼らの攻撃は、どちらかというと直線的に「中央付近」へ迫ってきます。それも日本守備陣にとって有利に働いたのでしょう。とはいっても、やはりまだまだ「オフサイド・トラップ」が完璧に機能しているわけではありません(ジダンの同点ゴールのことです!)。彼らは、自然な押し上げの場面以外、「人為的なオフサイドトラップ」などは、できる限り「やらない!」という前提で試合に臨んだ方がいい・・湯浅はそう感じます。何といっても、世界は「オフサイドを取らせない・・」という方向へ進んでいるのですからネ。

 ともあれ、柔軟に、クレバーに、そして力強くフランスの攻撃を受け止めた日本の「最終ライン」に拍手を送ります。

 サイドですが、右の伊東は、例によって「確実・堅実・クレバー」に機能していました。忠実な守備を基本に、チャンスを見計らってのオーバーラップ、そして勇気をもった「個人勝負」。頼もしい限りです。

 左サイドは、これまた「例によって」、中村と名波が、臨機応変に「入れ替わり」、中盤での組み立てを支えます。この二人は「あうんの呼吸」のレベルまで入ってきた?! 二人とも「技術系」ですし、そこにホンモノの信頼関係を感じるのです。

 稲本も、例によっての「安定した(激しく力強い)」守備プレーを披露していました。もちろん中村、名波、中田、そして(最前線からどんどんと守備参加してくる!)森島が実効あるカタチで守備に絡んでいたこともあったのですが、何度も彼が中心になった「中盤でのプレス勝負」が成功した場面を目撃しました。よし、それだ! その「中盤での守備のリスクチャレンジ」が、「世界につながる自信」を、数ステップ、押し上げるのだ・・と思ったものです。

 中田については、二列目で、それも「有名」だから、どうしてもフランス中盤守備のターゲットになってしまいます(デシャンやプティー、はたまたビエイラの彼に対する当たりの厳しいこと・・)。それでも、例によっての「アクティブ守備参加」をベースにしたチャンスメイクが光り輝くシーンを何度も目撃しました。彼の「パフォーマンス」は、どんなレベルのサッカーでも安定していることこの上ありません。さすが、本場で鍛えられた「中盤の王様」ではあります。もちろん、あまり目立った活躍でできなかったことで、日本のメディアはネガティブに書くのかもしれませんけれどね・・(相手は世界チャンプなんだゾ・・っと・・)

 中村と交代した三浦について・・。彼の才能レベルは、日本随一。それは、「あの」ジーニョが心から認めていたことです。この試合でも、「攻撃」では、その能力・才能レベルの高さを証明しました。中田も、彼の「攻撃能力」を信頼していますから積極的にパスを回していました。ただ彼は「基本的にはサイドバック」なのです。だから、まず確実・忠実な守備を基本にしなければ・・

 日本の(西澤の)「二点目」を演出した三浦でしたが、そのすぐ後の、ジョルカエフが飛び込んだ同点ゴール(フランスの二点目)では、彼は、「かなりのウェイト」で責任を負わなければなりません。左サイドを突破したフランスが、日本ゴール前へ決定的な「ラストパス」を送り込むことは分かっていたし、それに合わせるのが「後方から走り込む(つまり三浦が最後までマークしなければならなかった)」ジョルカエフだったことは明白ですからね・・(あの状況で、後方から走り込むジョルカエフを最終守備ラインの大岩が抑えるのは至難のワザ!!)・・

 そのシーン以外でも、彼の守備参加が「鈍い」シーンを何度も目撃しています。私がいっているのは「ボールがないところでの守備」のこと。森島が、中田が、どんどんと前方から戻って、積極的に「ボール奪取」を仕掛けているのに、彼は止まってそれを見ているだけ。フランス選手の「ボールがないところでの走り込み」に付いていかず、フリーで「行かせて」しまったシーンを何度目撃したことか・・

 くり返します。彼の「能力」は日本有数です。だから、攻守にわたって「積極的に自分主体でプレーするという意識」さえ向上すれば、日本を代表するだけではなく、世界でも確実に通用する選手に成長すると思うのです。とにかく、まず「ボールがないところでの守備」をしっかり・・

 確かに守備は「受け身」ではあります。ただそれを「自分主体(予測主体のアクティブ守備)」にすることも、意識さえ鋭く保っていれば、また彼ほどの才能ならば「容易」にできるようになる違いないと思うのは私だけではないに違いありません。

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 ちょっとまとまりがないようにも思いますが、「ベストメンバー」の世界チャンピオンに対し、「内容的」に、自信を持って持てるチカラを出し切った(そして世界との差が縮まっていることを実感させてくれた)日本代表に対し、大拍手をおくっている湯浅でした・・マル

 (あっ、そうそう、PK戦には心理的に大きな差は感じましたがネ・・)




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