このHPでは、とりあえずオリンピックのレポートをすることになっています。そちらもご覧アレ・・
さて試合ですが、とにかく「鉄は熱いうちに打て」ということで、モウロウとし始めたアタマにむち打って要点だけをまとめることにしました。このレポート以外に気づいたポイントについては、後日、「ヤフー2002クラブ」で書くことにします。
このレポートでのスタートラインは、モロッコがアフリカの強豪であるということ。そして、その「強い相手」に対し、(試合後のインタビューで、「6人ほどケガをしてしまって・・」というモロッコ監督の弁はありましたが・・)日本代表が、技術的、戦術的に彼らを明らかに凌駕する立派な戦いを披露したことです。
その「立派な戦い」のベースが、彼らの、発展し続ける「自信」であることは言うまでもありません。スポーツナビゲーションでも書いたのですが、自信レベルが不安定になると、どうしても消極的になり、自らのチカラを100パーセント発揮できずに心理的な悪魔のサイクルに落ち込んでしまうもの。ただ今のオリンピックチームは、本当の意味で世界と勝負できるだけの自信をつけてきていると思うのです。そうです。世界との僅差「最後の10パーセント」での戦いができるまでに・・
頼もしい限りです。
ここでは、戦術的なワンポイントだけに絞ってハナシを進めす。それは、数日前のクウェート戦同様、日本代表が、後半にシステムを変えたということです。そうです。中田を「半二列目」に置き、柳沢をワントップにしたのです。もちろん中村が二列目。そしてこのシステムチェンジが功を奏し、後半に二点を奪って逆転勝利を収めたというわけです(もちろん前半にも良いチャンスを作り出してはいましたが・・)。
前半の日本代表は、稲本の「ワンボランチ」。その前に中村と中田が位置します。この二人ともに守備意識は高いですから(中村の守備意識も大幅に向上!)、守備組織が大きく崩されるというシーンは目立ちませんでしたが、それでも守備ブロック全体が少し不安定だったのは確かなことです。というのも、中村にしても中田にしても、純粋ボランチではないわけで、誰の目にも明らかに危ない状況が訪れる・・というシーン以外では、ボールがないところで走った相手を「最後まで」マークし続けるというポイントに少し甘さが見えたからです。最終守備ラインとワンボランチの稲本は、「前(周り)」のチームメイトによる相手マークをベースに、相手の次の攻撃(守備の勝負所)を予測しますから、「安定しないマーキング」によって、ボール奪取ポイントの絞り込みがやり難かったに違いありません。
それ以外にも、モロッコの危険な両サイドが(ドリブル突破能力は脅威)上がり気味だったこともあって、前半の日本代表の両サイド、明神と三浦のオーバーラップにも、何か「後ろ髪を引かれる」印象がありました(稲本はワンボランチだから、いつも完璧にカバーリング出来るわけではない!)。
フィリップの「攻撃戦術」では、両サイドの押し上げが「重要なコアの一つ」なわけで、その意味でも、ダブルボランチにして「バックアップ」を確実なものにしておく方が「攻めにおける心理的な安定度」は格段に高まります。というわけで、明神と稲本の「ダブル」にもどした後半は、左サイドの本山(目の覚めるロングシュートをドカンと決める!)、右サイドの酒井が、実効あるオーバーラップを魅せるようになりました。
前回のクウェート戦のコラムで、「ワントップ」も実効システムとして実証された・・と書きました。中田が「トップ下」に入り、ラストパスや勝負ロングパス、はたまた変幻自在のドリブルがうまい中村が「二列目」になることで(またワントップの柳沢が素晴らしいトッププレーを魅せ、両サイドと一人のボランチの押し上げが積極的になったことで)、日本代表の攻めが、本当に変幻自在で危険なものに変容したと感じたのです。
とはいっても、ゲームの立ち上がりは、オーソドックスに「ツートップ」で臨むのが良いのかも・・。そして後半に「攻撃システム」を大胆に変更する・・。つまり、そのことで相手守備がうまく対処できなくなってしまう(対処に時間がかかる)・・という「効果」も、捨てがたいと思っている湯浅なんです。
これは、昨年のオリンピック予選で、カザフスタンと戦ったときにも用いた「ゲーム戦術的な変更」だったのですが、そのときも、中田が最前線へ上がるというシステムチェンジが本当にうまく機能して逆転劇のベースになったものです(昨年11月7日のトピックスを参照)。
最初はダブルボランチで、中村が左サイドに入る(?!)。もちろん中田が一人で「二列目」を務める。そしてシステムを変更した後半には、上がり気味になった中田に対する相手マークの迷いが生じるだけではなく、(相手守備陣の集中力も低下してきているだろうから)中村の「ラストパス」や本山のドリブル突破がより効果的に生かされる・・そんなイメージを抱いているのですが・・
もとあれ、今日のモロッコ戦における日本代表の「ゲーム内容」は、本当に頼もしい限りではありました。
それ以外にも、ゴールシーンには直接からめなかったものの、世界が認めた「シンプルプレーの天才」、中田の実効ある「攻守にわたるアクティブプレー」、一皮むけた中村のクリエイティブプレー(守備にも積極参加、またボールがないところでのフリーランニングもグッド!)、「覚醒の予感」がする三浦、一頃の「吹っ切れたドリブル感」を取り戻しつつある本山、相変わらずのダイナミックな堅実・大胆プレーを魅せる稲本、クレバーな「バランサー」明神、ボールがないところでの勝負フリーランニングだけではなく、最前線での実効キープでも頼もしさが一段と増した柳沢、またちょっと課題の見えた守備ライン(中盤守備をすり抜けドリブルで迫る相手への対処など)等など、書きたいポイントは山ほどあるのですが、「ヤフー」で出来る限りカバーしますので・・
中途半端ですが、それでは今日はこの辺りで・・オヤスミナサイ・・