何といっても、中盤での攻守にわたるダイナミズムが快感です。守備では、六人の選手たちが(最終ラインはフラットスリー)、どんどんと中国の「次の攻撃意図」を読み、ボールを奪い返してしまいます。そしてそこから鋭い攻撃を仕掛けていく・・
たしかに前半の立ち上がりは、中国の中盤プレッシャーに苦しみ、チャンスも簡単には作り出すことができません。それでも、前半も20分を過ぎたあたりから、「チーム力の差」というか、両チームの「戦術的な発想の差」が明確に感じられるようになっていきます。
そして後半は、日本チームが「内容的」に中国を圧倒し、何度も、素早く広いボールの動きから、またタイミングをわきまえた鋭い「単独勝負」から、中国守備ブロックを「振り回して」しまうような「自分主体のチャンス」を作り出します。
先制のロングシュートを決めた森崎(サンフレッチェ)がこの試合の最優秀選手に選ばれたのですが、その攻守にわたるアクティブプレーは、まさに「最優秀」。それにしても、彼の落ち着き払った「強烈なロングシュート」は、見事! の一言です。
前後左右にどんどんとポジションチェンジしながら、ダイナミックな攻撃を形づくる前田(ジュビロ)、飯尾(ヴェルディー)、山瀬(コンサドーレ)の「前線トリオ」だけではなく、両サイドの石川(マリノス)、駒野(サンフレッチェ)、森崎のボランチパートナー、青木(前橋育英高)などもタイミングの良い攻め上がりを魅せます(石川の、最後はオレがいく!という積極姿勢が実を結んだ追加ゴールに乾杯!!)。そして、羽田(アントラーズ)、池田(エスパルス)、中沢(市立船橋高)で構成される鉄壁の「フラットスリー」。いや、素晴らしい・・
ここでリストアップしたとおり、このアンダー19代表の強さ(身体・技術・戦術的な部分だけではなく、自信という心理・精神的な部分でも・・)は、「J」がベースになっています。「J」という目標を得た若者たちの、サッカーに対する「取り組み方」が格段にレベルアップしただけではなく、各クラブでのユースサッカー、能力のある子供たちをピックアップする「トレーニングセンター」などの「全体システム」がうまく機能している・・。そんな(物理的・心理的)インフラストラクチャーの「コア」としての「J」が、この強いアンダー19代表の基盤だということです。
オリンピック代表、日本フル代表、そしてアンダー19代表の、「内容が詰め込まれた活躍」・・。日本が、本当の意味で「アジアの盟主の一人」になったと実感します。
願わくば、決勝で「再び」イランとやって欲しかったんですが・・(あんなにたくさんの決定的チャンスを決められずにPKでイラクに破れてしまったイラン・・もうそれは神様のイタズラとしか言いようがない・・)