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「世界との僅差の体感」を、次のステップへ・・スペイン代表対日本代表(1-0)・・(2001年4月26日、木曜日)


結局、完徹になってしまって・・。ということで、ここでは、「ファースト・インプレッション」レベルのレポートだけにとどめ、一寝入りしてから、テーマ毎に詳細分析をしようと思っている湯浅なのです。

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 いまニュースを観ながら書いています。自民党の新総裁に選出された「頑固な」小泉さん、いいじゃないですか。「党は、やっと、ボクが本気で派閥にとらわれずに閣僚人事をやるということを理解しはじめたようだ・・」なんてネ。

 ここなんですよ、敬意を払われ尊敬されるリーダー(パートナー)であることのキーポイントは・・。「常に、懐に辞表を携えながら、プロとしての誇りをもって、自らが信ずる良い仕事をする・・」。守りに入ったリーダー、つまり「本来の目的を違えたリーダー」、「パイオニアであること、自分が歴史を作るんだという『志』を失ったリーダー」なんて、誰からも共感されるはずがありませんからネ。

 とはいってもそこは、全体的に「守り」体質の自民党のこと。小泉さんがどこまで出来るのか・・見守りたいですね。

 さてハナシ変わって、フィリップ・トルシエ。とにかく、「その時点」で自らが信ずることを、「周り」に影響されることなく貫く。頑固ですネ〜〜(プロとして当たり前!)。もちろん「自らが信ずる軌道修正」はどんどんとやらなければなりません。「だって、前にはアンナことを言っていたのに・・」とかいうノイズは、無視しちゃいましょう。まあ、私が言うまでもなく、いつも無視していますがネ。

 さてスペイン戦。相手が強い場合は、両サイドバックの「攻撃参加」を少し減速し、そこでの守備を強化なければならないことは、フランス戦で実感したこと。相手のチカラが劣れば、両サイドバックがどんどんと押し上げても、フラットスリー(その両サイド)と守備的ハーフのコンビネーションで何とかカバーできてしまいますからネ。

 ということで、この試合での両サイドバックは、どちらかといえば「守備クオリティー」に比重が高い選手(波戸と服部)を起用しました(でも、特に波戸の攻撃参加には鋭いモノはありましたけれど・・)。そのことでサイドがある程度は安定し、スペインが攻めあぐむ展開になります。

 とはいっても、ここが本当に大事なところなのですが、相手が強い場合、ほんのチョットしたところ、本当に、ほんの些細なところ(目立たない小さなミスなど)で勝負を決められてしまうという事実があります。このことについては、以前、浦和レッズにいたギド・ブッフヴァルトと話したことがあります。「守備的にやれば、ある程度は守れるだろうな・・でも日本人は、本当に最後の最後の勝負ポイントで気を抜いてしまうことが多いと感じるんだよ。それが致命傷に・・」。

 それなんですよ。たしかにスペイン代表は(特に後半)攻めあぐみました。逆に日本の守備ブロックは、(まあグラウンドコンディションが良かったことも大きな要因ではあったのですが)しっかりと守りましたし、攻撃でも、フランス戦から比べれば、希望の光が見えてくるような展開も出てきていました。ただ・・

 私が言いたいことは、ほんのチョットした集中ギレのことです。立ち上がりのスペイン代表は、「コイツら、オレたちが考えているより強いぞ・・。フランスに5点も叩き込まれたから甘く見ていたけれど・・」なんて思っていたに違いありません。そして前半15分あたりから、やっと本来の「真剣」な(気合いの入った)プレーを展開するようになっていきます。(特に中盤の)守備でも、また、攻撃でも。

 守備では、中盤での「読みマーク」が厳しさを増し、攻撃では、例によって「ボールのないところでのプレー」に、格段のダイナミズムが出てきたと感じました。そして彼らは、日本チームの、ほんの「チョットした気持ちのスキ」を突いてくるのです。チャンスのニオイを嗅ぎつけた複数の選手たちが、爆発的フリーランニングで決定的スペースへ怒濤のごとく走り抜けるシーンを何度目撃したことか・・。日本のフラットスリーも、そんな彼らの迫力満点の「勢い」を肌身に感じていたに違いない!?

 たしかに日本チームは、忠実に、そしてクリエイティブに守ってはいました。それでも、(特に)スペイン左サイドのムニティス、右サイドのパブロを起点に、何度か、決定的なカタチを作られてしまいます。

 まずムニティス。スッと切り返すことで、一瞬ではありますが、波戸との「間合い」を空け、ラウールへのラストパスを通したシーンがありました(このシーンでは、ラウールの前へ突っかける動作で、森岡が、一瞬、間合いを空けてしまった!)。そしてラウールに、ダイレクトでの決定的シュートを打たれました(川口の正面・・ラッキー!)。またムニティスが、波戸が上がったことで空いた左サイドのスペースを使い、危ないセンタリングを上げたシーンもありました(そのシーンでは、伊東のカバーが遅れたのですが、たぶん彼は、ムニティスまでのサイドチェンジパスは飛ばないだろうとイージーに考えていたのでしょう)。

 波戸の出来は出色でした。彼がしっかりと体勢を保った状態ではムニティスは、ほとんど決定的な仕事はできません(決定的なドリブルシュートの場面でも、最後はしっかりとシュートを足に当ててクリア!)。それでも、ほんのチョットしたスキを突くスペインの攻めに、彼らの「ギリギリの勝負における深い体感」をヒシヒシと感じていた湯浅でした。

 また右サイドのマニュエル・パブロも、ピンポイントセンタリングからの、エルゲラのヘディングシュートを演出したり、上村の視線を一瞬ぬんすでファーポストスペースへ走り抜けたサルバへの、これまたピンポイントのサイドチェンジセンタリングを送りこむなど(折り返しをシュートされる!)、良い仕事をしていました。

 そしてラウール。やはり彼は天才です。シュートポジションへのクレバーな入り方だけではなく、シュートへ向けた最終勝負への飽くなき積極姿勢、そしてゴールを挙げることに対するどん欲さ。前半だけで交代した彼が放った決定的シュートは、3〜4本はあったと思います。大したものだ・・。そして彼が抜けた後半、スペインは、本当の意味で攻めあぐんでしまうのです。

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 私が言いたかったポイント(ほんのちょっとしたところ)は、中澤のミス(ラインポジショニングのミスと、最終勝負マークミス)で失ってしまった、後半ロスタイムにおける決勝ゴールもそうですが、しっかりと守っていながらも(守備強化のゲーム戦術で試合に臨んだにもかかわらず)、結局はスペインに、前述したような決定的シュートチャンスを何度も作り出されてしまったという事実のことです。

 その「事実」を、「勝負の体感」として、ビデオなどを介し、何度も、何度も反芻しなければならない・・。本気になった世界トップチームとの勝負における「またとない学習機会」を無駄にしてはならないということです。

 とにかく、世界の一流と「かなりのハイレベルな本気マッチ」をやることの意義は、「世界との僅差」を、冷や汗とともに体感することですからね。もちろん、守備においても、攻撃においても・・

 厳然と存在する世界との僅差。それは、体感することでしか埋めることができないものなのです。

 あ〜〜睡魔が・・。ちょっと寝ることにします。では・・




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