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フラットスリーも、まあまあ、うまく機能していましたヨ・・スペイン代表対日本代表(1-0)・・その2・・(2001年4月27日、金曜日)


ちょっと寝てから、ビデオを見直しました。テーマは、「フラットスリー」。

 あっと・・。この「二番目」のレポートを書くためのモティベーションが高まった背景が、小泉新総理が、「本当(本来)の意味」でのリーダー的な姿勢をみせつづけていることに「元気」をもらったからかもしれないことを、まず書いておかなければ(このことについては、この前の第一回目レポートを参照してください)。

 小泉さん、日本の人々に「元気」を与えつづけてくださいよ。何といっても今の日本では、過去の「サイレント・マジョリティー」が、「ノイジー・マジョリティー」になりはじめているんですからネ。そんな人々は、皆、あなたをサポートしていますよ。とにかく「辞表」を懐に、「大胆に、そして柔軟に」、やりたいことをしっかりとやってみたください(もちろんそのプロセス内容によっては、国民から見放されてしまうかもしれませんがネ・・)。ちょっと蛇足でしたが・・

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 さて、ではまず、フラット守備システムの「原則」から・・。少し分かり難いかもしれませんが、とにかくイメージを膨らませてお読みくださいネ。

 フラットラインを組んで相手攻撃を迎え撃つのは、相手が「中盤で組み立て」て攻め上がってくる状況に限ります。つまり、一発ロングパスやカウンター攻撃の状況では、はじめから「ラインはブレイク」した状態で対応せざるを得ないということです。

 そのように、相手が、中盤で組み立てて攻め上がってくる状況のとき、彼らの「前後」のボールの動きに応じて最終守備ライン(=オフサイドライン=ラインを構成する選手全員が、自分たちがオフサイドラインだと意識できることが原則!)を、上げ下げします。

 相手が後方へボールを動かしたら、スッとラインを上げます(相手トップをオフサイドの位置にすることでタテパスを出せない状態にする!)。相手はタテパスを出せないから、中盤でプレーできる「ゾーン」そのものが狭くなり、中盤の味方によるターゲットを絞った「協力プレス」の大いなる支援になるというわけです。

 また、フラットラインがうまく機能するためには、中盤での「攻撃の起点(ある程度フリーでボールを持つ相手選手のこと)」に対する効果的なチェックが、うまく機能することがキーポイントになります。要は、最終ラインが、「どのタイミングで、どこへ、最終勝負のラストパスが出てくるのか」を、正確に予測できるように、今度は、中盤の味方選手たちが、最終ラインを「支援」するわけです。もちろん理想的なのは、相手が、まったく、決定的スペースへ向けたスルーパス・タテパスを出せないことなんですが・・

 そして、相手トップが、自分たちのラインのレベルまで下がってきた状態で、もし相手がタテパス(ロングパス)を出せる状況になったときには、そのパスのタイミングを「読んで」、今度はスッと下がり、そのパス自体を最初にカット・コントロールしてしまおうというわけです。

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 さて、相手の攻撃が、最終仕掛け状況に入ってきたとき(この状況は、本当に瞬間的に訪れますから、判断するのは難しいですが、自軍ゴールに近いゾーンで、相手が攻撃の起点を創り出した瞬間・・と考えるのが典型的)、そして相手トップが、「ラインに溶け込んで」いる状況にあるとき・・、それが、「最終勝負のラインコントロール」ということになります。

 もちろん「溶け込んでいる」相手トップ選手たちは、縦横無人に動き回ります。そんな彼らに対する「マークを(チェックする意識を)」受けわたし、実際にパスがくる状況になったら、そのパスを「読んで」、ボールを奪い返すアタックを敢行するというわけです。

 例えば、相手トップ選手が「下がって」タテパスを受ける場合。もちろんケースバイケースではありますが、原則的には、ラインのなかの一人が、「ブレイク」して上がり、アタックを仕掛けます。その際、そのブレイクした選手が上がった後に、最終ラインに「スペース」ができてしまうわけですが、ラインを形成する選手たちが「横方向へ縮む」ことで、スペースを消す方法と、スペースはそのままにして、他の味方選手たち全員が「マンマーク」へ移行し、そのスペースを使おうとする相手選手をマークしてしまう方法があります。まあ、後者の「ブレイク後のマンマークへの移行」が、現実的ですし、世界のトップチームもその対処法を『柔軟に』採用し、最終勝負において「ラインをコントロール」しているんですよ。

 さて、もう一つの「最終勝負のラインコントロール」と、その「神髄」。それは、相手のパスレシーバー(トップ選手)が、フリーランニングで決定的スペースへ「抜けだそう」としているときに、相手ボールホルダーが「ある程度フリー」で、最終ラインに迫ってくるような状況です。

 ここで、そのトップ選手を(オフサイドに引っかけるという意図をもって)「行かせて」しまうのか、ブレイクし、マークに付いていくのか・・。その判断が、もっとも難しい瞬間なのです。

 もちろん、トップ選手ではなく、二列目、三列目の相手選手が、「後方から」フリーで、決定的スペースへ抜け出そうとする状況では、最終ラインは「迷わず」ブレイクし、付いて行かなければなりません。そんな状況で、「早いタイミング」でスルーパス・タテパスを出されてしまったら・・、また、その「完全に加速して、後方から走り込んでくる」相手選手への対応が遅れたら・・。結果は、火を見るよりも明らかですよネ。

 ・・と、ここまでが、まあ「一般的」な、フラット守備システムの原則です。もちろん、ケーススタディーは「無限」ですから、ここで全てを網羅できるハズもありませんが、とにかく相手選手に、「決定的スペース」で、「ある程度フリー」でボールを持たれてしまったら(もちろんダイレクトシュートを打たれてしまうようなシーンも含みますヨ!)、それは「フラットスリー」が崩された・・と言われても仕方ないということです。

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 さて、今回のスペイン戦。サイドバックを守備的にしたこと、また常に三人の守備的ハーフが、効果的な中盤ディフェンスを魅せていたこともあって、日本のフラットラインが破綻することはありませんでした。

 前半に何度かあったピンチのほとんどは、どんな守備ラインシステムでも起こり得るものでしたからネ。ただ気になったことはありました。

 例えば、ラウールが中距離シュートを打った場面とか、エルゲラ(だったと思うのですが・・)、はたまたムニティスなどが、ドリブルからの中距離シュートを打った場面では、例外なく、「二人目」の選手が、決定的スペースへ走り抜けていました。それに対し、日本のフラットラインは、いつも「行かせて」しまって・・。ビデオで確認したタイミングでは、もしシューターが、「シュート・フェイント」でスルーパスを出したら、完全に「ライン崩し」につながってしまうシーンが、何度かあったのです。

 まあそれでも、日本のフラットラインを見ていたら、彼らが、意図的に「行かせた」ことは明確です。例えば、エルゲラ(だったと思うのですが・・)が後方からドリブルで上がりロングシュートを打った場面。そこでは、サルバが、確実なタイミングで、タテの決定的スペースへ抜け出していました。それに対し日本のフラットラインの森岡、上村は、完全に、サルバを「行かせて」いたのです。フム・・。

 また後半21分には、フリーでボールを持つバラハ(最終勝負の起点のことですヨ!)からのラストパスのタイミングを見はからい、「わざと」、ホセ・マリを(早すぎるタイミングで)決定的スペースへ走り込ませてオフサイドを取ったシーンもありました。

 この確信(自信)があれば・・とは思うのですが、フランス戦では、同じような場面で、何度かスルーパスを決められていましたからネ・・。まあこのような「最終勝負のラインコントロール」は「両刃の刃」だということです。もちろん守備でも「リスクチャレンジ」がなければ・・とは、いつも湯浅が言っていることなのですがネ・・

 とはいっても、全体的には、「ブレイクポイント」と「その後の柔軟な対応(マンマークへの移行だけではなく、再びラインを組むケースも多い)」は、「まあまあ」うまく機能していたとすることができそうです。そう・・、終了間際の、失点の場面を除いて・・(実をいうと、後半7分に一本だけ、バラハの浮き球スルーパスが、右サイドの決定的スペースへ走り込んだホセ・マリにピタリと合い、ヘディングシュートされた場面がありました・・でも川口の正面に飛んだから事なきを得た・・)。

 あのシーンでは、上村と交代した中澤が、二度のミスを犯しました。

 一度は、素晴らしいインターセプトからボールを奪った中田浩二が、タテパスを出すまでの間に、森岡、服部とともに押し上げなかった(相手の攻撃を抑え、ボールを奪い返してタテへボールを動かしたら、まずラインを上げることは原則!)。そして、残ってしまったから、ムニティスからのスルーパスに合わせて決定的スペースへ走り込むバラハをチェックできたのは中澤しかいなかったにもかかわらず、マークアクションの反応が遅れてしまっていた・・

 中澤が、このミス(勝負の試合での失敗体感)を、次のステップのモティベーションにしてくれることを願って止みません・・




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