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コンフェデの「雑感」と、ドイツ代表についてちょっとだけ・・(2001年6月15日、金曜日)


お約束した、コンフェデカップに関するより詳細な分析レポートですが、どうもビジネスに時間をとられてしまって・・。何といっても10日間、コンフェデにかなりの時間を割いていましたからネ。私のHPだけじゃなく、スポナビやサッカーマガジン、「2002クラブ」や他のプリントメディアなど、平行して書いていましたから・・。ということで「詳細分析」については、もう少しお待ちください(なんて言っている間に、時間ばかりが過ぎていってしまう!?)。

 本日(金曜日)のスポナビでは、日本代表が目指す「チーム戦術」と、強い相手と戦う際の「現実的なゲーム戦術」というテーマでコラムを一本アップしました(トップページにリンクボタンがありますので・・)。

 フィリップが、スペイン戦において初めて採用した「現実的なゲーム戦術」。それについては、様々な意見がありますが、皆さんもご覧になった通り、世界の壁は、本当に厚いわけで、そんな相手と互角の勝負を挑んでいくわけにはいきませんからネ。

 そのことは、グラウンド上でプレーする選手たちが肌身に「体感」するわけで、その「グラウンド上の真実」をベースに、彼らの「その試合でのプレー傾向」が決まってくるというわけです。攻守にわたって積極的にリスクにチャレンジしていくのか・・、それともちょっと守備ブロックを固めにして、注意深く押し上げていくのか・・。

 でも「あの」フランス相手じゃ、世界中のどのチームだって「内容的」に互角のサッカーなんて展開できませんよ。まあ現状では、アルゼンチンくらいじゃないですかネ、互いに「目指すチーム戦術」で仕掛け合えるとしたら・・

 日本が素晴らしかったのは、とにかくカメルーン戦。試合前は、「どこまで出来るのかな・・」なんてことを思っていたのですが、選手たちは、試合がはじまってすぐに「確信」したに違いありません。これだったら、どんどん仕掛けていってオーケーだゼ!

 なんといってもカメルーンは、「例によって」、守備でのポジショニングバランスが悪いわ(だから個人プレーのディフェンスが目立ってしまって・・)、また攻撃に転じても、ボールの動きがカッタるいわ(だからタテへの速度が上がらない・・)。もちろん「局所的な個人勝負」では、日本選手がかなうはずはないですがネ・・。

 というわけで、「グラウンド上の真実」に基づき、日本選手たちの攻守にわたる中盤プレーが、「自分主体」で、素晴らしくダイナミックなものに成長していきました。爽快なことこの上ないのですが、選手たちにとっても、そんな「ゲームのなかにおける自分たち主体の成長」は、大いなる「自信ソース」になったに違いありません。

 コンフェデカップにおける日本代表の選手たちは、過去二年間に積み重ねた「世界に対抗するための自信」をベースに、グラウンド上で、相手のチカラを「柔軟」に判断することで、チーム一体となった実効あるプレーを、うまく実践できていました(攻守にわたる積極的なリスクチャレンジ・・または守備ブロックを固めた上での蜂の一刺しのカウンターねらい等)。そのことに、彼らの大きな成長の証を見ていた湯浅でした。

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 さてドイツ代表ですが、ここまでのワールドカップ地域予選の成績は、もうダントツ。でもそれは「数字」の上でだけ。内容は、決して満足いくものではありません。ルディー(フェラー)監督と、ミヒャエル(スキッベ)ヘッドコーチのコンビも、これからが正念場といったところです。

 たしかに、ダイスラーを「二列目」に配置するとか、アザモアを使いつづけることで、チームにおける彼の「(心理的)ポジション」を確固たるものにするとか(チーム内の信頼感の醸成)、遅々とした歩みではありますが、発展はしているようですがネ・・

 でも、やはりトップに「コア」がいない・・と感じます。もっと「新しい風」が必要だと思うんですよ。若手が伸びていないことが心配です。とはいっても、ドイツ代表の「平均年齢」が高いことは「伝統」なんですが・・

 そんなネガティブ要素は目立ちますが、でもそこはドイツ。フラットスリーを基盤に、早めのラインブレイクから、「例によって」の忠実・厳格なマンマークへ確実に移行していきます。また中盤ディフェンスでは、安易に当たりに行かずにマークをつづけ、相手のミスを見逃さずにタイミングの良い勝負を仕掛けることで「安定したボール奪取」を魅せつづけます。守備だけは「例によって」安定しているドイツ代表・・

 「何だ、それじゃ結局ドイツが強いっていうことを言いたいんじゃないか・・」って!? いやいや、今年二月に行われたフランスとのトレーニングマッチの「内容」を見ていますからね。彼らは、「世界トップ」に大きく溝をあけられているのです。もう彼らは、世界トップとは互角に戦えなくなっている・・、そしてその溝を埋めるには、気が遠くなるほどの長い時間がかかるだろうな・・ということが言いたかったんですよ。寂しい限りではあるのですが・・

 ワールドカップの本戦には出てくるでしょう。でも、あんな、守備での強さばかりが目立つ内容では、世界のサッカー地図において、「ある」確固たる「戦術ベクトル」を提示できる(存在感を発揮できる)はずがありません。

 問題の本質は、今でも、「若い才能たち」に実戦経験を積ませる「場」が十分に提供できていないということです。まあこのことは、「リーグのブランドネーション(ドイツ、イングランド、スペイン、イタリア)」における共通の悩みではあるのですが・・

 その意味で私は、今回の「世界ユース選手権」に大いに注目しています。日本代表はもちろんなんですが、ドイツの将来を担う若者たちも参加していますからネ。

 ドイツの初戦は、日本時間で月曜日の未明。相手はブラジルです。血わき肉おどってしまいます。世界ユース選手権も、日本代表とドイツ代表を中心にレポートするつもり。初回は、もちろん「ブラジル対ドイツ」の一戦です。ご期待アレ・・




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