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アジア「U20」選手権・・彼らにもまた、「トーナメントを通した本物ブレイク」を期待できるだけの吹っ切れた積極プレー姿勢を感じます・・「U19」日本代表vsサウジアラビア代表(2-1)・・(2002年10月17日、木曜日)

素晴らしい!! この「U19日本代表」は、本当にチームとしてハイレベルにまとまっている・・というか、選手たちのプレーイメージが、実にハイレベルに連鎖している・・攻撃でも、守備においても。

 もちろん「世界」のレベルと直接的に比較するわけではありませんが、彼らの、攻守にわたる「組織と個がバランス」したプレーは本当にインプレッシブでしたよ。

 ゲーム開始当初は、中盤での積極ディフェンスからサウジを押し込んでいく日本代表でしたが、この気候条件(気温31度、湿度65パーセント)ですから、徐々にペースが落ちてくるのも道理。それでも、ペースが落ちたら、落ちた「なりの」バランスのとれたプレーにも秀でたインテリジェンスを感じていた湯浅でした。

 バランス。まず何といっても、守備でのポジショニングバランスがいい。ボールを奪われた瞬間から、「その時点でもっとも有効」なポジションを探すという積極姿勢を感じます。もちろん、相手ボールホルダーと、次のパスレシーバーを「イメージを描く」際のコアに置きながらネ。そして、相手ボールホルダー(次のパスレシーバー)に対する忠実な「初期チェック」を繰り出しながら、味方同士のポジショニングバランスを、どんどんと微調整していくんですよ。これだったら、相手のボールの動きが停滞した瞬間での「集中プレス」だけではなく、次のインターセプトに対しても明確なターゲットを描きつづけられるだろう・・。とにかく、彼らの効率的&効果的、そして忠実なディフェンス姿勢に感心しきりの湯浅でした。

 もちろん、そんな効果的なディフェンスがうまく回転していた背景には、組み立て段階は別にして(安全な組み立てパスはしっかりと回る)、仕掛けが、限りなく「個」に偏っているサウジアラビアだから・・というポイントがあります。多分、U19日本代表の選手たちは、そんなサウジの「仕掛けリズム」を、ビデオを使ったイメージトレーニングなどで、しっかりとアタマに焼き付けて試合に臨んだのでしょう。だから、安易なアタックは仕掛けず、効果的なウェイティングでサウジの仕掛けリズムを断ち切りながら(遅らせながら)、彼らの「次のプレー(パスやドリブル勝負)」の可能性を狭めながら、効果的なボール奪取を披露する。フムフム・・。

 次が、組織的な組み立て(しっかりとしたボールの動き)をベースに、ココゾ!の場面で「個の勝負」を仕掛けていくなど、メリハリの効いた、組織プレーと個人勝負プレーの「バランス」です。ボールのないところでのアクション(フリーラン)も忠実だし、仕掛けでのパス&ムーブにも、「事前」に勝負所をイメージしていると明確に感じます。本当によくトレーニングされたチームだ。

 それでも、サウジも高い能力を備えたチームだから、全体的な試合の流れは互角。また例によって、高い「個の能力」をベースにしたサウジの守備ブロックは強いから、最後の仕掛けでは、どうしても崩しきるところまでいけない(決定的シュートチャンスを作り出すところまでいけない)。

 サウジが、後半のキックオフホイッスルが鳴った数10秒後に先制ゴールを挙げたときは、これは難しいゲームになるな・・なんて感じたものです。

 先制パンチのシーンでは、日本の最終ラインが、ゴールを挙げた選手に決定的スペースへ走り抜けられてしまいました。まあ、「普通」だったら勝負パスが出る状況ではなかったですからね。それでも、チョン!というチップキックで、見事な「ラスト・ロビングパス」を通され、あっ!と気付いたときには、相手シューターがまったくフリーでボールを持ってしまったという次第。とにかく、この完全にウラを取られたシーンは、彼らにとって素晴らしい学習機会になったことでしょう。

 「世界レベル」のサッカーとの「最後の10パーセントの差」の本質的なところは、やはり、最終勝負シーンにおける「仕掛けイメージの量と質」です。要は、「エッ! あの状況でも最後まで走り抜けちゃうのかい??」とか、「エッ! あんな体勢からでもラストパスが出てきちゃうのかい??」等々ってな具合だというわけです。とはいっても、あのシーンで飛び出した(決定的フリーランニングとうまくシンクロした)サウジのラストバスは、どちらかといえば、「エイヤッ!」といった、イチかバチかのトライが奇跡的に成功したに違いないとは思いますが・・。とにかく、日本のディフェンスラインにとっては、自分たちの「発想を超えたコンビネーションプレー」でウラを突かれたことは確かな事実でしたから、そこで彼らも、「感覚的」に何かを学んだに違いないと思っている(期待している)湯浅なのです。

 でも、そこからの日本代表の攻撃コンテンツが素晴らしかったんですよ。一つひとつの仕掛けプレーの危険度が格段に進化したと感じていました。言葉で表現するのは難しいのですが、「より大きな可能性を探ろう・・」という(確実性を追求する!?)ロジック志向ではなく、勝負できる状況になったら、ワンツーや単独ドリブル勝負や一発スルーパス(決定的パスを呼び込む勝負のフリーラン!)などを駆使し、「オレが最後までいってやる!」という強烈な意志を前面に押し出すような、吹っ切れた最終勝負を挑んでいくのです。そしてそれが実を結びます。中盤の高い位置でボールを奪い返した次の瞬間に飛び出したカウンター一発のスルーパス同点ゴール。そして、こぼれ球を思い切りよくシュートして挙げた勝ち越しゴール。日本代表が勝ち越しゴールを決めたときは、思わず「ヨシッ!」とガッツポーズが出てしまいましたよ。それほど、彼らのプレーぶりに対するシンパシーが高まっていたのです。

 若く情熱的で優秀な大熊監督。素晴らしい仕事をしています。若武者たちの、トーナメントを通した限りない発展が本当に楽しみになってきたじゃありませんか。




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