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W杯レポート(4)・・やはりアルゼンチンは強い・・アルゼンチン対ナイジェリア(1-0)・・(2002年6月2日、日曜日)

さて、予想したとおりに、晴れたことで(出発地の札幌は雨でしたが・・)、私の「愛車」の出番ということになりました。

 朝の6時。三時間くらい寝たところで目覚まし携帯電話にたたき起こされます。そして、すぐにシャワーを浴び、そのまま札幌空港へ。そこからの成田便は多くはないのですが、しっかりと予約してありましたからネ。50人乗りの小型ジェットで約1時間半で成田に到着です。起床してからそこまでの移動時間は「4時間」。フ〜〜ッ。

 この「移動」が疲れるんですよネ。今回も、とにかく原稿は、時間があれば、「どこでも」書いていましたよ。まあ、フランスのときもそうでしたが・・。とにかく、この「移動地獄」を、いかにうまくマネージするかで、仕事の質が決まってくる・・!? いやいや、もちろんそんなことはありません。とにかく、少しでも寝れば、またエネルギーが充填されますから・・。

 ということで、成田で愛車のオートバイにまたがり、約30分でカシマスタジアムに到着です。もちろん「中」まで入ることはできませんが、単車置き場が用意されていて、その目の前が「プレスセンター」という幸運。ラッキー!

 そして、試合がはじまるまでサッカーマガジンの原稿を書きつづけたという次第。

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 試合ですが、立ち上がりの数分間。アルゼンチンが魅せてくれました。例によっての軽快なボールの動きから、その「リズム」を最後の瞬間まで維持してしまうんですよ。「最後まで」の意味は、もちろん最終勝負のスルーパスのことなんですが、「周り」も、そのパスを意識して、しっかりと走り込んでいる・・。いや、素晴らしいコンビネーション。鳥肌が立ちそうな・・なんて思っていたら、その後は、もう完全な膠着状態。

 まあ両チームともに守備を固めているということで仕方のない展開なのです。まあナイジェリアも、例によっての「個人勝負」主体の攻撃で、危険なシーンを作り出してはいましたが・・。それにしてもカヌー。前半の途中でケガを負ってしまいました。それが原因で、後半の立ち上がりに交代してしまうんですが、それまでプレーしつづけた。そのことも、ナイジェリアの「個のダイナミズム」が上がっていかなかった原因なのかも・・。

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 さて後半。どうも調子に乗りきれなかったクラウディオ・ロペスに代えて、キリ・ゴンザレスが登場します。バティーが中央、右がオルテガで、左がキリということになります。そして中央の二列目は、いわずと知れたヴェーロンが控えます。これで、アルゼンチンの攻撃のペースが上がりはじめます。まあクラウディオ・ロペスが悪かった・・というのではなく、一人の交代によって(要は、互いのプレーの相性によって)チームの雰囲気が善循環をはじめた・・なんて表現しましょうか。難しいものなんですよ。これで、チームのプレーの流れが良かったら、クラウディオにしても、抜群の活躍をしてしまうかもしれませんしネ。まあサッカーとはそういうものなんです。だから監督は、「結果としての出来」をベースに、自分の感覚を信じた(これでペースアップするに違いない・・という確信に基づいて!)交代を敢行することもあるということです。

 そしてアルゼンチンの攻めが、俄然、危険なものになっていきます。前半は様子見。そして後半に勝負をかける・・。選手たちは、そんな心理だったのかもしれません。

 そして後半の18分に、バティストゥータが、コーナーキックから決勝ゴールをたたき込みます。その直前にも、同じコーナーキックから惜しいチャンスがあったのですが、どれも同じ「カタチ」。ファーポストサイドのスペースを狙うのです。

 キッカーは、いわずと知れたヴェーロン。蹴られたボールが、生き物のようにカーブしながら、常に、ファーポストサイドの同じスポットに飛んでいくのです。いや、素晴らしい。

 そんなキッカーがいれば、全員の勝負所に対するイメージが、高次元でシンクロするはずです。それにしても、ポスト付近スペースを狙うのは難しいものなのですが、それをアルゼンチンは(ヴェーロンは)いとも簡単にやってしまう・・。ため息が出ちゃいますよ。本当に。

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 その後は、アルゼンチンがどんどんと選手を入れ替えます(ヴェーロンまでも交代!)。ちょっと心配したんですが、逆に、それでペースアップしてしまうアルゼンチン。彼らのキャパの高さを実感させられました。

 そんな彼らに対し、ナイジェリア。彼らは変わらない、変われない。たしかにパスは回すのですが、そのタイミングが、例によって遅い、鈍い。単なる「アクティブプレーゾーンの移動」ってな趣なのです。

 もちろん最終の仕掛けシーンでは、ワンツーパスや、ドリブルからのスルーパス(そんな決定的なシーンでは、彼らも爆発的なフリーランニングを敢行しますよ!)なんていうボールの動きは魅せます。でもそれは最終勝負ですからネ。「そこだけ」で崩そうとして、そう簡単にいくはずがありません(相手も見えているからマークが外れることも希!)。

 とにかく、「前段階(つまり組み立ての段階)」での素早く、広いボールの動き、そしてそこでイメージの中に浸透するに違いない「パス・リズム」、それらが大事なんですよ。それがあって初めて、相手守備ブロックの「ウラ」を突くことができる可能性が広がるというわけです。個人のチカラでの切り崩しでは、その可能性は、確実に「極小」まで減退してしまうというわけです。まあナイジェリアの選手たちのイメージには、いままで「それ」で相手守備を崩したというイメージが、深く、深〜〜く、刻み込まれているということでしょう。

 彼らの高い個人能力は、「両刃の刃」だということです。

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 ちょっと疲れ気味。今日(現在、日曜日の2100時)は、これからスカパー出演(2300時からの番組・・何の番組かよく知りません!)のためにお台場へ向かわなければなりません。ちょっと「やりすぎ」かも・・。ということで、本日はここまでにします。




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