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03-04チャンピオンズリーグ開幕・・まずは、レアルとバイエルンから・・・・(2003年9月18日、木曜日)

さて、03-04シーズンのチャンピオンズリーグが開幕しました。今回は、レアル・マドリーとバイエルン・ミュンヘンを短くレポート。

 まずレアルですが、このチームを観戦するときの私の「ストーリー」は、何といっても中盤ディフェンス。厳しい勝負になったときに、そこがどのように機能するのかに注目しているというわけです。

 いくら攻撃が素晴らしくても、最後の勝負は、確実に中盤ティフェンスの出来にかかってきますからね。私は、そのポイントをテーマに、レアルを観察しています。何といっても、「ボールがないところでの守備の王様」マケレレがチームを離れたわけですから・・。

 レアルの基本布陣は、カンビアッソとベッカムで守備的ハーフを組むというものです。前気味ハーフは、右サイドがフィーゴ、左サイドがジダン。この四人が、どのように中盤守備ブロックを機能させるのか・・。もちろんカンビアッソは「専業」です。そのパートナーとして、いまのところはベッカムがうまく噛み合っています。

 まあうまく機能しているとはいっても、リーガ・エスパニョーラも含め、これまでは、まだまだ強敵との「ホンモノの勝負」というゲームではありませんでしたから、まだまだ様子見です。

 要は、相手のカウンター攻撃や、組み立てからの二列目、三列目選手の飛び出しに対し、レアルの中盤が本当に効果的に対処できるのか・・というテーマについて、私はまだ疑問をもっているということです。選手たちは、マケレレがチームを離れたことに対して危機感をもっているようです。フィーゴにしてもジダンにしても、かなり守備にも意識を向けていると感じます。基本的には「前のゾーンでの守備の起点プレー」。でも、この二人が実効あるディフェンスを魅せてくれれば、カンビアッソとベッカムもやりやすいに違いない。

 守備プレーは、相手のボール(=相手の次の仕掛け意図)を中心に構成される「有機的に連鎖するイメージの集合体」です。相手ボールホルダー(次のパスレシーバー)へのチェイシング&チェック・・そこを守備の「起点」として、次のパスを狙ったり(インターセプト)、トラップの瞬間を狙ったアタックをイメージする・・もちろんそこでは、(その時点での直接的な)ボール絡みゾーン以外のところでの(ボールがないところでの)後方からの飛び出しに対する確実なマーキングが最終的なディフェンスの生命線になることは言うまでもない・・ってな具合です。そのなかでは、やはりボールがないところでのディフェンスが注目ポイント。サッカーのレベルが上がれば上がるほど、そこでの攻防が決定的な意味をもってくるのです。

 カンビアッソは、そんな「目立たないけれどホンモノの勝負所」でのディフェンスに対する意識が高くなっています。まあ「もう、やるのはオレしかいない・・」と思っているのでしょうし、ケイロス監督とも、そこのところを詳細に打ち合わせしているに違いありません。

 またベッカムにしても、ボールのないところでの守備も、そこそこ忠実にこなす・・。これだったらフィーゴやジダンが「ボール絡みディフェンス」に偏ってもカバーできるかも・・なんて思ったりしてしまうのですよ。でも、現実は厳しいでしょう。相手が強くなり、中盤でのイーブンな攻防が繰りひろげられる展開では、より高い守備意識が勝敗を分けますからネ。もちろんそこには、両サイドのロベカルとミッチェル・サルガドのオーバーラップというテーマも絡んできますしネ。

 とにかく私は、自分自身の学習機会として、これからの攻守にわたる中盤の機能性の熟成プロセスに注目していますよ。本当にレアルは、毎年いろいろな有意義なテーマを与えてくれます。

 それにしてもレアルの攻撃は魅惑的です。ベッカムが入ったことで、ボールの動きがよりスムーズになっていると感じますよ。もちろんその「動き」は、逃げの横パスなどではなく、どんどんとタテにも仕掛けられていく。そんなリスキーなボールの動きにもかかわらずボールを簡単に失うという雰囲気がない。各ステーションでの「エスプリ・ボールコントロール」から、どんどんとスペースを活用してしまうのです(このスペース活用センスこそがレアル攻撃の本質!)。

 特に最後の仕掛け段階でのスペース活用(≒ボールがないところでの忠実&クリエイティブな選手たちの動きと素早く正確なパスのコンビネーション)には鳥肌が立ちます。互いのセンスに対する相互信頼ってな具合なんでしょう。とにかく、レアルが展開しつづける、組織と個が抜群のハーモニーを奏でるファンタジーについては、これからも詳しくレポートする機会があるでしょうから・・。

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 さてバイエルン・ミュンヘン。とにかく低級なサッカーでした。ホームでのセルティック(グラスゴー=スコットランド)戦の内容。目を覆うばかりとは、まさにこのこと。本当にアタマにきていました。

 とにかく、まったくといっていいほどスペースを活用できない。たしかにアウェーを戦うセルティックは守備を固めてきています。だから使えるスペースは広くない。それでも、足許パスのオンパレードというバイエルンはひどすぎる。これでは、相手のウラを突いていくという雰囲気さえかもし出せないのも道理。

 昨シーズンバイエルンが良いときは、全員の高い守備意識をベースに、どんどんと大きなタテのポジションチェンジを繰り出していくなど、とにかくダイナミックな仕掛けを魅せていました。「このチームだったら、来シーズン(今シーズン)のチャンピオンズリーグでも存在感を発揮してくれるだろう・・」なんて期待が高まったものですよ。

 それでも、このところ、どうも「イメージ的な忠実さ」に欠けるきらいがある。もちろんそれは、ボールがないとろでの忠実なフリーランニングの頻度と質に如実に現れてきます。それがうまく噛み合わないから、ボールがないところで足が止まってしまい、結果として足許パスのオンパレードになってしまう。これでは、クリエイティブにボールを動かすことなど叶うはずがない。とにかくバイエルンの攻めは、まさにセルティック守備ブロックの「手の平で転がされている」といった体たらくなのです(前半は、セルティックの3本に対し、バイエルンの枠内シュートはゼロ!)。

 後半は、少しは持ち直しました。まあ先制ゴールをたたき込まれたこともありましたがネ(セルティック左サイド選手のオーバーラップ&ヘディングシュート!)。このゴールは、サリハミジッチのマークミスでしたが、そんなところにも、バイエルンの「首尾一貫イメージのほつれ」が見え隠れ・・。

 その後、マッカーイの幸運な2ゴールで勝利をおさめたとはいえ、とにかく内容的には、まったく納得いかないゲームでした。(チャンピオンズリーグ本戦に出場している)シュツットガルトは最初から限界が見えているし、チカラのあるドルトムントは予備予選で敗退してしまっている・・だからバイエルンしか、ドイツ(ブンデスリーガ)のイメージキャリアーはいないのに・・。

 この試合では「ツキの勝利」をものにしたのですから、気持ちを新たに、謙虚にサッカーに取り組み直さなければいけません(昨シーズンのチャンピオンズリーグの敗退とその後の復活プロセスを思い出せ!!)。

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 さて、チャンピオンズリーグ第一節。

 そこでも、イタリアが勝負強さを発揮していますよ。四チーム(ユーヴェントス、ACミラン、インテル、ラツィオ)ともに勝利をおさめました。なかでも、アウェーで、アーセナルから「0-3」の勝利をもぎ取ったインテルのゲーム内容が秀逸。

 ボールキープ率でも、シュート数でもアーセナルに凌駕されながら、我慢に我慢を重ねて「蜂の一刺し攻撃(多くはカウンター状況)」からゴールを積み重ねていったインテル。まさにイタリアのツボの勝利。見事でした。アーセナルファンやベンゲル監督の、「あ〜あ、やられてしまった・・」という表情が印象的でした。

 また昨日のACミランのゲーム内容も印象的でしたよ。たしかに、勝負所をわきまえた戦術サッカー(選手たちのポジショニングと人数バランスが崩れない=リスクチャレンジマインドとは逆行!)という傾向には変わりはありませんが、その内容は、「サッカーの理想型ベクトル」という視点でも、より洗練されてきていると感じられるようになっています(ちょいと表現が曖昧ですが・・)。もちろんカッチリと守って、ここぞの鋭い攻撃を仕掛けていくというイメージですが、「ここぞの仕掛け」にも、より魅力的な変化(要は、相手守備のウラを突くようなクリエイティブな変化!)も演出されるようになっていると感じるのですよ。

 今シーズンのチャンピオンズリーグ。ブランドネーション以外からの下克上もありそうな・・。とにかく楽しみです。




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