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ヨーロッパの日本人・・やっぱり高原についてもショートコメントを・・(2003年2月11日、月曜日)

やっぱり高原についてもショートコメントを書いておくことにしました。何せ、昨日のアクセス数はものすごかったですから・・。

 この試合は、ビデオに収めていました。それでも、帰国後の仕事が重なっていたため、それを観るのがちょっと遅れてしまったという次第。まったくニュートラルな(心理的)状態で観ることを楽しみにしていたのですが、様々なメディアの方からメールは来るわ、電話が入るわ・・で、結局ビデオを見はじめたときには、「結果」だけは明確に把握せざるを得なくなってしまって・・。ほっといてくれればいいのに!!

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 さて高原。全体的な内容は、まだまだといったところですが、「あのゴール」は感動的でしたよ。右サイドでボールを持ったマハダビキアが切り返してルックアップ・・この瞬間、高原がゆっくりと前へ移動・・そして、このちょっとした動きの軌跡をイメージするかのような正確なラストクロスが飛ぶ・・人垣とオリバー・カーンの間に広がる猫の額のような決定的スペースに狙いを定めて・・もちろんそのスペースは高原も意識している・・そして最後の瞬間、抜群のジャンプ力で飛び上がった高原のヘディングシュートがバイエルンゴールへ吸いこまれていった・・ってなことでしたが、そのシーンをよくよく見直してみると、マハダビキアが、「もうあそこしかない!」と、エイヤ!でラストクロスを上げたとも考えられそうです。もちろんそれでも、そのスペースへ入り込める味方がいることを「0コンマ数秒」で確認したことだけは確かですけれどネ。高原の坊主アタマが目立った?!

 それにしても感動的なゴールでした。高原のブンデスリーガ初ゴールでもありましたからね。日本全体に「元気」を与えてくれたに違いありません。

 「タカは、ボールがないところでのアクションが素早く忠実だし、攻撃から守備への切り換えも早い・・特に最前線でのチェイシングが効果的だよ・・アリバイプレーじゃなく、実際にボールを奪いにいっているし、少なくともパスコースは消すような追い込み方だからな・・」。ハンブルガーSVのヘッドコーチ、アルミン・ロイタースハーンが言っていたものです。

 私は内容(プレー・コノテーション)評価者ですが、このゴールが結果評価メディアを動かし、それが生活者マジョリティーへの情緒的な「ポジティブエネルギーの輪」を広げてくれたことは、それはそれでものすごく価値のあることだと思っている次第です。もちろん高原本人にとっても、大いなる自信につながったことでしょう。

 ゴールには「偶然要素」と「必然要素」が関わってくるわけですが、この高原のゴールは、明確に「必然ファクター」が先行したものです。その意味でも、仲間から大いなる信頼を勝ち取った。それが「高原が得た自信」の本当の意味です。もちろん我々も「主体的な」感動を味わえましたしね。

 いつも書いているように、攻撃の目的は「シュートを打つこと」。逆に守備の目的は「相手からボールを奪い返すこと」です。ゴールや失点は、単なる結果にしか過ぎない。ということで、高原が仲間から信頼されるためには、いかに多く、効果的に「シュートチャンス」に絡んでいるのかという事実(=現場における結果の本当の意味!)の方が重要になるというわけです。それが「内容評価」の意味。だからこそ、「必然ファクター先行」だったこのゴールは、「現場的な意味での事実の積み重ね」という意味でも重要だったわけです。

 高原は、先週のヴェルダー・ブレーメン戦でのプレー内容も含め、「シュートシーンへの絡み」という必然ファクター的な視点で、仲間たちから高く評価されはじめているはず。可能性を感じさせてくれていますからネ。

 これで、エースのロメオが怪我から復帰してきたら、シュートシーン演出の可能性が高まるというポジティブな相乗効果が見えてくるじゃありませんか。要は、この二人がトップに張ることで、最前線でのコンビネーションのキャパシティーが拡大するということです。ロメオの復帰によって、クリエイティブなトラッピングやキープ(タメ)など、戦術的な「エスプリプレー」が、より広がりをみせるに違いないということも含めてね。

 とにかく高原には、コンビネーションプレーへの絡み方、ラストパスを受けるポイント(スペース感覚=シュートポジションへの入り方)など、味方同士のイメージシンクロとも表現できる「慣れ」のレベルを高めていくことを主たるイメージターゲットに、自分主体の精進をつづけて欲しいと思っている湯浅なのです。

 期待が高まるじゃありませんか。ガンバレ、高原!




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