ことほど左様に、「西」はストイコビッチが中心。彼に対する「信頼」「尊敬」レベルは、もう天文学的?! そんな彼が、守備にも積極的に絡んだり、積極的にフリーランニングを仕掛けていくのですから、周りのチームメートもサボるわけにはいかない・・ってな具合です。
ストイコビッチは、1990年イタリアワールドカップで本格的な「世界デビュー」を果たしました。決勝トーナメント一回戦でスペインを破ったときのプレー。PK戦で負けてしまったとはいえ、二回戦での対アルゼンチンでのプレー。それはあまりにも鮮烈。あれだけの「才能」なのに、攻守にわたってチームプレーにも徹する。それこそコーチにとっては理想的なプレーヤーということになります。
「とにかくヤツほどの選手は、そうザラにはいないネ。もちろん才能的にはマラドーナやクライフ、ベッケンバウアーの方が上だろうけれど、チームゲームという観点からすれば・・。コーチが一番欲しがるタイプの選手だよナ・・」
ヨーロッパのエキスパートたちからも、高い「実践的な評価」を受けるストイコビッチ。日本の将来を担う若手には、彼の「凄さの本質」を、しっかりと理解し、イメージトレーニングの材料にして欲しいモノです。
そんな「心理的・技術的・戦術的なリーダーがいる「西」に対し、「東」の中盤では、これまた「10番」をつけるマリノスの中村俊輔と、6番をつけるエスパルスの伊東が中心になります。
たしかに二ゴールを決めた中村の才能は「将来の日本を支えるレベル」にあります。それでも心理的な部分も含めた「格」では、ストイコビッチにかなうはずもない・・ということで「東」では、チームの「核」がはっきりせず、どうしても攻守にわたるプレーが中途半端気味になってしまっています。
オールスターはお祭りですから、中盤でのマークが甘くなるのは仕方ありません。中盤での「攻撃の起点」が簡単にできてしまうんですからネ。美しさを演出しなければならない中盤選手たちが「気持ちよく」プレーできるということなのですが、その意味でこの試合は、ファンに対してサッカーの美しさを存分に魅せなければならないという位置づけにあります。
ただ、そこはホンモノのチームゲーム(パスゲーム)、サッカー。少しでも「ボールの動き」が停滞してしまったら、「次のパスやプレー」を相手守備に簡単に予測されてしまいますから、「美しいフィニッシュ」のチャンスを創り出すことは難しくなります。そこなんですヨ。ストイコビッチの本当の凄さが発揮されたのは・・
あれだけうまい選手なのに、「球離れ」の早いこと(もちろんチャンスとなれば、タメを演出したり、勝負のドリブルを仕掛けはしますがネ・・)。私は、ペルージャで活躍している中田を「シンプルプレーの天才」と呼ぶのですが、中田にとっても、(選手のタイプとして)ストイコビッチは「理想像」なのかも・・
いま、「3-1」で「東」が制した昨年のオールスターの記事を読み返しているのですが、そこでもストイコビッチの活躍が目立っていました。皆さんも、ちょっと「レビュー」してみませんか・・
さて、優勝争いだけではなく、「降格リーグ」にも注目が集まるセカンドステージが始まります。これからは、「「J」ワンポイント・コーナー」にも注目してください。では・・