フランクフルトに到着し、ドイツのビジネスパートナーが「特別料金」で調達してくれたレンタカーを駆り、ケルンへ向かっているときのこと。200キロ以上でクルーズしているというのに(今回借りたのは、メルセデスCLKコンプレッサー・・速いクルマなのです・・でも)、そのすぐ横を真っ赤なポルシェが、アッという間もなく追い抜いていきやがった・・
例によって「911タイプ」。ブッ飛ばしているのは、フラストレーションのたまったビジネスマンに違いない?! でも「911」だから許すか・・(何を??)。とにかく、私にとってのポルシェは「911タイプ」しかないし、それに対してはある程度はレスペクト(敬意を払うことが)できるというわけです。
普通なら追い越されることは希なんですが、今回は、真っ赤なポルシェ氏だけではなく、何台ものクルマに(かなりの速度差で)追い越されてしまった。もしかしたら、ドイツのアウトバーンにも制限速度が導入されるということで、「最後のチャンスだ!」ってなノリで皆ブッ飛ばしているんですかネ・・
つまらない導入部で失礼しました。湯浅のドイツ出張報告第一回目です。
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フランクフルトからケルンまでは、北北西へ約200キロ。ドイツの空港玄関口フランクフルトに到着し、そこでレンタカーを調達してケルンまでブッ飛ばす・・いつものパターンなんですヨ。そうすれば時差による眠気も忘れ、夜までケルンの友人たちと歓飲した次の朝からはスッキリと仕事を始められるってなわけなのです。
今回の仕事始めは、ドイツサッカー協会が、ケルン体育大学の施設を借りて行っている「S級ライセンス(ドイツのプロサッカーコーチライセンスです)コーチングスクール」の事務局長との話し合いです。
ミーティングが終わった後、その事務局長と、ドイツ語で「メンザ」とよばれる、ケルン体育大学の学生食堂で昼食をとりました。私が1976年から五年間在学したケルン体育大学。その頃の学食は小さな規模だったのですが、今では・・・。隔世の感・・
ドイツには、国立のスポーツ専門大学はケルンにしかありません。ですから、ドイツサッカー協会も、そこの施設を借りて「最高レベルのコーチングスクール」を毎年おこなっているというわけです。それは、直訳すれば「サッカー教師」と呼ばれるライセンス。日本では「S級ライセンス」なんて呼ばれていますよね。それ以下の「A級ライセンス」「B級ライセンス」のコーチングスクールは、ドイツの各州に必ず一つはある「スポーツ・シューレ(学校の意)」と呼ばれる施設で行われます。
この施設は、ドイツ政府が長期視野で実施した(スポーツ&福祉振興計画)「ゴールデンプラン」の一環として整備されました。事務局、食堂、会議室などが完備されたキレイなホテルや宿泊施設あり、プールあり、屋内スポーツ施設あり、もちろん芝のグラウンドあり・・。「J」の川渕チェアマンが、デュイスブルクのスポーツシューレを見学し、「いつかは日本にも・・」と思った例の施設です。
そこで、サッカーコーチたちが学び、コーチングライセンスを取得するのです。もちろん得られるのは理論的なことが主体(もちろんグラウンド上での実践的なコーチングスキルトレーニングもありますが・・)。その知識を地元に持ち帰り、実際のコーチングの場で実践的に「磨き」をかけます。そしてそこで得られた「ブラッシュアップされた知識」が、「プラグマティック(実践的)なノウハウ」として、コーチングスクールなどを通じ、後進に「効率的に」伝えられるのです。
(連盟正式会員の)私も招待された、ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟が主催する国際会議は、毎年この時期に開催されるのですが、そこでは常に「理論と実践」の融合がはかられます。
ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟の副会長は、私の古くからの友人であり、今ではヨーロッパ屈指のプロサッカーコーチとして勇名を馳せているクリストフ・ダウム。彼が「パイプ役」となり、学術的な「理論」と、グラウンド上での「実践ノウハウ」の融合が「効果的」にはかられているというわけです。
今のドイツでもっとも大きな問題は「オーバーコーチング」。特に子供の世代に対するコーチングの内容が、あまりにも「ディテール」に及びすぎる・・サッカーは自由にプレーせざるを得ないボールゲームなのだから、もっと子供たちを自由にプレーさせるべき・・できれば、以前にはあった「草サッカー」を積極的に奨励すべき・・なんて議論が為されるとは思うのですが・・それについては、国際会議のフタが開いてみなければ・・
今日はこのままハンブルクへ移動し、私の本業(副業?!)のミーティング。たぶん二日くらい掛かるでしょう。週末は、個人的な友人たちと旧交を温めようと思っています。国際会議は週明けからはじまります。できるだけレポートしたいと思っています。また「ヤフー・ジャパン2002クラブ」でも書こうと思っています。ご期待アレ・・