まだ元気はありますが、このところ、来年早々に出版予定の本の執筆(新潮社)、連載コラム、スポット記事などの執筆、はたまた私の本業(副業?!)のマーケティング企画の仕事などが重なって、ちょっとオーバーワーク気味。ということで、この試合に関しては、ポイントだけ、短くまとめることにしたいナ〜〜
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とにかく試合の流れを追うことからはじめましょう。
試合は、立ち上がりから拮抗した状態が30分ほど続きます。たしかに最初の時間帯はエスパルスペースでしたが、前回の試合同様、完全にペースを掌握しているというのではなく、「勢い」で勝っていたという感じです。
この試合では、前回の反省なのでしょうか、アレックスの攻撃参加を「より」積極的に支援する体制がとられたように感じます。アレックスのサイドに、伊東、澤登が交代に顔を出すのです。基本的には、いつものことなのですが、この試合では、より徹底して・・という「ゲーム戦術的」な意図を感じました。
とはいっても、完璧に崩すまではいけない・・。藤田、安藤、はたまた三浦文丈までも、守備サポートに回ってきていましたからね。
両チームともに、確実な守備をベースに、「ワンチャンスを・・」という戦い方は、第一戦と同じ、そして試合展開も、交代にペースを奪い合う・・
それでもエスパルスの方は、とにかく攻撃をシュートで終わる・・という意図は、より鮮明になっていたように感じます。アレックスが、澤登が、はたまた安永が、積極的に「惜しい」中距離シュートを放っていましたからネ。
それでも拮抗したゲーム展開には大きな変化はありませんでした。ジュビロが先制ゴールを決めるまでは・・
それは前半の30分過ぎ。まず西澤が、バックパスミスから決定的ピンチを招いてしまうなど、何度かミスを重ねることで自信をなくしかけたところ、運悪く、またまた西澤のスポットで「決定的な競り合い」になってしまいます。そして中山にボールを支配され、藤田(福西?!)が絡み、最後は、こぼれ球を服部に決められてしまったのです。前半34分のことでした。
そしてすぐその後、アレックスが、安藤に対する報告行為でレッドカード・・。
このとき私が確信したことは、ただ一つ。「ヨシッ、これでエスパルスが、何かから吹っ切れて、攻守にわたって仕掛けていくに違いない!」・・でした。
そしてその直後の、澤登のスーパーフリーキックからの同点ゴール。
その後は、(案の定というか・・)もう完璧にエスパルスペースでした。サッカーは、心理ゲーム。エスパルスの選手たちは、「一人でもサボッたり、受け身になったら、完全にジュビロにやられてしまう!」という『意識』で統一されたのです。
服部のゴールとアレックスの退場は、「表面的」には「ネガティブなダブルショック」ではありましたが、「心理的な影響・効果」という意味では、確実に「強烈なポジティブ刺激」だったのです。ネガティブな刺激による「ポジティブな影響」・・。サッカーではよくあることなんですよ。
それに澤登の同点ゴールが決まり、結局は、「トリプル・ポジティブ・刺激」になってしまったというわけです。私は、エスパルスがペースを握ることを確信していました。多くの人たちが、失点し、アレックスが退場になって、「もうこれでゲームは終わった・・」と感じたかもしれません。ただ私は、そんな状況で、ネガティブな現象が、チームにとって、レベルを超えた「ポジティブ刺激」になった例を、数限りなく経験しているのです。
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ただ後半の立ち上がりは、完全にペースを握ったジュビロが押し込みます。それでも、果敢に(ある程度の人数をかけて)危険なカウンターを仕掛け、「最後」まで行きそうになるエスパルス。
そんな展開を繰り返しているうちに、またゲームが落ち着き、拮抗してきます。
ゲーム展開がそうなったら、もうエスパルスのものだ・・。そこでも私は、そんなことを思っていました。
それは、ゲームが落ち着いてきたら、「覚醒」している方が有利だということを、世界のサッカーシーンで何度も体感していたからです。
ジュビロの選手たちは、「このまま失点さえしなければいい。今は、エスパルスに、危険な攻めを繰り返すほどのパワーはないから、このペースで大丈夫。人数はこちらの方が多いのだから、落ち着いていけば・・」なんて思うことで、守備組織に多くのプレーヤーが「残ってしまう」現象が頻繁に起きはじめます。また攻撃でも、後方のだれも「前のスペース」へ抜け出ようとせず(その役割は、中山に任せっぱなし)・・ってな具合です(確かに、藤田、三浦文丈は積極的に、前に絡んでいこうとはしていましたがネ・・)。
対するエスパルスの心理状態は、「とにかくオレたちの人数は足りないのだから、一人でも、本当に一人でも眠ってしまったら、攻守の両方で、確実にジュビロにやられてしまう・・。とにかく、まずオレが行く!!」、というものだったに違いありません。
その時点での心理ポテンシャルは、確実にエスパルスの方が上だったのです。
そしてエスパルスがペースを握りかけます。ただそこは、アジアチャンピオンのジュビロ。簡単には守備を突破させてくれません。逆に、またまた盛り返し、何度か、危険な攻めを仕掛けてきます。
そんな時間帯での、エスパルス、サントスの守備には、大きな感動がありました。フリーキックやコーナーキック、はたまた流れの中でのセンタリングを、何度ヘディングでクリアしたことでしょう。彼には、センタリングの「コース」を読んでしまうような「千里眼」でも備わっているのでしょうか。彼の、「経験」をベースにした、「ココゾ!」の鋭い感覚には、本当に脱帽でした。
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試合は膠着状態。そんな展開の後半23分、エスパルスのペリマン監督が動きます。安永に代えて、ファビーニョを投入してきたのです。それは、「よし、今が勝負だ。とにかく危険を犯して、攻めよう!」という彼のメッセージ(外的な刺激)だったのです。
そして、そのメッセージに応えるように、エスパルスの攻めのペースが急にアップし、ジュビロを押し込みはじめます(逆にジュビロは、強すぎる警戒心から、下がり気味に・・)。そして、ファビーニョが絡みながら何度か「チャンスの芽」を作り出しているうち、久保山の、バー直撃のシュートが飛び出します。あれが決まっていれば、スーパーなベンチワーク・・ということになったでしょうに・・
ただ、「ファビーニョ効果」も、続いたのは五分間程度。ジュビロ最終守備ラインの鈴木と安藤が、意識してファビーニョを抑えにかかり、その「エスパルスにとっての心理効果」を消し去ってしまいます。そこらあたりの、鈴木、安藤の「判断の良い修正(調整)」には大拍手といったところ・・。彼らは、「今は、ファビーニョがペースを作り出している。ヨシ、オレが抑えてやる・・と考えたに違いないと思うのです。
そしてまたまた拮抗状態に入ってしまいます。そのままタイムアップ。延長では、再びジュビロが、「平面的」に押し込みます。つまり、選手たちの「定型」にはまり込むような変化のない動きには、活性化の兆しが見られなかったということです。
最後は、交代出場した長谷川の「突破トライ」をキッカケに、そこからのジュビロディフェンダーのクリアミスを大榎が拾い、ファビーニョへタテパスを通して、ザッツイット。素晴らしいVゴールではありました。
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サントリーチャンピオンシップの二試合は、非常にレベルの高い、拮抗した内容のゲームでした。二試合目には、様々な「変化」もありましたし、私は堪能しました。
とはいっても、「年間リーグチャンピオン」を、この二試合だけで決めてしまうというのは、様々な方が意見を出しているとおり、不自然きわまりないことです。
そうそう、前には、ナビスコカップのチャンピオンとリーグチャンピオンが、グランド・チャンピオンなどという「似非タイトル」を争ったこともありましたっけね。まあ笑止千万ではありました。
このことについても、今度もうちょっと深く考えてみることにします。とにかくもう限界・・ということでお休みなさい・・