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ヨーロッパの日本人・・どうも小野伸二については、安定とかスマートといったキーワードになってしまう・・(2004年10月5日、火曜日)

後半15分に「3-1」としたところでお役ゴメンになった小野伸二。そこまでの三点のうち二つは彼が演出したゴールでした。例によって、攻守にわたって高みで安定したクリエイティブプレーを展開しつづける小野伸二。いや、素晴らしい。

 どうも小野のプレーについては、安定とかスマートといった表現以外にうまいキーワードが思い当たりません。それには、彼の攻守にわたる仕掛けコンテンツに、全力のスライディングタックルとか吹っ切れたドリブル勝負などの「爆発的な勝負シーン」が少ないということもあります。別な見方をすれば、彼のプレーが、自身のフィジカル的なディスアドバンテージ(不利な点)をしっかりと意識し、深い読みをベースにしたクレバーなロジックを基盤にしているとも言える・・?! まあとにかく、攻守わたる実効レベルで確実にチームの中心であることは確かな事実です。

 この試合では、ボスハールトと組んで守備的ハーフに入った小野伸二。守備では、忠実・着実に守備の起点プレーをこなすだけではなく、二列目からスペースへ飛び出す相手をマークしつづけたり、スペースをケアーするなどの穴埋め作業や確実なカバーリングでも優れた守備イメージを魅せつけます(予測スタートのタイミングが素早く確実だから、足の遅さを十分に補える!)。たしかにまだまだ実際のボール奪取勝負には課題は残るけれど、守備での全体的な実効プレーコンテンツは着実に発展をつづけています。

 そして攻撃・・。もちろん、後方からのゲームメイク&チャンスメイクが基調。要は、自分がコアになった仕掛けの流れを演出できるということですが、たまには、後方から相手守備ブロックの穴へ入り込むなどの、ボールがないところでの影武者プレーも披露します。素早いタイミングの正確なスルーパスをピシバシ決めたり、相手守備ブロックの発想のウラを突いてしまうようなサイドチェンジパスやロングタテパスでも高い能力を見せつける小野伸二。完全にフェイエノールトの攻撃のイメージリーダーになっています。

 中盤ディフェンスの貢献度と、攻撃での優れたゲームメイキングコンテンツを考えれば、ボールを持つチームメイトたちが、常に小野を捜すのも道理というものです。この試合では、相手が格下ということで、小野も余裕をもってプレーしていましたが、そこで気持ちが弛んでしまうことなく、ある一定レベル以上の緊張感を維持しつづけていました。特にそのポイントを頼もしく感じたモノです。

 さて勝負のオマーン戦。前でチャンスメイクする中村俊輔と後方からゲームをメイクする小野伸二。これで中盤の「背骨」は固まった。とにかく彼らは、中盤の前と後ろで、まずチーム全体の「守備意識」をリードする(活性化する)という意識でプレーしなければいけません。守備のダイナミズムが高揚することこそが、成功をおさめるための絶対的なキーポイントなのです。

 



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