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ヨーロッパの日本人・・04年最後のレポートは、小野伸二と中田英寿・・(2004年12月20日、月曜日)

さて、まず小野伸二から・・なんて勢い込んで観はじめたのだけれど、どうも全体的なプレー内容に勢いを感じない。ボールを持ったら、例によっての正確な組み立てパスや仕掛けパスだけではなく、コンビネーションのキッカケプレーも魅せたりするけれど、守備と、攻撃でのボールなしのプレー(パスレシーブの動き)が活性化しないと感じるのですよ。

 特に守備でのプレー姿勢がおかしい。その受け身で消極的なディフェンス内容を観ていて、彼は、まだ完全にケガが癒えたわけではない・・だから、次の勝負所へ絡んでいくためのボールなしの動きの勢いが鈍いなど、ボール奪取勝負シーンに絡んでいくのを逡巡している・・なんて感じていました。そのプレー姿勢には、あたかも、危険なボール奪取勝負には、出来るならば絡みたくないという雰囲気がアリアリとうかがえるのです。そんなプレー姿勢だったら、大きなミスをするのも道理(二度ほどありましたかネ・・)。

 不確実性ファクターがてんこ盛りのサッカーでは、とにかく積極的で吹っ切れたプレー姿勢を貫くことが基本なのです。その姿勢が消極的になって中途半端なプレーに陥れば、ミスは出るわ、ケガをするわといった散々な結果(悪魔のワナ)が待ち構えている・・というわけです。

 小野のプレー内容はちょっとおかしくなっている・・でも後半は何とか持ち直してくれるに違いない・・なんて思っていたら、前半だけで交代してしまった。やはり、ケガが完治していなかったに違いない・・。つい最近のヨーロッパのカップゲームや前節のPSV戦でも、復帰した小野が良いプレーをしたという報道を読んでいたから楽しみにしていたのですが・・。とにかく、まずケガを完治させることが肝心。プロ選手にとってのケガは、心理・精神面をブラッシュアップするための貴重な学習機会(忍耐力の養成!)と捉えなければいけません。ここは一つ、本を読んだり、様々な人々と触れあったり、サッカーとは完全に距離を置いた生活を過ごすことにしましょう。

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 もっと下がってボールに触らなければ・・。久しぶりに先発出場した中田英寿の立ち上がりのプレーを観ながら、そんなことを思っていましたた。二列目とはいっても、前に張り出し過ぎた場合、よいカタチでパスをもらえるケースは限られてきますからネ。要は、一度下がってボールに触り、シンプルにボールを動かしてパス&ムーブ・・そして次のスペースでリターンパスを受けるというイメージが、もっとも効果的だということです。そのなかで、後方の味方を前線に送り出したりしてネ(例のタテのポジションチェンジですよ!)。要は、好調時の中田自身が常にイメージしていたプレーコンテンツを思い出せばいいということです。一度下がってパスをもらい、トップに張っているリガーノへ素早くタテパスを付けることで彼をポストとして活用したり、中田がコアになったコンビネーションを繰り出していくなど、仕掛けイメージも広がるに違いないのに・・。

 それが、立ち上がりは、どうも前線に張り出し過ぎで、仕掛けの意図が空回りしつづけていたのですよ。それでも前半の途中からは、やっと良いカタチでポールに触れるようになっていきます。前述した「タテ方向のボールなしアクション」が活性化してきたこともその背景にあります。中田の場合は、周りの味方とのシンプルコンビネーションをリードすることで自分自身のプレーリズムを高揚させますからね。

 調子を取り戻してからの中田のプレーは、以前の好調イメージに戻りつつあるとまで感じましたよ。もちろん、攻守にわたるアクション・ラディウス(行動半径)はまだまだだけれどね・・。やはり、勝負のゲームを超える効果的トレーニングはないということです。

 中田にとって、自身の存在価値をリカバーすることも含め、ものすごく重要な意味があるこの試合。ボールにたくさん触るなど、攻守にわたってなかなか良い出来だったと思います。そのなかで以前の好調プレーを彷彿させたシーンだったのが、フィオレンチーナのマッジオが退場になった89分に飛び出したカウンタープレー。最後尾で相手のタテパスをカットした中田が、力強いドリブルと素早いコンビネーションパスで相手守備ブロックを振り切りそうになったのですよ。最後は、相手ディフェンダーの必死のスライディングで止められてしまったけれど、やはり中田は、そんな「グランウド全体を使った力強いシンプルコンビネーション」というイメージが似合います。それ以外でも、何度もシンプルパスを積み重ねるダイナミックプレーを披露していましたよ。

 でもネ・・まだまだ不満。やはり、もっと積極的に守備へ参加することで攻撃のパワーをアップさせなければいけないと思っていたのです。守備こそ、全てのスタートライン。中田の「復活プロセス」は、常に好調ディフェンスから入っていくというのがパターンでしたからネ。とはいっても、正しいベクトルに乗っていることは確かな事実。たしかに、中田の完全復活は近い。

 



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