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オリンピック女子サッカー(オフサイド問題について再び加筆!)・・彼女たちもまた、私たちのアイデンティティー強化装置として抜群の機能性を発揮してくれました・・本当にお疲れさまでした・・(日本vsUSA、1-2)・・(2004年8月21日、土曜日)

立派な、本当に立派なサッカーを展開した日本女子代表。私は、彼女たちを誇りに思っていました。彼女たちは、最後まで、世界と肩を並べるだけの立派な存在感を主張してくれたのです。だからアイデンティティー強化装置。それにしても、ありゃオフサイドだろう!!・・なんて、常日頃レフェリーのミスジャッジもドラマ要素なんて涼しいことを言っていた湯浅が、そんなタラレバのことを叫んでしまうのですよ。それほど悔しい失点シーン。ホント、アタマにきた! フザケルナよ!! ありゃ、オフサイドだろう!!!

 でもネ・・いまビデオを確認したのですよ。たしかに「オフサイドの位置」にいた一人のアメリカ選手は、次のゴールシーンには(滑ったことで)直接絡めませんでした。だから、厳密にいったらノーオフサイド・・。要は、たしかに一人はオフサイドだったし、そのアメリカ選手は次の勝負シーンに絡もうとする意志をみせたけれど、(結果として)そのアメリカ選手が、次の勝負シーンに直接関与していなかったからノーオフサイドというわけです。フ〜〜ッ!・・この文章について、今朝起きてから付け加えた下記の『お詫びと訂正』を参照してください!

 『お詫びと訂正!!! わたしは、ホントに寝ぼけていました。あのシーンでは、オフサイドの位置に残っていた(その後ターンしてすべった)選手(=16番のワムバック)が、そのまま追いつき、最後のパスを受けてゴールしたのですよ。わたしは、その選手が追いついてくるところまでで、ビデオを見直すのを止めてしまっていた・・。ゴールシーンなんて見たくもなかったから・・。でも、今朝起きて確認してみたら、「アララッ! 何だ、最後にゴールしたのはワムバックだったんじゃないか!」ってな具合。もうホント、アタマにきた! フザケルナよ!! ありゃ、オフサイドだろう!!!・・本当に、寝ぼけていて、そして皆さんに不快な思いをさせて、申し訳ありませんでした・・』・・この「判断」について、下記に、その詳細な根拠を加筆しました。ご参照ください。

 
 『オフサイドポジションにいたのは、ワムバック一人(NHK総合放送のスロービデオで明確)・・飛び出してフリーキック(FK)ロングボールをコントロールしたアメリカ選手は、もちろんノーオフサイド・・この時点で、最後にシュートを決めたワムバックのオフサイドポジションが消えているという判断があるということ・・ただし、まだFKロングボールが空中にある時点で、ワムバックは方向転換して日本ゴールへ向かっていること(プレーに関与していること)を考慮すれば、ワムバックの一連のアクションについて、フリーキックが蹴られた時点から最後のシュートまでを「ワンプレー」と捉えるのが自然・・つまり、ワムバックは、フリーキックで蹴られたハイボールがまだ空中にある時点で(要は、オフサイド効力が消去される次のプレーが起きる前の時点で)ゴールへのアクションを起こしていたから、最後までオフサイド効力を引きずってプレーしていた(この場合、ハイボールをオフサイドなしでトラップしたアメリカ選手のプレーは、オフサイド効力の破棄にはつながらない!)と判断するのが当然・・そのことが、私が、オフサイドだと判断した根拠です・・まあ、とはいっても、オフサイドの位置が有効になってから(そこへ縦方向のパスが出されてから)、どの時点までをワンプレーとするか(オフサイド効力を消去するか)についての判断はグランウド上の審判に委ねられるという事実もありますけれど・・。ということで、この話題はここまでにして欲しいものです・・』

 とにかく日本女子代表は、「サッカーは、突き詰めたらフィジカルじゃない・・戦術的なインテリジェンスこそサッカーの本質的な魅力の源泉だ・・」という高次元の真実を世界に再認識させたという意味で、素晴らしい哲学的存在感を発揮していたと思っている湯浅なのです。だからこそ彼女たちは、真のアイデンティティー強化装置になった・・。だからこそ悔しい・・。こんなにリキが入った観戦は久しぶりだった・・。

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 試合がはじまる前、「よし、よし!・・宮本がもどってきた・・とにかく中盤の底として攻守にわたる実効コアプレーを展開する彼女の存在は大きいから、本当によかった・・」なんて胸をなで下ろしたものです(実際に彼女の存在は大きかった・・)。

 そしてはじまったゲーム。その立ち上がり、やっぱり「こんな発想」に、アタマのなかを占拠されてしまいましたよ。「たしかに女子サッカーはまだ総体的レベルは低い・・でも、だからこそ、フィジカルに差があったとしても、それを、戦術的な理解の深さと、強い意志をバックボーンにしたクレバーな実行力によって十分にコンペンセイト(compensate・・補償)できる・・要は、戦術的なプレーイメージをハイレベルに高揚させることで、相手のパワーを抑制するだけじゃなく、それを超越さえできるということ・・とにかく女子日本代表のプレーは、サッカーがもつ本来的な楽しさ・美しさを思い起こさせてくれる・・アタマ(インテリジェンス)と意志の力さえあれば、確実にフィジカルを超越できる・・あ〜〜っ、痛快だ・・」ってな具合。

 そして「もう、全然大丈夫・・アメリカのサッカーは、まさに単調なパワープレーの単純再生産・・どちらかといったら直線的なパワーサッカー・・日本代表は、これまでどおりのクリエイティブで忠実ディフェンスをつづければ、確実にウラスペースを突かれることはない・・この、忠実ディフェンスをベースにしたクレバーサッカーでアメリカを焦らせば、必ず勝機が訪れる・・」と、心の底から確信していたのです。その確信は、前半10-25分にかけての、日本がアメリカに押し込まれつづけた時間帯でも揺らぐことはありませんでした。それでいい・・そのサッカーでいい・・よしよし、痛快だゾ・・。

 ナデシコレディースは、例によって、全員守備、全員攻撃というダイナミックな組織プレーを展開するのです。もちろん、その絶対的なベースは効果的な中盤ディフェンス。とにかく、クリエイティブな読みを基盤にしたボール奪取勝負がねばり強い。たしかに、アメリカのボールの動き(パス)が単純だという側面もあるけれど、それにしても日本選手たちの読みが、ピタリ、ピタリと当たりつづけるのは、見事としか言いようがありません。要は、相手ボールホルダー(次のパスレシーバー)に対するチェイス&チェックという「守備の起点プレー」がうまく機能しているということです。本当によくトレーニングされたチームじゃありませんか。

 でも、前半43分に、アメリカが、これぞパワープレー!という強引な突破から先制ゴールを決めてしまうのです。そこでは、日本GK山郷の惜しい判断ミスもありました(前への奪取スタートの一瞬の遅れ・・全体的には素晴らしいプレーを展開していた山郷の悔やまれる判断ミス・・)。そしてアメリカの大女たちが、強引なパワーで「こぼした」ボールを、再びパワーで蹴り込んだという先制ゴール。そんな泥臭いパワーゴールシーンを観ながら、「パワーを超えたと思っていたけれど、結局パワーにやられてしまった・・やはりまだナデシコレディースは、美しさの源泉である戦術パワーでパワーを抑え込んで勝ち切るというところまで進化していないということなのだろうか・・いやいや、そんなことはない・・まだまだだぞ・・」なんて、心が揺動しつづけたものです。

 そして後半の同点ゴールから、その後に魅せた圧倒的にハイレベルなサッカー。それを観ながら、「よし、絶対に勝てるぞ・・いや、貴女たちは、世界の(女子)サッカー発展のために絶対に大女たちを負かさなければならない・・」なんて、再び確信レベルが高揚したものです。あ〜〜っ、リキが入る・・。でも結局は・・。

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 アジア最終予選からオリンピック本大会まで、ナデシコレディースが魅せつづけた発展プロセスは、我々サッカー人にとって、これ以上ないというほどの学習機会を提供してくれました。彼女たちに対し、心から感謝している湯浅です。本当に、お疲れさまでした。

 



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